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離婚や子連れ再婚で「失敗するリスク」とは? 今後は共同親権の導入も

LIMO / 2019年10月1日 19時45分

離婚や子連れ再婚で「失敗するリスク」とは? 今後は共同親権の導入も

離婚や子連れ再婚で「失敗するリスク」とは? 今後は共同親権の導入も

3組に1組が離婚するとも言われる現在、離婚は珍しいことではありません。最近では9月27日に法務省が、離婚後の「共同親権」制度導入の是非などを議論する研究会を年内に発足させると発表しています。近年増えている離婚理由、離婚の準備をする「離活」や「子連れ再婚」で注意したいことを紹介します。

「精神的な虐待」が理由の離婚が増えている

司法統計年報『平成29年度 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別(http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/024/010024.pdf)』によると、夫および妻からの申し立て動機による婚姻事件数の上位3つは以下のようになっています(カッコ内は件数)。

【妻からの申し立て事由】
1位 性格が合わない(18,864)
2位 生活費を渡さない(13,820)
3位 精神的に虐待する(12,093)

【夫からの申し立て事由】
1位:性格が合わない(11,030)
2位:精神的に虐待する(3,626)
3位:その他(3,545)

「性格が合わない」という、いわば王道の理由が男女共に1位ですが、妻からの申し立て事由で目を引くのは、「精神的に虐待する」が3番目に多く、「暴力を振るう」を上回っていることです。一方、夫からの申し立て事由でも「精神的に虐待する」が2位となっています。

平成24年度の統計では、妻からの申し立て事由における「精神的に虐待する」は4位で、2位の「暴力を振るう」よりも下位でした。夫からの申し立て事由でも「精神的に虐待する」は4位で、平成29年の統計よりも下位に位置しています。

精神的虐待=モラハラとして問題が認知され始めたことにより、それまでは「暴力を振るわれるわけではないし、自分さえ我慢すれば…」と思っていた人が、離婚に踏み切るようになったのかもしれません。

離活で気をつけたいことは?

いざ離婚や再婚を考えた時に、後先を考えずに見切り発車をしてしまうと自分や子どもの首を締めることにもなりかねません。離婚活動で最低限気をつけたいことは以下の通りです。

離婚後に住む場所の確保

専業主婦であった人の場合は賃貸住宅の契約が簡単にいかないこともあるので、離婚に踏み切る・家を出る前に住む場所をあらかじめ決めておく必要があります。

実家に戻るにしても両親に話しておくほうがベターですし、シェアハウス、保証人・賃貸審査が不要なタイプの賃貸住宅なども選択肢に入れて、離婚後すぐに安心して生活が始められる準備をしておきましょう。

離婚後の収入を確保

離婚後、子どもがいる場合は自治体の児童扶養手当や夫からの養育費などの収入も見込めます。しかし、養育費は最初のうちは支払ってもらえたとしても、夫に新しい家族ができるなどした場合、支払いがうやむやになるケースもあるようです。

そのため、離婚を決意したら、自分1人でも子どもを養っていけるような収入がないと安心できません。就職活動はもとより、収入を少しでもあげるための転職や副業を行なったり、しばらくの間は生活費を抑えるために実家を頼るなど、収入と支出両面での工夫が必要になります。

子連れ再婚で注意したいことは?

子連れでの再婚は、本人同士だけの問題ではないので慎重に進めなくてはいけません。最近ニュースをにぎわせている「連れ子への虐待」は、子連れ再婚を考える人にとって現実になる可能性もある切実な問題だからです。まずはどんなことに気をつければ良いのでしょうか。

親族にきちんと挨拶をする

結婚する相手に子供がいるとなれば、親族が理解を示してくれないこともあるでしょう。そんな歓迎されていない状態で再婚を強行すれば、自分が辛いだけでなく、なにより「孫と認めてもらえない子供」が悲しい思いをすることも。必要最低限の礼儀とマナーは守り、少しでも歓迎してもらえる努力をしましょう。

子どもと一緒に遊ぶ時間を作る

再婚する2人の時間だけではなく、子供を交えて「家族」として過ごす時間を再婚前に十分取ることも大切です。当人同士で盛り上がって、いきなり「新しいお父さん(お母さん)だよ」と言われても、子どもにとっては納得できないかもしれません。

特に小学生以上で実の父親と過ごした記憶があれば、「自分のお父さん(お母さん)と本当は暮らしたいのに」という気持ちが強く出てしまう可能性も。親として認めてもらうには、時間はかかるかもしれませんが、信頼関係ができていることを確認してから再婚をした方が無難でしょう。

「共同親権」とは?

離婚後の親権について、日本では父親か母親のどちらか一方しか持つことができない「単独親権」が現行民法で規定されています。一方、海外先進国では、両親双方が養育に関わる「共同親権」が主流となっているため、法務省は海外の制度や運用状況の調査を進めています。

そして、冒頭に述べたように「共同親権」制度導入の是非や離婚後の子供の養育全般などについて議論する研究会を年内に発足させ、1年以上かけて議論し、報告書がまとめられることになっています。

離婚する父母が対立している場合、子供が板挟みになるなどの問題が生じかねないという理由で反対する意見も多いようですが、将来的に制度が変わる可能性があることも頭の片隅に置いておきましょう。

おわりに

誰しもが1回目の結婚でうまくいくわけではありません。離婚した方が幸せになれると思うのであれば、我慢せずに踏み切ることが必要な場合もあるでしょう。

しかし、離婚するのであれば事前準備をきちんとしておかないと、生活が困窮してしまう危険性もあります。また、子連れ再婚は当人同士だけの問題ではないので慎重に進めることが必要です。人生の軌道修正をするにあたっては、「次こそは幸せになる」という気持ちで入念に準備してください。

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