メロンパンの普及と啓発をするメロンパンとは？ メロンパンさんに独占インタビュー！

ちょっとめずらしいアカウントがTwitterで異彩を放っています。メロンパン（@melonpan_japan）さんです。メロンパンさんは次のようなツイートをなさっています。

「スーパームーンとスーパーメロンパン」

夜空に浮かぶのは大きな満月とメロンパン……。

「【速報】木村飲料株式会社から『メロンパンサイダー』」本日爆誕！！！」

こちらは2018年のTwitter投稿。このようなレアな情報発信も。

上記に挙げたのはわずかな例ですが、メロンパンさんのツイートはすべてメロンパンネタです。このアカウントはもしや生粋のメロンパンなのでは……まさかと思いながらも、筆者はメロンパンさんにコンタクトを取ってみました。

メロンパンさんにたずねた5つのこと

メロンパンに関することだけをツイートするメロンパンさんはいったい何者なのか。これがおそらく誰もが知りたい最重要項目かと思われます。まずはこれを単刀直入に伺いました。

1. メロンパンさんは何者？

――こんにちは、はじめまして。メロンパンさんですか？

「こんにちは、メロンパンです」

――まるくてとてもサクサクしていらっしゃいますね。メロンパンさんはどういった方なのでしょうか？

「簡単に自己紹介をいたしますと菓子パン、でしょうか」

――菓子パン。

「パンですがTwitterもやっています。若輩パンながら『日本メロンパン協会』の共同代表を務めさせていただいております」

――あくまでパンでいらっしゃるのですね。

「パンです。メロンパン」

――「日本メロンパン協会」とは耳新しい。どういった団体なのでしょう？

「メロンパンの普及と啓発を目的とした任意団体です。10年後も20年後も、ずっとメロンパンを好きでいてもらいたい。
『メロンパン食べたい！』
『おばあちゃんも小さい頃からメロンパンが大好きなのよ』
そんな会話をご家庭で、そしてパン屋さんで聞くことができる未来のために、日本メロンパン協会は活動しています」

――大変な熱弁ですね！　メロンパンを愛してほしいという強い思いが伝わってきます。

2. メロンパンの魅力って何だ？

ここで重要な質問をぶつけてみました。日本メロンパン協会の一員としてメロンパンの普及と啓発に努めるメロンパンさんが考える「メロンパンの魅力」とは、いったいどこにあるのでしょうか。

――メロンパンさんが熱心に広めようとしているメロンパンの魅力とは、いったい何でしょうか？

「メロンパンのいちばんの魅力は、やはり多様性でしょうか」

――近頃よく聞くワードですね。パンにも多様性が。

「パン生地の上をビスケット生地で覆う以外に、『メロンパンとはこれだ！』という決まりはありません。これがメロンパンを作る上での無限の可能性を生み出しています。パン屋さんを巡ってみても、お店によってこだわりや違いが感じられるでしょう？」

――確かに。ビスケット生地の部分、いわゆる「皮」の厚さや堅さだけを見ても店によって異なりますし、それによって食感や味は大きく変わってきますね。

「チョコチップメロンパンなどはチョコの種類を変えるだけでもガラッと変わります。生地に練り込むフレーバーもさまざま。作り手の試行錯誤がそこにあります。……パン屋さん、ありがとう。こんなにおいしい私を作ってくれて」

3. メロンパニストって何だ？

実は日本メロンパン協会にもTwitter公式アカウント（@MelonpanAssoc）が存在します。そのプロフィールによると日本メロンパン協会は「任意団体で、メロンパンの普及と啓発を目的とし、1個のメロンパンと3人のメロンパニストによって2016年に立ち上げられた」とのことです。

ここにはじめて聞く言葉が出てきました。次はこれについて尋ねてみましょう。

――あの……「メロンパニスト」とは何なのでしょうか？

「メロンパニストとは、メロンパンを愛する者です」

――これは簡潔明瞭な。

「メロンパニストであることに条件だとか、協会の認定制度といったものは、現在のところ設けておりません。メロンパンを愛する人なら誰もがメロンパニストを名乗る資格がある、と普段から提唱しています」

――自由にメロンパニストを名乗っていいのですね。

「私たちが縛りつけるようなことをあまりしたくないという思いがあります。というのは、メロンパンはほかのパンと少し違っているからです」

2019年の新作メロンパン画像（メロンパンさんのTwitter投稿から）

「もともとメロンパンは、表面のビスケット生地に溝が刻んであって見た目がメロンのようだからメロンパンで、メロンの果肉も果汁も入っていませんでした。しかし時代が下ると、生地に果汁を練り込んだり、メロンクリームを挟んだりといったメロンパンも登場してきました。実際にメロンがメロンパンに入るようになったのです。

