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「痴漢」を防ごうとすると「えん罪」が問題になる…もはや男女関係なく「痴漢対策」は必要?

LIMO / 2019年9月28日 17時45分

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「痴漢」を防ごうとすると「えん罪」が問題になる…もはや男女関係なく「痴漢対策」は必要?

2019年8月にシヤチハタ㈱から『迷惑行為防止スタンプ(https://www.shachihata.jp/antennashop/lineup/336/001/001/00051410/)』がテスト販売されて話題を集めました。

元はと言えば、Twitter上で痴漢対策として「安全ピンで突き刺せばいい」という意見が拡散したことから生まれたアイディアでした。

『迷惑行為防止スタンプ』はUV発色インキが使用されており、ブラックライトを当てるとマークが浮かび上がるようになっています。

テスト販売されたこのスタンプはすぐに売り切れ、痴漢対策への関心が高いことを改めて示しました。(9月28日現在はテスト販売を再開しています)

しかし、このスタンプについて賛否両論あります。痴漢えん罪を助長するのではないかという指摘も存在します。

『迷惑行為防止スタンプ』から、痴漢被害とえん罪両面の痴漢対策について考えてみましょう。

恐怖心で何もできない人を救える可能性がある

実際に痴漢に襲われたときに、勇気を出して手を掴んで大声をあげることはなかなか難しいと思います。
しかし、痴漢はそのままなされるがままにしてしまうと、犯人はどんどんエスカレートしてしまうので、何か抵抗が必要なのです。

そんなときにスタンプを使うのが一手となります。
犯人の手に「ギュッ」とスタンプを押すことで、犯人は「しまった」と思うことでしょう。行為がエスカレートする前に止められる可能性があります。やられっぱなしになることはありません。

また、何か抵抗ができるというだけでも心に余裕ができるはずです。

これまでどれほどの女性が何も言わないまま、されるがままに痴漢被害を受けてきたのでしょうか。そこにつけ込んだ卑劣な犯行も数多くあったはずです。

「痴漢をすると、声を上げない人からはスタンプを押されてしまうかもしれない」

という発想が広がれば「あの人は声をあげられなさそうだ」と思われてしまう人でも、痴漢は手を出せなくなるので、一定の抑止力はあるのではないかと期待できそうです。

痴漢から身を守るには

男性が痴漢に遭う場合もありますが、多いのは女性が男性に痴漢に遭うケースです。
主に女性が身を守る方法をいくつかご紹介します。

痴漢が起こる可能性のある場所に行くときは、気をつけてみてください。

・なるべく空いている場所へ移動する
・犯人が逃げやすい出入り口付近からは離れる
・通学・通勤時間を変更してみる
・友人と電車に乗る

犯人にとって、なるべく痴漢がしにくい場所に立ち、スキを見せないことが基本となります。

無視できない痴漢えん罪の恐怖

しかし、このような話をするとどうしても「痴漢えん罪が怖い」という話が出てきます。

これは確かにそうで、被害女性が「痴漢」というとほぼ確実に逮捕に至ってしまうという話もあるほどです。

痴漢冤罪も男性にとって非常に恐い出来事で、一生を狂わされてしまう可能性があります。男性も満員電車に乗るときは痴漢えん罪に巻き込まれない、以下のような対策が必要なのです。

・キョロキョロするなどの不審な動きは極力しない
・混雑時はなるべく両手でつり革を持つ(両手で本を持つなど、手を上げる工夫をする)
・なるべく空いている場所へ移動する
・女性と密着してしまうような状況はなるべく避ける

物理的に女性の身体に触れることが不可能な状況に身を置くことが、一番の安全策だと考えられます。
自分が物理的に女性に触れられない状況に身を置いていたと主張することができるからです。

基本的に頭に入れておきたいのは、電車に乗っている人の身体を触ると、何らかの”微物”が付着するということです。

近年、痴漢捜査では「鑑識採証テープ」というものが使われています。このテープで付着物を採取し、被疑者の指や手のひら、手の甲や衣服から被害者の服と同じ繊維が見つかれば、被害が成立するのです。この捜査をしてもらうように主張するのは、一つの手段でしょう。

いくらスタンプを押されても、触っていなければ衣服に微物は付着しません。むしろ、突然女性からスタンプを押されたと明確に主張できるようにはしておきたいところです。

痴漢の問題の根本は「混雑」にある

痴漢の問題の根本は満員電車などの「混雑」にあります。たとえば、満員電車をなくすことができれば、痴漢もかなり減らすことができます。

電車の混雑をなくすにはどうすればいいのかを考え、社会的に対策を打つことは痴漢だけではなく、痴漢冤罪をなくすことにもつながるのです。

そして、絶対的な悪者は「痴漢をする人」と「意図的に罪のない人に濡れ衣を着せる人」であることを忘れてはいけません。

この混雑時に潜む悪魔から、どうやって身を守るのか。今は、男女関係なく、混雑した場所に行くときは個人レベルで両者の被害に遭わないように気を付けるしかないのです。

『迷惑行為防止スタンプ』のように、「万が一被害を受けた時に抵抗できる手段がある」というグッズは、「痴漢に困っている人を助ける」という難しい課題を解決できる可能性があります。

「どうせ声を出せない」「どうせ何もできない」という弱みに付け込んだ被害をなくすためにも、痴漢をしたら否応なしに証拠が残り、犯罪行為が明るみになるというリスクがあれば痴漢行為は減るかもしれません。

『迷惑行為防止スタンプ』によって議論が生まれ、痴漢問題解決の一助となるように期待したいですね。

【参考】
「『迷惑行為防止スタンプ』テスト販売開始(https://www.shachihata.co.jp/pressrelease/2019/meiwakukohi_bohshi_stamp.php)」シヤチハタ
「性犯罪から身を守る(https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kurashi/higai/koramu2/index.html)」警視庁

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