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みんなの死亡保険金は2000万円以上。「保険貧乏」が長生きリスクを高めている…陥らないコツとは

LIMO / 2019年10月12日 19時15分

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みんなの死亡保険金は2000万円以上。「保険貧乏」が長生きリスクを高めている…陥らないコツとは

「保険料が高くて支払いが大変だ」と思いつつ、見直しを後回しにしてはいませんか?今、生命保険などの支払いに家計を圧迫される「保険貧乏」という言葉が注目されています。

保険は進化のスピードが大変早く、コストパフォーマンスに優れた良い商品が次々に登場しています。「保険貧乏」にならないためにも、すぐにでも見直しを始めましょう。

日本人は保険好き!

「日本人の保険好き」は世界的にも有名ですが、実際にはよくわからないまま保険を選んでいる人も珍しくありません。

生命保険文化センターが全国の2人以上世帯3983世帯を対象に実施した『平成30年度 (2018年度)生命保険に関する全国実態調査(https://www.jili.or.jp/press/2018/pdf/h30_zenkoku.pdf)』によると、生命保険や個人年金保険について「十分に知識がある」と回答した人は30.5%にとどまり、66.6%は「知識がほとんどない」と回答しています。

一方で、88.7%の人が何らかの生命保険に加入している状況もうかがえます。1世帯あたりの平均加入件数は3.9件で、1世帯あたり年間払込保険料は平均38.2万円にも上ります。

あいまいな不安を抱える人が保険貧乏になりやすい!

保険はマイホームに次いで人生で2番目に高い買い物だといわれることがあります。というのも、例えば30~60歳までの30年間に毎年約40万円の保険料を支払い続けていると、1200万円になる計算になるからです。返戻金なしの終身保険が主流になっていることもあり、しっかり検討もしないままお金を払い続けている状態は考えものです。

まずは、保険の種類を理解し、不要な保険を見極めるところからはじめましょう。

生命保険(死亡保険)

命のリスクに備えるのが生命保険(死亡保険)です。あなたに万が一のことがあったときに、経済的に困る人がいる場合には役立つ保険といえるでしょう。

ただ、住宅ローンを組んだ際に、団体信用生命保険に加入しているのであれば、返済中に万が一のことがあった場合はローンの返済が不要になりますし、公的には遺族年金などの制度もあります。残された家族が必ずしも「ただちに無収入になる」わけではないので、無理をして高額なものに加入する必要はありません。

医療保険

病気やケガに備えるのが医療保険やがん保険です。「手術や入院で高額な医療費がかかる場合に備えたい」という人に高い人気を誇ります。

ただ、日本の場合高額療養費制度により、公的医療保険が適用される医療費については自己負担額の上限が定められており、社会保険に加入している会社員なら傷病手当金や労災保険といった保障制度が利用できる可能性もあります。

また、自治体の医療費助成対象になる年齢の子どもについては、入院しても実費はかからないので必要以上に備える必要はありません。

養老保険

養老保険は貯蓄性も兼ね備えた死亡保険です。生きていても満期には死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れます。過去には高い人気を誇った商品でしたが、利率が下がっている影響でメリットが薄くなっているともいえます。

みんなの普通死亡保険金はどのくらい?

生命保険に加入している人が死亡したときに支払われる保険金を「普通死亡保険金」といいます。なお、いくらぐらいの普通死亡保険金をかけるのが一般的なのでしょうか。

前出の生命保険文化センターの『平成30年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>』から、普通死亡保険金の平均値がわかります。(表「平成30年度 世帯の普通死亡保険金額」参照)

(/mwimgs/a/c/-/img_ac236483f1e7ba6320c52ee98b2396d227115.png)

拡大する(/mwimgs/a/c/-/img_ac236483f1e7ba6320c52ee98b2396d227115.png)

平成30年度 世帯の普通死亡保険金額(生命保険文化センターの資料をもとに編集部作成)

本調査結果からは、普通死亡保険金の平均値が2000万円を超えている状況がうかがえます。
本調査の過去5回分の結果を下記にまとめました。(グラフ「世帯の普通死亡保険金額の推移」を参照)

(/mwimgs/0/5/-/img_05b42a464178f8b9bcb9e6d58773670e29947.png)

拡大する(/mwimgs/0/5/-/img_05b42a464178f8b9bcb9e6d58773670e29947.png)

世帯の普通死亡保険金額の推移(生命保険文化センターの資料をもとに編集部作成)

普通死亡保険金額の平均値は全体的に右肩下がりです。2006年と2018年を比べると、民保やJAでは約1000万円ほど減少しています。

その背景には、未婚率の上昇や超高齢化の影響があるでしょう。賃金格差が拡大している一方で、生命保険商品が値上がり傾向にあることとも無関係ではありません。

一般的に、年齢が上がるにつれて必要な死亡保険金は少なくなります。

将来的なライフイベントを多く抱えている子育て世代では、万が一の事態に備えて高めの死亡保険金をかけておく必要があるかもしれません。「公的保障でカバーできない部分にお金がいくら必要なのか」について洗い出してみることが大切です。若い単身者のなかには将来のリスクに備えて保険や投資を始める人が増えています。

一方、「子どもがすでに独立した」という人は死亡保険金について再検討してみてはいかがでしょうか。長い老後に備える方向に軌道修正していく必要があります。保険貧乏にならないように、ライフステージの変化に合わせて保険をこまめに見直すよう心がけましょう。

【参考】
『平成30年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>』生命保険文化センター

【ご参考】生命保険に関する全国実態調査とは

生命保険文化センターが1965年から3年ごとに調査を行っている「生命保険に関する全国実態調査」。一般家庭の生命保険加入状況を中心に、老後生活や万一の場合の生活保障に対する考え方などをまとめています。生命保険文化センターは1976年1月に財団法人として設立され、生活設計や生命保険に関する情報を提供しています。

今回の調査については、世帯員2人以上の一般世帯を対象とし、2018年4月5日から6月3日に調査が行われ、回収サンプルは3983件となっています。

全生保とは「民保(かんぽ生命を含む)」、「簡保」、「JA」、「県民共済」、「生協等」の4つの機関の総称、またはこれらの機関が扱う生命保険商品の総称です。

いわゆる郵便局が扱う保険のうち、2007年10月の郵政民営化より前の簡易保険商品を「簡保」、それ以降のものを「かんぽ生命」として区別しています。

なかでも、民保やJAは高額なグループです。しかし、実は普通死亡保険金の平均値は近年減少傾向にあります。

【用語定義】

「かんぽ生命」については、2007年10月に簡易保険の民営化により設立されたかんぽ生命の機関または商品を示しており、「民保」の中には基本的には「かんぽ生保」を含んでいます。「民保」は民間の生命保険会社の略称です。

また、「全生保」としては、「民保(かんぽ生命を含む)」、「簡保」、「JA」、「県民共済」、「生協等」の4つの機関の総称、またはこれらの機関が扱う生命保険商品の総称として使われています。

「簡保」は、2007年10月の郵政民営化以前に加入した簡易保険商品。現在は独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構が契約を管理している。新規契約の募集は行っていない。

「県民共済」「生協等」の調査対象機関は「全国生活協同組合連合会」「日本コープ共済生活協同連合会」「全国労働者共済生活協同組合連合会(全労災)」の3機関。それらの機関及び商品の総称。

同調査の生命保険には、勤労者財産形成促進法に基づき取り扱われている財形年金(積立)保険、財形住宅貯蓄積立保険、財形貯蓄積立保険などは含まれていない。

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