これに異を唱える人もいれば、これこそメロンパンと言う人もいる。ここで私は言いたい。どちらもメロンパンでいいじゃないか、と」

――なるほど、そもそもメロンパン自体が自由奔放、融通無碍なパンなのですね！

「そうなのです。『メロンパンの姿や肌の色、メロンパンの思想による争いや差別のない社会』というものが、日本メロンパン協会の理念にあります。いろいろなメロンパンがあっていい。いろいろなメロンパニストがいていい。それが敢えてメロンパニストの定義をふわっとさせている理由です」

――メロンパンだけにふわっと。

「ふわっと。名称だって『メロンパニスト』限らず、『メロンパンアンバサダー』や『メロンパンソムリエ』、あるいは『メロンパナー』でもいいのです」

――メロンパンもメロンパニストも、あり方や精神は自由である、ということですね。

「あ、私自身はメロンパニストではなくて、メロンパン本パンです」

――本パン？

「人間だと『本人』と言うじゃないですか。私はメロンパンなので『本パン』です」

4. メロンパンの普及・啓発活動のきっかけ

「パンのフェス in 横浜赤レンガ」で買い集めたメロンパン（メロンパンさんInstagramから）

――メロンパンを普及させようというのはメロンパンを愛するがゆえだと思うのですが、実際に普及・啓発活動をはじめるきっかけは何だったのでしょうか。

「普及・啓発と言うと、大げさというか、おこがましさもありますが……さまざまなメロンパンの『違い』を楽しんでいただいて、その上で、みなさまの好みのタイプのメロンパンを見つけていただけたら嬉しいな、と。そう思ったのが、TwitterやInstagramなどSNSでメロンパンの発信を始めたきっかけです」

――メロンパンの多様性への気づきを促し、いろんなメロンパンを試して好きなメロンパンを愛でる……みんながそうしてくれたらいいな、ということですね。

「メロンパンが好きではない人にはメロンパンのことをよく知って、好きになってほしい。好きな人にはメロンパンをもっとよく知った上で、さらに好きになってほしい。多彩多様なメロンパンの中に、きっと好きなメロンパンがあるはずです。それを見つけてほしいですね。そのために、3人のメロンパニストの方々と共同で、日本メロンパン協会を設立しました」。

5. 日本メロンパン協会の会員になる方法は？

「世田谷パンまつり」で買い集めたメロンパン（メロンパンさんInstagramから）

メロンパン愛に溢れている人の中には、メロンパンさんと一緒に日本メロンパン協会でメロンパンの普及と啓発に努めたい、という人もおられるのではないでしょうか。そのようなみなさんのために入会方法を訊ねてみましたが、協会にはまだ会員制度はないとのことです。

――会員は募集されていないのですか。それは残念です……。

「協会自体がまだ非常に小さなものなので……私たちが今後、会員となったみなさまに何らかの『価値』を提供できるようになった暁には、制度についても考えたいと思います。まずはメロンパンを末永く愛し、日本メロンパン協会をご支援いただけたら、とてもうれしいです」

――私たちも個々にメロンパンを愛し、メロンパンさんや日本メロンパン協会の活動を応援する、というかたちで一緒に活動できるんだ、と考えるといいでしょうか。

「そうですね。メロンパンはいつもみなさんの生活の中にありますので、よろしくお願いします」

まとめ

メロンパンさんは、メロンパンの魅力を広くアピールしてメロンパン好きの人を増やそうとするメロンパンでした……パンもSNSを通じて普及や啓発の活動をする時代になったのですね。

メロンパンさんは全国のみなさんに向けて、次のようにコメントをくださいました。

「昨今はパンブームで、全国各地ではパンのイベントがたくさん催されていますので、そういったところに行って、いろんなメロンパンをいっぱい買う！ みなさんにこれをおすすめします。2〜3日は食事にメロンパンが続くことになりますけれども。そうしてメロンパンに親しんでください！」

メロンパンさんが仰ったように、いちごメロンパンやりんごメロンパンなどいろいろなフレーバーのものや、チョコチップやクリームが入ったものなど、一口に「メロンパン」と言ってもいろいろなものがあります。メロンパンは身近な食べものですが、本稿をお読みのこの機会に改めて見直してみてはいかがでしょうか。

あなた好みのメロンパンとの出会いがありますように。