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「長生きリスク」に備える。資産形成のコツは「早く始めること」

LIMO / 2019年10月7日 19時15分

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「長生きリスク」に備える。資産形成のコツは「早く始めること」

「長生きすると貯金を使い果たしてしまうかもしれない」。そんな長生きリスクに不安を覚える人が増えています。老後に向けてお金を貯めるには、どうすればよいのでしょうか。

公的年金以外に必要になるお金はどのくらい?

公的年金以外に必要になる老後資金の目安を知るためには、「公的年金でもらえるお金」と「老後の生活に必要になるお金」の差を比べてみるのが近道です。

はじめに、2019年1月に厚生労働省が発表した『平成31年度の年金額改定についてお知らせします(https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/000468259.pdf)』をもとに、新規裁定者(67歳以下)の公的年金の受給例をみていきましょう。

国民年金の場合は、満額受給者1人あたり月額6万5008円です。一方、厚生年金のモデル世帯では月額22万1504円が受け取れます。

モデル世帯とは「夫が平均月収42.8万円で40年間就業し、妻がその期間すべて専業主婦であった世帯」で、実際の年金額は夫の平均月収や妻の就業状況によっても変わってきます。

一方、2019年5月に総務省統計局が発表した『家計調査報告(家計収支編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/kakei/2018np/index.html)』によると、60代の2人以上世帯(一般世帯)における1カ月あたりの平均消費支出額は29万1019円でした。

そこで、60代の消費支出額の平均値を2019年度の年金月額例と比べてみましょう(表「2019年度の年金額と消費支出との差」を参照)。

(/mwimgs/6/6/-/img_6664dc2b67a9d7208ef6b950552b4cd418543.png)

拡大する(/mwimgs/6/6/-/img_6664dc2b67a9d7208ef6b950552b4cd418543.png)

2019年度の年金額と消費支出との差(厚生労働省と総務省統計局の資料をもとに編集部作成)

厚生年金のモデル世帯では1カ月あたり6万9515円が不足することがわかりますね。単純に計算すると1年間では約83万4000円の赤字です。65歳から85歳までの20年間に必要になる自己資金は約1668万円に上ります。

資産形成のコツはできるだけ早く始めること

厚生労働省の消費支出額はあくまでも平均値であり、目安にすぎません。実際に必要となる老後資金の額はそれぞれの生活環境や生活レベルによって異なります。とはいえ、「定年までにこんなに貯められるかな」と戸惑う人もいるのではないでしょうか。

ビジネスが大成功したり宝くじに当たったりしないかぎりは、通常短期間に大金を作ることはできません。長い時間をかけてコツコツと貯蓄を増やしていく必要があるのです。そのため、できるだけ早く資産形成を始めることがポイントになってきます。

社会人になったら3つのステップを意識しよう

社会人になって自分でお金を稼げるようになったら、3つのステップを意識して効率的に貯蓄を増やしましょう。

■ステップ1:節約で支出を減らす

節約は貯蓄の基本です。いくら収入が多くても、支出がそれを上回っていれば貯蓄はできません。買い物をするときは値段に関係なく、「それが本当に必要なのか」を考える習慣をつけましょう。レシートや支払い明細書の内容を見直すようにすると、自分が無意識にしている「無駄遣いのクセ」に気づきやすくなります。

とはいえ、むやみに節約をすれば良いというわけではありません。過剰な節約はストレスにつながりやすく長続きしないのです。節約のコツは「お金の使い方にメリハリをつけること」です。「自分にとって価値あるものだ」と思えるものにお金を使い、そうでない部分では節約を心がけましょう。

たとえば、スマートフォンで映画鑑賞をするのが趣味だという場合、動画の有料配信サービスやWi-Fiサービスにはお金をかける一方で、ファッションやコスメにはプチプラブランドを利用する、といった具合です。

■ステップ2:収入を増やす

3つのステップのうち、最もハードルが高いのが収入を増やすことかもしれません。まずは、週末や空き時間を利用して副業を始めたり、資格を取得したりといったところから始めてみてはいかがでしょうか。

■ステップ3:貯めたお金を増やす

日本人には投資に苦手意識を持つ人が多いといわれています。しかし、長引く低金利政策の影響で、銀行にお金を積み立てているだけでは資産を効率的に増やせません。個人型確定拠出年金のiDeCoや少額投資非課税制度のNISA、つみたてNISAなどのように、節税対策にもなる資産運用の制度も登場しているので賢く利用しましょう。

「自分でお金を増やしていく」という意識を持たないと、老後資金の問題を解決できない時代が来ているのかもしれません。定期的に買い物の習慣を見直して、メリハリのあるお金の使い方を意識しながら長期的な資産形成に取り組んでいきましょう。

【参考】
『平成31年度の年金額改定についてお知らせします』厚生労働省
『家計調査報告(家計収支編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)』総務省統計局

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

 

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