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男女平等は実現していると思う?「#KuToo」「#なんでないの」運動にみる、現代女性のリアル

LIMO / 2019年8月27日 19時45分

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男女平等は実現していると思う?「#KuToo」「#なんでないの」運動にみる、現代女性のリアル

近年女性達により「男性主義社会への抗議活動」が広まってきています。

日本でも、女優の石川優実さんが発起人となった『#KuToo運動』や、代表の福田和子さんが日本の避妊法の少なさに疑問を持ち立ち上げた、『#なんでないの』運動などが行われ、女性の社会の在り方を変えようと様々な人が立ち上がっています。

しかし、まだまだ「女性は男性よりも率先して子育てをするもの」「共働きでも家事を行うのは女性が主体」という風潮が社会からは抜けていません。なぜ男女平等が説かれ、令和の時代となった今も、このような考え方が抜けないのでしょうか。

「男は仕事、女は家庭」まだ消えない「昭和型家庭」の考え方

「女の子は結婚して男性に養ってもらえばいい」「手に職があればいいけど、それ以外の女性は男性に養ってもらうしかない」すべて過去に筆者が言われた言葉です。

「夫は外で仕事をし、妻は家庭を守るもの」このような家族の姿が大衆化したのは、高度経済成長期である1954~73年です。まさに昭和の真っ只中であり、その後平成に入った90年代には、夫も妻も外で働くという「共働き」の夫婦像が「夫は仕事、妻は家庭」の夫婦像を逆転しています。

また、2019年の現在においても共働きの夫婦は1000万世帯を超えて増加し続けているため、既に「昭和型家庭」を現在の家庭には当てはめることは出来ないと言えるのではないでしょうか。

しかし、そんな中でも、「昭和型家庭の考え方に賛同する人々」は一定数存在しています。
内閣が行った14年度の「女性の活躍推進に関する世論調査」では、「男性は仕事、女性は家庭」という考え方に賛成する、と答えた人の数は44.6%と半数近くに上りました。

共働きの家庭が増えてから25年以上経っても、男女全体で約2人に1人の人は昭和型家庭の在り方を推しているのです。

共働きでも女性は「非正規雇用」であることが多い

安定した収入を得て家庭を支えるためには、「非正規雇用」ではなく福利厚生や手当などが保障されている「正社員」が一番良いという考え方は今も主流です。しかし、正社員はアルバイトや派遣社員と違い、責任ももちろん拘束時間も長いのが一般的です。中には労働基準法に則った一日8時間の労働を超過し、残業がある企業も存在しています。

そんな中で、「夫も妻も両方とも正社員である」という家庭は一体どれくらいなのでしょうか。

厚生労働省が発表した17年の「国民生活基礎調査」では、18歳未満の子どもがいる家庭で働いている母親は70.8%、その中で正規雇用されているのは24.7%と、約3分の2が働いていたとしても非正規雇用であるという結果が出ています。

家に帰っても、同じく仕事をして帰ってきた夫は家事を行わない。だから食事の支度や洗濯などの家事、さらには子どもや夫の世話までする、という現実が、世の母親たちがフルタイムで働けない枷になっているのでしょう。

しかし、非正規雇用であるとはいえ、外でも働き、家の中でも働いていれば、一体いつ女性達は休息をとれるというのでしょうか。

日本の政治は男性のもの?遅れる女性議員の進出

国民の暮らしを担う政府においても、男性中心で出来上がっているという現実が浮き彫りになった結果があります。

スイスに本部がある国際組織、列国議会同盟が調査した2019年1月時点の女性議員の割合において、日本は10.2%という結果が出ています。ランクで表せば、対象となる193ヵ国のうち165位という、目に見えて分かる低い順位でした。

これは先進国の中でも最低水準の割合であり、フランスでは39.7%で16位、アメリカでも23.5%で78位などの結果が出ており、先進7カ国の中で100位台は日本だけ、という深刻な状態です。

日本にいる以上、日本の政治について身近に感じることはあっても、日本以外の国の政治に目を向けることは少ないのではないでしょうか。そのため、現在の男性が大半を占めている国会に、あまり疑問を抱かないかもしれません。

しかし、世界全体で見ても、女性議員の割合は増加してきているのです。1995年の11.3%から、2019年1月には24.3%と倍以上に増えていて、世界中で女性達は政治に参加し、国を変えています。

ですが、日本の女性議員の少なさでは、例え、出産や避妊など女性が中心となるような問題を国会で決めるとなっても、話し合いに参加するのはほとんどが男性なのです。割合で言えば10人中9人が男性で1人が女性と言う状態の中で、果たして男女平等な結果が生まれるのでしょうか。

男女関係なく偏りのない社会を作るには

男性が楽をしている、男性だけの意見がすべて通って社会が回っている、と言っている訳ではありません。男性もまた、会社や責任の重圧に押しつぶされ、苦労を重ねているでしょう。

しかし、ここまで見てきて、あまりの男性と女性の境遇の差に愕然としてしまった人も多いのではないでしょうか。

本当の男女平等を生み出すためには、まず女性の意見が反映される機会を作らなければなりません。そのためには、まず、日本を担う中心である政府から変えていかなければならないのではないでしょうか。女性が上げている抗議の声をきちんと聞いて判断できる人材を育て、今までの社会の考え方を払拭し、新しい日本に変えていくための基盤が必要です。

新しい時代の中で、真の男女平等が生まれることを願ってやみません。

【参考】
「専業主婦世帯と共働き世帯」独立行政法人 労働政策研究・研修機構
「女性の活躍推進に関する世論調査」内閣府
「国民生活基礎調査」厚生労働省
「女性議員の割合 日本は165位 先進国で最低水準」NHK政治マガジン

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