のびのび?しっかり?理想と現実で板挟みの母たち…子供の心を傷つけない育児とは
LIMO / 2019年10月14日 10時15分
![のびのび?しっかり?理想と現実で板挟みの母たち…子供の心を傷つけない育児とは](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_13897_0-small.jpg)
のびのび?しっかり?理想と現実で板挟みの母たち…子供の心を傷つけない育児とは
毎日思いのままに散らかし、親のいうことを聞かず自由にふるまう子供たち。何度も繰り返し教えるのに疲れ、気が付いたら怒鳴り散らしていた、そんな経験はありませんか。世間は「叱らない育児」ブームですが、そんな風にできるのであれば苦労はしません。
現実にはそんな笑顔の親のいうことを聞くほど子育ては甘くなく、いつも力でねじ伏せてしまっては後悔してしまう…。ガミガミする母親たちは、心でそんな葛藤をしているようです。
怒っていうことを聞かせるのは支配?
本来しつけとは、子供が社会に出た際に困らず生きていけるよう導いてあげることを目的としています。ところが、我が子のためを思っているはずなのに、時として自分が面倒を避けるためだったり、疲れを解消するためだったりと、いつのまにか親の都合で子供をコントロールしてしまっている、という現象が起きてしまうことも。
本来であれば、水がこぼれたり、砂が巻き散らかったりするようなことだろうと、何事も経験させてあげたいところですが…疲弊している母親にそんな余裕はなく、怒号を飛ばしてしまうのも仕方ないのかもしれません。ただ、日常的に怒りをもって子供をコントロールすることは、果たしてしつけといえるのでしょうか。親が自分に都合の良いように子供を動かすことは支配であり、将来の子供のためとはいえません。逆に、親の顔色ばかり伺って指示を待つようになってしまうと、自律ではなく他律となってしまう危険性を含んでいるのです。
いつだって理想はのびのびした子育て
多くの母親たちは、できれば子供の自主性を尊重し、のびのびとその好奇心を伸ばしてあげたいと考えています。しかし、世の中には危険なものや他の人に迷惑をかけてしまうこと、多くの社会的ルールが存在します。
そういった一般的な常識を取り入れつつ、子供の能力を最大限に発揮させる…口では簡単にいえますが、実行するとなると並大抵のことではありません。親はそのバランスにいつも悩み、自分の育児があっているのか自問自答を繰り返します。
親が楽になる折衷案は
のびのび育児としっかりとしたしつけ。いつも板挟みになる母親たちが少しでも楽になる方法はないのでしょうか?児童精神科の佐々木正美先生は著書『子どもへのまなざし(https://www.amazon.co.jp/gp/product/4834014738/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=navipla-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4834014738&linkId=187781135dbfecfa2a0c354a827538ef)』の中でこう語っています。
「あれはしない、こうすべきと子どもに教えたあとは、積極的に実行しようとする気持ちや機能が熟してくるのを、子ども任せにして待っていてあげます。自分を律することができる時を、子どもに決めさせてあげるというのが大切です」
親はどうしても、一度教えたら次にはできていて欲しいと考えてしまいます。ですが、それは親が決めた期限までにできるようになって欲しいと考えるからこそ。子供が自分でそのことを理解し、実行するようになるまで待つことは、大変根気のいることです。ですが、命の危険や他者への迷惑にならないことでなければ、それは今すぐにできなくてもいいと割り切ってみてはどうでしょうか。
周囲から遅れたり、親が恥をかいたりすることもあるかもしれません。しかし、子供に時期を決めされるということは、その後の人生において自分を律することを学べるいい経験となっていくはずです。
心のハードルを下げてみる
ただ、母親は神様でも仙人でもなく一人の人間です。昨日までイライラしていたのに、急に達観することはできません。そんなときは我が子に対する心のハードルを下げてみてはどうでしょうか。「できない前提」で子供を見守ることにより、期待値は自然と低くなります。そうすることで、小さな失敗がだんだんと気にならなくなってきます。
怒鳴る回数を減らし、その分励まして教える回数が増えていけば、子供も委縮することなく力を発揮することができるようになるのではないでしょうか。
まとめ
子供との関係を変えられるのは、他でもない大人です。子供が劇的に変化することができないのであれば、大人がそのマインドを変えてあげるべきではないでしょうか。そのためには、母親自身が身体の余裕・心の余裕・経済や環境の余裕を持てるようにし、ゆとりをもって子供と接することが大切です。
大変かもしれませんが、できることから少しずつでも環境を整えてみてはどうでしょうか。完璧な我が子でなくてはいけない。他人に迷惑をかけてはいけない。多くの母親たちがその呪縛に苦しんでいると思います。世間体も大切かもしれませんが、ときには自分を甘やかし子供を寛容に受け止めることも、親子にとって大切なことではないでしょうか。
参照:『子どもへのまなざし(https://www.amazon.co.jp/gp/product/4834014738/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=navipla-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4834014738&linkId=187781135dbfecfa2a0c354a827538ef)』佐々木正美著 福音館書店
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