なぜこんなに? 東京の義母と地方暮らしの実母の老化スピードが違いすぎる
LIMO / 2019年9月17日 10時15分
なぜこんなに? 東京の義母と地方暮らしの実母の老化スピードが違いすぎる
都会に住んでいると、夜空を見上げても見られる星は限られていたり、意識して緑の多い場所に行かないとなかなか自然を感じる機会は少ないものです。一方、田舎暮らしの場合は、大自然に囲まれて健康的な生活を送れそうですよね。
しかし、地方に住んでいるからといって誰もが健康的な人生を送れるとは限りません。むしろ、老化のスピードを上げてしまう恐れもあるのです。今回は、筆者の両親と義理の両親を比較し、中高年世代の運動の大切さについてお伝えしたいと思います。
約10歳年下の筆者の両親を「若い」と言っていた義理の両親
筆者の両親と義理の両親は、約10歳離れています。正確にいえば10歳差ではありませんが、ここでは分かりやすく10歳の違いがあるとしておきます。簡単にいえば、戦中生まれと戦後生まれという大きな区分がある程度で、食事や生活習慣が大きく異なっていることはありません。強いて言えば、パソコンや携帯電話などの新しいことに対する興味関心の有無がある程度です。
とくに義母は、ネットショッピングが好きでパソコン操作ができる母を「若いわね~」と言って感心していました。ちなみに、義理の両親の家にはパソコンはもちろんのこと、インターネット環境も整っていません。近代的な道具を使っている母のことを「自分たちより若い人」と、義理の両親は思っていたのです。
結婚当初、両者の年の差をパソコンなどの道具を介して感じていた筆者ですが、実の両親の変化を感じるようになったのは65歳を過ぎてからのこと。今振り返ってみると、40代以降の積み重ねが影響していると感じています。
車に頼り、自転車にも乗らず歩く回数も激減した両親
筆者の実家は、地方の典型的な郊外型の住宅地にあります。全国の郊外にある住宅地同様、幹線道路まで行けば生活する上で欠かせないお店がずらりと並んでいます。車があればスーパーでもホームセンターにも行けるので、買い物や日常生活に苦労はありません。
そういう住環境ということもあり、父と母は40代半ば以降、完全に自転車に乗らなくなりました。自転車で気軽に出かける距離にスーパーはあるものの、車で用を済ませるほうが楽だと考えていたのでしょう。車社会に浸って年を重ねていくと、「自転車に乗るのも面倒」と思うようになるようです。
また家の周辺には散歩するような公園やスポットもありません。それ以前に、自然に囲まれた幼少期で過ごしたせいか、わざわざ自然を求めて出かける考えがなかったのです。楽さを求め、両親の歩く時間も回数も、年齢が進むにつれて激減していきました。
遠出の時以外は自転車か徒歩で出かける義理の両親
一方、義理の両親は、都心から少し離れてはいるものの東京で二人暮らしをしています。車を所有していましたが、続発する高齢者ドライバーの事件を受けて数年前に免許を返納しました。
こちらの二人はというと、車の運転をしている時代から普段の生活では自転車や徒歩で買い物などの用を足していて、車を使うのは親戚や子供達家族の家に行くなど遠出をする時に限られていました。お店に駐車するスペースがなかったり、道が狭いといった理由もありますが、車を使わなくても歩いてお店や病院に行ける環境というのが一番の理由です。
結婚当初、主人の実家に泊りに行くと「あなたの実家のほうは、車でどこへでも買い物に行けるから便利でしょう」と義母から言われたことが何度かありました。
東京にいるとどこに行くにも、バスに乗ったり電車に乗ったりで、歩いての移動距離が馬鹿になりません。そのため、当時の筆者は、地方は車ひとつで気軽にどこにでも行けるから東京より便利だと感じていましたし、自転車や歩きで買い物に行く義理の両親の姿を見ていると「意外と都会暮らしは大変」という印象しかありませんでした。
しかし、現在では両者の状況がガラリと変わってしまったのです。
ちょっと動いただけでもグッタリする両親と元気な義理の両親
65歳を過ぎた頃から、筆者の両親は普段の買い出しや掃除など、日常的なことをするだけでグッタリすることが増えていきました。母もここ数年は疲れが取れにくくなっているのか、普通の家事でも「こんなことで横になるなんて・・・」と嘆いていました。
定年退職をした父親は行動範囲が急激に狭まり、無趣味も相まって外出しないで引きこもる日々が増えています。70歳を超えてから老化スピードが速まり、今では腰も曲がっています。帰省のたびに急速に年老いていく姿を目にすると、寂しさを通り越して怖さすら感じてしまいます。
10歳年上の義理の両親はというと、80歳を過ぎた現在も、足腰は丈夫で元気に近所のスーパーまで歩いて買い物に出かけています。「さすがに自転車は危ないから乗らないようにしたの」と笑いながら話す義母の姿は、約10歳年下の筆者の母よりも元気です。いつからこの差が出始めたのか考えていくと、やはり長年の積み重ねが影響していると感じるようになりました。
両親の衰えを目の当たりにし、中高年の運動習慣は大切だと痛感
二組の夫婦を見比べていくと、中年以降の運動量の違いが老年期の健康に影響していると感じています。義理の両親は、水泳やゴルフなどのスポーツをやっているわけではありませんが、普段から歩くことが習慣となっていました。筆者の主人によれば、昔から買い物に出かけた時も、「天気がいいからちょっと足を伸ばしてみようか」と、花がきれいな公園に立ち寄ったりしていたそうです。対して、筆者の両親は車での移動に終始し、50代からは完全に自転車に乗ることも散歩もしなくなりました。
長年のちょっとした運動の差で体の衰え方が変わると、両者を見ていて痛感します。70歳を過ぎた老人が、一度衰えた筋肉を鍛えようというのは酷なことです。人生100年と言われ始めている中、目先の楽を選ぶことのないよう、日頃から散歩や自転車を使って適度の運動量を保ち、健康への意識を高めていくことは大切だと思います。
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