「18〜19時に就寝」「体罰禁止」「シェアしなさい!」…ニュージーランドの子育てのフツーとは?
LIMO / 2019年9月18日 20時15分
「18〜19時に就寝」「体罰禁止」「シェアしなさい!」…ニュージーランドの子育てのフツーとは?
「所変われば品変わる」ということわざがあります。故事ことわざ辞典によれば、「土地土地で風俗や習慣が違う」という意味です。食べ物などで実感することが多いこのことわざですが、子育てにも十分に通じるものといえます。
子どものベッドタイムは18~19時
ニュージーランドの、子どもにまつわる生活習慣の中で驚かされることの1つに、「時間」があります。ニュージーランド人親子と外出の約束をした場合、落ち合う時間にきちんと姿を見せるのはまれです。一般的にこの国の人たちは時間にあまり厳しくない上、子連れなので、遅れがちなのは想像に難くありません。
普通なら携帯電話で遅れそうなことを伝えますが、気まぐれな子どもが行く気になっているチャンスを逃す手はないと出発してしまうことも多々あります。遅れて着いた時は謝りますが、子どもを連れての外出の大変さは親同士よくわかっています。お互いさまのことなので気にしません。
また、ニュージーランド人親子の帰り支度の時間にもびっくりします。夕方になる前、15時ごろにはもう「さようなら」です。これは子どもたちの就寝時間がとても早いから。
幼児であれば、18~19時にはもうベッドに入っているのが普通です。それまでに夕食をとり、お風呂や歯磨きを済ませ、本を読むなど就眠儀式を終えなくてはならないのですから、幼児のいる家庭の午後はとても短いといえるでしょう。
親にとって子どもの夕食時間は早過ぎますし、食事内容が違うこともあるので、子どもだけ先に夕食を食べさせる家庭もあります。大人は子どもを寝かしつけてから、カップルでゆっくりというわけです。
ほかにも、赤ちゃんのころから一人部屋で寝かせるのも、風邪で発熱したらぬるめのお風呂でほてった体を楽にしてあげるのも、当たり前に行われています。靴を持っていても、季節に関わらず、はだしでどこでも行ってしまう子どもが多いのも、この国ならではです。
遊具が充実した庭で、外遊び
遊びで特徴的なのは、外遊びが身近なことです。最近都市部ではアパートも多くなりつつありますが、主流は一戸建て。子どもがいる家には、庭のサイズに関わらずトランポリンがあるのが定番です。よく飽きないなぁと感心するほど、子どもはずっとトランポリンの上で跳ねて遊びます。
「ツリーハウス」がある家も少なくありません。大きめの木の、大人の身長より少し高いぐらいの枝に、子ども用の小さな小屋を備え付けるのです。家に見立てて、人形を連れて上がってままごとをしたり、秘密基地と称して、おやつ片手に作戦会議をしたりと、空想を膨らませて遊びます。
木の上に限らず、平地に建てられることもあります。その場合は「プレイハウス」と呼ばれます。サイズや場所はともかく、自分だけの「城」を手に入れた子どもの喜びようは大変なものです。大人がマイホームを買った時のような気持ちなのかもしれません。
トランポリンは別として、遊具はあまった木材などを利用して親が手作りすることもあります。そんな時は子どもと相談して、希望に近いものを作るよう工夫します。子どもも喜んでお手伝いします。
とことんまで教え込まれる「シェアリング」
ニュージーランドで、幼児期に徹底的に叩き込まれるのが、「シェアリング(共有すること・分け合うこと)」です。ことあるごとに、大人は皆子どもに「シェアしなさい!」と口を酸っぱくして言います。
それはシェアリングを非常に重要なライフスキルと考えているからです。シェアリングを身につけるのは、妥協と公平を学ぶのと同じこと。さらに、いったん手から離れたものをどうやってまた返してもらうかという交渉術の習得や、交代しても再び順番はめぐってくることの理解にも役立ちます。
もっとも、シェアしたものの、時には返してもらえなかったり、順番が回ってこなかったりすることもあります。そんな場合を利用し、残念な結果に終わる可能性もあることや、どう気持ちを整理するかのスキルを教えます。
また、子どもが何か悪いことをした時、親は皆の前で子どもをしかりません。少し離れた、人目につかないところに連れていき、何がいけないのか、どうすべきなのか、視線を合わせて子どもを諭します。子どもであっても、プライドを傷つけるべきではないという考えがあってのことです。
法律で禁止されている「体罰」
一般的なしつけ方法とされる向きもある一方、ニュージーランドで法律上禁止されていることがあります。それは「体罰」です。体罰を受けると、子どもは精神的な安定感を失うからというのが主な理由です。
しつけと称しながら、実際は虐待というケースもあり、子どもを守るのにも一役買っています。とはいうものの、施行されてから10年以上が経った今も、賛否両論入り乱れています。
こんな風に「所変われば『育児』は変わる」もの。おまけに、「子育てに正解はない」ということもよく耳にします。あっちのいいところ、こっちのいいところを取って、足したり引いたりしながら、自分流の子育て法を探すしかなさそうです。そうやって編み出した方法こそが、自分と子どもにとって一番なのに違いありません。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
調査でわかった「クラスで人気者の子」の親に共通する接し方
PHPオンライン衆知 / 2024年9月19日 11時50分
-
「夕食で使った汚れた食器」を使えば一発でわかる…わが子の「脳の発達レベル」をこっそり確かめる効果的な手法
プレジデントオンライン / 2024年9月8日 10時16分
-
睡眠時間を削るほど子供はバカになる…小児科医が「20時までに子供は寝たほうがいい」と断言する科学的理由
プレジデントオンライン / 2024年8月30日 7時15分
-
コバーズキッズ会長兼CEO・小林幸典「0~5歳の子を持つ親に『子育ては楽しい』ということを伝える教育の実践を」
財界オンライン / 2024年8月28日 7時0分
-
タブレットに"子守"を任せると何がマズいのか 今の時代の子育てにおいて、親に必要となる知識とは
東洋経済オンライン / 2024年8月26日 10時0分
ランキング
-
1幼稚園の娘の“話し方”に、お隣さんが「言うか悩んだけれども…」 助言に母感謝、幼少期の「構音障害」とは?
まいどなニュース / 2024年9月19日 7時0分
-
2円安で苦しんだ100円ショップ、円高で勝つのは? 上場している企業3社【セリア】【キャンドゥ】【ワッツ】の有望株を探る
MONEYPLUS / 2024年9月19日 7時30分
-
3初デートで討ち死にする原因はコレ…? 女性が2回目のデートを断った理由
Sirabee / 2024年9月19日 10時0分
-
4ライダーの命と顔を守った「ヘルメット」に衝撃…内側は血塗れでも、「フルフェイス以外は顎を失う」
まいどなニュース / 2024年9月19日 7時5分
-
5"時代遅れ"の「ファミレス」とくに厳しい店の正体 ガスト等の安い店より、中価格帯のほうがキツい?
東洋経済オンライン / 2024年9月18日 10時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください