今からでも知っておきたい「保育園無償化」むしろ新たな待機児童の問題をはらんでいる!?
LIMO / 2019年10月21日 11時15分
今からでも知っておきたい「保育園無償化」むしろ新たな待機児童の問題をはらんでいる!?
いよいよ「保育園・幼児教育無償化」がスタート。でも、あれよあれよとその時がきてしまって、まだきちんと理解ができていないという人も多いのではないでしょうか。
ちょうど対象年齢のお子さんを持つママからはこんな声も上がっています。「無料って何の料金が無料になるの?」「無料ってことで、人気の幼稚園や保育園の申し込みがさらに激化するのではないかしら?」
そこで今回は、小さなお子さんがいるご家庭なら知っておきたい「保育園無償化」について、将来的な展望も含めて、ちょっとおさらいしてみましょう。
過去のデータから見える消費税引き上げの影響
まずは、同時期に行われる消費税率引き上げの影響についてみてみましょう。
消費税が初めて導入されたのは、1989年4月のこと。そして1997年4月には5%に、2014年4月には8%にアップしました。その影響を、「平成23年基準(2008SNA)」基準の実質GDPの伸び率(前期比)からみてみると…。
過去2回の引き上げ直後の四半期は、1997年4~6月期は-0.6%(同1~3月期+0.3%)、2014年4~6月期は-1.8%(同1~3月期+0.9%)と景気の落ち込みが見受けられます。
また、GDPの構成要素である家計最終消費の伸び(前期比)では、1997年4~6月期は-2.4%(同1~3月期+1.6%)、2014年4~6月期は-4.8%(同1~3月期+2.1%) と示されています。増税前の駆け込みがあったとはいえ、引き上げ後の実質GDP、とくに家計最終消費はおおきく下がっている様子がうかがえます。
ただし、今回の消費税引き上げは、政府が「保育園・幼児教育無償化」をはじめとした緩和策を用意しているということもあり、以前より落ち込みが緩和されるのではとも考えられます。とはいえ、やはり消費者の捉え方が結果を左右させるのも事実。先行きはまだまだ不透明であるといえるでしょう。
「保育園無償化=すべてのママが働ける」とは限らない
「保育園無償化」と聞くと、経済的に非常に助かる制度のように思えますが、消費税率引き上げによる消費の底冷えもあり、「無償化をきっかけに、子どもを預けて働きたい」と考える人が多くなるとも考えられます。それにより、「待機児童の増加」が起こる可能性もゼロではありません。
とくに専業主婦の場合、正社員を希望したが採用されなかった、パートや派遣の仕事しか見つからないケースも多いのが現状です。さらに激戦区にお住いの方は、入所すらできないケースも視野に入れなければなりません。このような点を踏まえると、無償化の恩恵を受けられないママも多くなりそうです。
また、幼稚園は1カ月25,700円が補助の上限となり、差額は支払わなければなりません。延長保育を利用する場合は月に37,000円まで補助されますが、3歳以上は全額無償となる保育園と比べると、メリットは少ないといえるかもしれません。
「保育園無償化」のその先は?「給食無償化」を実施している自治体も
子どもは成長します。「幼稚園や保育園の無償化」の恩恵を受けた後は、小学校、中学校と上がっていくわけですが、義務教育とはいえ、やはり成長とともにそれなりのお金はかかります。特に月々徴収されるお金の中に大きなウエイトを占めるのが給食費。でも実は、小学校や中学校の「給食無償化」を実施している自治体もいくつか存在しているのです。
平成30年7月に文部科学省が実施した調査によると、小・中学校とも給食無償化を実施いる自治体は、全国1740自治体のうち76自治体となっています。割合にすると4.4%と、まだまだ少数であるといえるでしょう。
また、地方別にみた自治体数は以下の通りです。
北海道…15自治体
東北地方…10自治体
関東…15自治体
中部北陸地方…8自治体
近畿地方…9自治体
中国四国地方…3自治体
九州沖縄地方…16自治体
なお、東京都世田谷区は2019年10月から就学援助として給食無償化を実施するにあたり、給食だけ別の収入基準を定めています。両親と子供2人世帯の4人家族の場合、所得564万円、給与収入が760万円以下(世帯人数によって変動)だと給食費が無料になるシステムです。
まとめ
保育園が無償化されるとはいっても、無償化の恩恵を必ず受けられるとは限らず、むしろ新たな待機児童の問題をはらんでいるというのが実情のようですね。「消費税の引き上げによる家計への負担は、私が働いて補おう」と考えている方は、お目当ての保育園に入所ができそうかどうかについて、リサーチをしておくことをおすすめします。
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