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今も忘れない恩師のひと言…教師の「当たり・ハズレ」を議論する前に

LIMO / 2019年9月21日 19時45分

今も忘れない恩師のひと言…教師の「当たり・ハズレ」を議論する前に

今も忘れない恩師のひと言…教師の「当たり・ハズレ」を議論する前に

昨今のニュースで目にするのは教師の犯罪だったり、モンスター教師の話だったり…。なんとなく、「教師なんて信用できない」「教師を信用してはダメ」という風潮になっているような気がします。

確かに「こんな人に子どもを任せていいものか…」と思わずにはいられない教師がいるのも事実です。しかし、中には、「先生に救われた」「先生と出会ってよかった」と子どもたちが感じている先生だっているのです。

私も先生に救われたひとりです

筆者はとにかく自己肯定感の低い小学生でした。「どうせ自分なんか」と言う気持ちがとても強く、いつも卑屈で今思い返しても、可愛げのない暗い子どもだったと思います。

休み時間はいつもひとり、図書室で本を読んでいた筆者に声をかけてくれたのは、小学6年生当時の担任の先生でした。
「君はいつもたくさん本を読んでいるから、言葉をたくさん知っているね。国語ではいつもするどい発言をするね」

今まで先生に褒められたことなんてなかったので、びっくりして言葉が出ない筆者に先生はこう続けました。
「本をたくさん読むのは本当にいいことだ。本をたくさん読んでいる君は、とても立派だよ。お友達に、どんな本がおすすめか、今度教えてあげなさい」

いつも「本ばかり読んでないで外で遊びなさい」と言われていた筆者。そのときの先生の言葉がとても嬉しかったのを覚えています。卒業文集の将来の夢の欄には「作家になりたい」と書き、先生は「がんばりなさい。本をたくさん読みなさい」とおっしゃってくれました。

本が大好きなのはいいことなのだ、本をたくさん読むことは自分の長所なんだ、と気付かせてくれた担任の先生。
「本ばかり読んで…」と言われ続けた小学生に、「本をたくさん読みなさい」と言ってくれた先生。あのときの先生の言葉は、今でもずっと宝物となっています。

子どもが先生大好きならそれでOK

現在、小学2年生の娘は、担任の先生が大好きです。幸いにも1年生、2年生と良き担任に巡り会えたので、毎日楽しく学校へ行き、「今日は先生とこんな話をした」「今日は先生にこう褒められた」と報告してくれます。

さまざまなニュースを見聞きすると、どうしても「我が子の担任の先生って、どんな先生なんだろう」と心配になります。中には「○組は当たりで、○組はハズレ」なんて親同士で噂することもあるようです。

ネットで少し検索すると、「ダメ教師の見分け方」「親が任せてもいい教師、任せてはいけない教師」なんて記事がたくさんヒットします。確かに親としては、「この先生、好ましくないな…」と思うこともあるかもしれません。先生の言動で、「この人に子どもを任せてもいいのだろうか」と感じる瞬間もあるでしょう。

しかし、親の気持ちとは裏腹に、子どもは先生のことが大好き!というケースだってたくさんあります。大切なのは子どもの気持ち。子どもが先生のことを慕っているのであれば、それでOKなのではないでしょうか。

筆者の周りには、「教師のひと言で救われた」「あの先生のおかげで今の自分がある」と話す人はたくさんいます。
「すぐにカッとなっていた自分に、『腹が立ったらまず心の中で3秒数えなさい。それから言いたいことを話しなさい』と教えてくれた中学時代の先生。今でもその教えは守っている」という同級生。

「自分の『好きだ』という気持ちに自信を持ちなさい、と言ってくれた高校の先生には今でも感謝している」と語る友人…。みな、「先生に出会えてよかった」と口をそろえて話し、「きっと子どもたちもそんな先生に巡り会えるに違いない」と続けます。

「今の我が子の担任は、とてもじゃないけれどそんないい先生じゃない!」「自分が先生にいい思い出なんかないから、教師なんて信用できない」と現在感じている人も少なからずいるでしょう。
確かに筆者も「人間的に許せない」と感じる教師に出会ったこともあるし、その教師に言われた心ない一言は、今でも忘れられません。

しかし世の中には、心から子どものことを考えてくれている先生もたくさんいる。
十把一絡げに、「教師なんて信用できない」と決めつけたり、「こんな教師はダメ教師」なんて記事を鵜呑みにしたりしてしまうのは、早計なのではないかと思ってしまいます。

まとめ

教師だって人間、子どもや保護者との相性の良し悪しはあるでしょう。
しかし、それを「当たりハズレ」という言葉で表現するのは、あまり好ましくない気がします。

親が子どもの前で「あの先生はハズレだ」「あの先生は能力が低い」なんて口に出してしまうと、子どもも先生をバカにするようになってしまいます。
よほどのことがない限り、先生のダメなところばかりを見るのではなく、いいところを見つけ、親子で尊敬できるようにしていく方がいい、そう思うのは甘い考えでしょうか。

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