元祖女子のあこがれ「パリ」!実際に住んだら、夜トイレ流せないんですけど…
LIMO / 2019年9月27日 6時45分
元祖女子のあこがれ「パリ」!実際に住んだら、夜トイレ流せないんですけど…
「パリ」と聞いてどんなイメージが浮かびますか?
花の都、エッフェル塔、セーヌ川、フランスパン、ベレー帽、実は犬のフンがよく落ちているらしい、などなど・・・。
女性誌で常に取り上げられるパリ。そこには小粋でファッショナブルな人々、美しい町並み、洗練された料理やスイーツなど「女性のあこがれ」が詰まっています。まさに元祖キラキラ系デスティネーション。旅先としては定番を通り越して大御所的な位置づけです。
ちなみに、私を含め、雑誌のパリ特集を読んでいる人のほとんどはパリに行く予定はないでしょう。そんなの百も承知です。冴えない日常からのほんの少しの逃避行。買っただけで自分もパリの一部になれるような気がしてしまう。そしていつかパリに行けたらいいなー、となんとなくあこがれを募らせる。恐るべきブランド力を持つ仏国の首都、パリ。
そんな、パリに対してあこがれだけを募らせる毎日を送っていたのですが、とうとう実際に訪れるチャンスが巡ってきました。長年のあこがれを消化しつつ、実際はどうなの?という視点で、いざパリに潜入!
実用性より見た目重視?
実際に目にしたパリの町並みは、思った以上にとても素敵でした。建物は高さと色合い(だいたい屋根がグレーで壁がアイボリー、それに黒い手すりのアクセント)が揃っていて、曇っていても晴れていても絵になります。
景観を守るための法律があるためだと思いますが、話に聞いていた通り、悪目立ちする派手な看板はありません。
すべて調和が取れている感じ。というか違和感や生活感のある物をなるべく見せないようにする感じ。そういえばホテルのトイレットペーパーは外から見えないようにするためか洗面台の裏のとんでもなく取りづらいところにありました。
生活する上で「見た目の美しさ」というものがとても重要視されていて、それが時に「便利さ」より優先されている感じを受け、新鮮でした。
印象的だった地下鉄の入口
パリの地下鉄の入口のデザインは、アールヌーボー様式の曲線的で優雅なデザインなのですが、シックな色合いが町に溶け込み過ぎて、はっきり言って分かりづらい!見落として目の前を素通りしてしまうことが何回かありました。駅の名前もデザインに合わせて控えめに記してあるので、何線の何駅なんだか中に入らないとわかりません。
日本の地下鉄が「ここ! ここです! 東京メトロ銀座線の浅草駅はここですよー!」と自分からアピールしてくれる実直なサラリーマンだとすれば 「ほほほ。乗りたいのならあなたから見つけにいらして・・」と軽くあしらう貴婦人のようです。
パリピも制するパリの圧
パリを崇拝しあこがれを募らせているのは日本人だけではありません。世界で最も観光客が訪れているのはフランスで毎年約8000万人です。
「夢のパリ旅行」にあこがれがスパークしてやたら気合の入った格好で観光スポットを回っているのはアメリカ人、中国人、スペイン語圏の人とさまざまのようでした。
そして、いわゆる「マナーの悪い観光客」というものは見受けられませんでした。レストランでは、割と日本人にありがちな、初めての場所でアセアセしてしまう感じを他の国の観光客も発していて、みんな頑張ってパリに合わせているという空気が伝わってきました。
優雅に見える暮らしの裏では苦労が…
滞在の初めはパリ中心部のホテルに泊まっていましたが、途中からパリに隣接する、日本でいえば千葉県的な場所に住んでいる日本人の友人の部屋に居候していました。
するとホテルの時には気づかなかった、なかなかシビアな現実を知ることとなりました。
夜はトイレを流してはいけない
聞いたなかで一番衝撃的だったのはこれ。フランス人は一般的に物音に敏感で、ささいな生活音でもクレームがくることが多いそう。とくにパリは古い物件が多く、歴史的な価値がある反面、パイプなども老朽化していて音が響きやすいのだとか。
トイレを流す音を出さないよう夜間は流すのを控えるのが暗黙の了解だそうです。夜1回だけなら我慢できそうですが、複数回以上になると…臭そう。
きちんとしていなくてはならない
だいたいみんな決まった時間に出勤、食事、就寝していて、それと外れた生活リズムで生きると周囲から浮くし不便そう。トイレが流せないから夜は寝るしかありませんしね。
また、床に物を置いているようなだらしない暮らしをしているのが窓から見えたりしてバレてしまうと、「私たちの生活圏にふさわしくない人」であると大家さんに通報されて追い出される可能性もあるそうで、これを聞いたときは、周りの目線を意識して常にビクビクして暮らしていかなくてはいけなのか…、自分の部屋なのに全然くつろげない!と思ってしまいました。
そのほかにも、1日に使えるお湯の量に制限があったり、家を借りるときはその物件にふさわしい人物であるか就活のような“面接”があったりと結構ハードルが高いです。
基本的に、「規則正しく計画的に生活ができて、しっかりしつけされた真人間」じゃないとパリで生活するのは辛そうです。フランス人は個性を大事にする個人主義、というイメージが強かったので、ちゃんとしなくてはいけない「圧」のようなものが日本より強そうなことはかなり意外でした。
インフラ的に不便なのは聞いたことがありましたが、生活スタイルはもっとフリーダムかと思っていました。
精神は個性重視でも生活は保守的なところもあり、結果的にそれが調和のとれた美しい町並みにつながっているのかもしれません。
このまま身軽な独身だったら、いつか数年間パリのアパルトマンに暮らすのも素敵♡とも思っていましたが、夜に活動が活性化するゴキブリのような生態の私は一発アウトなので秒で諦めがつきました。
でも、お金とメンタルに余裕があったらパリ暮らし、とってもいいと思います!
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