人生100年、認知症が心配な若年層、長生きしたくない50代女性
LIMO / 2019年10月20日 10時45分
人生100年、認知症が心配な若年層、長生きしたくない50代女性
性別年代別で異なる意識
長寿化は日本だけでなく他の先進国でも起きていると言われ、「人生100年時代」という言葉はもはや世界のトレンドとも言えるようになっています。一方で、いわゆる年金2000万円問題や孤独死など、長生きすればするほど高まる不安が存在していることも事実。これからの時代に、私たちは健康や人生についてどのように考えていけばいいのでしょうか。
サントリー食品インターナショナルは10月9日、サントリー100年ライフプロジェクト「ウェルビーイングトレンドサーベイ2019(https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF0911.html)」の記者発表を行いました。20~70代を対象に実施した健康に関する意識や行動の実態調査を行った結果から、性別年代別の特徴を見ていきます。
20~30代男女に顕著に見られる老後の不安
調査ではまず、「人生100年時代」という言葉に対する認知度を調査しました。「内容を知っている」「見聞きしたことがある程度」を合わせると60~70代のシニア層が高い傾向に。一方で「内容まで知っている」だけを見ると、全年代を通して男女ともに20代が約30%と最も多かったことが特筆すべきでしょう。
そこで「内容を知っている」と回答した人に、将来気をつけたい/予防したい症状を聞いたところ、「認知症」(48.2%)が「がん」(45.4%)を押さえて第1位に。特に70代男性、50代女性、そして20代男性、20~30代女性においては非常に高い数値となっています。
これは親が認知症の祖父母を介護している姿を目にした経験や、世間的にも注目される認知症の高齢者による交通事故などが影響していると推測されます。体の病気以上に家族や介護者への負担感が強いことや他人を巻き込む事故などの情報から、「認知症=他人に迷惑をかける」というネガティブなイメージを若年層ほど強く持っているのかもしれません。
また、「人生100年時代」と聞いてどう考えるかについて聞くと、「自分事として受け止める」と回答した人は20代男性では75.9%と他の性別年代に比べても非常に高い数値に。「将来に備えたいと思う」と回答した人も75.9%となり、20代男性の健康寿命に対する関心の高さが伺えます。
この回答は30代女性も87.0%と数値が高い結果となりました。総じて男女ともに20~30代は年金問題や雇用の先行きの不透明さといった社会的な影響をダイレクトに受けていることから、老後の不安を強く感じているようです。
現実的だからこそ50代女性に渦巻く「長生きしたくない」
一方で、「人生100年時代」についてネガティブな感覚を持つ性別年代も浮き彫りになりました。それが50代女性です。
先の「人生100年時代」と聞いてどう考えるかについては、「自分とは関係ない」「特に行動を起こそうとは思わない」と回答した割合が他の性別年代に比べても高く、また「人生100年時代」に対しての思いも「幸せに思う」と回答した割合がひときわ低い結果に。さらに、人生100年時代を「負担に思う」「長生きしなくても大丈夫だと思う」と回答した人も非常に多くなっています。
2017年に株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントが終の棲家に関して行った意識調査では、「現在の家に最期まで住み続ける」や「ゆくゆくは別の住まいに転居するつもり」などの選択項目がある中、30代から40代女性までは約半数が「わからない」と回答。
これが50~54歳女性になると36%にまでガクンと減少します。女性は今の家に住み続けるか移り住むかといった老後に向けたプランを、50才を境に具体的に考え始めていることがうかがえます。人生の折り返し地点にさしかかったことで、既婚未婚を問わず、子どもやパートナー、友人など、終焉をどこで誰と過ごしたいかをリアルに捉え始めるのが50代女性のようです。
このように老後の暮らしや自身の終焉を楽観的ではなく現実的に見据え始める時期だからこそ、今回の調査結果で出たのは「自分事として考えない」のではなく、「長生きについて考えることは大変だ」という彼女たちの正直な感覚なのかもしれません。
人生100年時代を幸せだと思えない若者は少なくない
50代女性においてはネガティブな意識が目立った「人生100年時代」に対する思いは、若い層とシニア層では「幸せだと思う」と回答した人がとりわけ多くなるという結果に。男女ともに40~50代のちょうど中間層では「幸せ」と「負担」が半々となっています。
今回の調査では、20~30代の若年層における人生100年時代の備えやポジティブな意識が高かった結果が目立ちました。しかし、厚生労働省が発表した平成30年版「自殺対策白書(https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/18/index.html)」では、10歳~39歳までの死因1位は「自殺」となっています。
老後への備えの意識が高い若年層が多く見られた一方で、将来への不安な思いが強すぎるあまりに、「生きたくない」と考える若年層も多くいるのでしょう。
実際に内閣府の実施した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/ishiki/h30/pdf-index.html)」(平成30年度)では、将来に希望があると答えた日本人は61.6%でした。アメリカ(91.8%)、スウェーデン(90.8%)、イギリス(89.8%)、韓国(86.4%)と比べても、圧倒的に自分の将来に希望を見出していない若者が多いことがわかります。
いずれの年代においても、マクロの話では雇用や賃金、社会保障などの社会問題が、ミクロの話では夫や子ども、住まいなど家庭内の問題などがそれぞれに繋がって渦を巻きながら、「人生100年時代」に対する人々の意識に繋がっていることがわかった今回の調査結果。皆さんは「人生100年時代」に対してどう考えますか?
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「出世したい」5割強、出世願望が一番強いのは24歳までの若年層 「あしたメディア by BIGLOBE」が若年層の働き方に関する意識調査を発表 ~「在宅勤務ができる会社で働きたい」若い世代ほど多く、7割強~
@Press / 2024年4月25日 11時15分
-
【LINEリサーチ】「配膳ロボット」の認知率は全体で9割超。全体の約7割は、今後の利用意向ありという結果に
PR TIMES / 2024年4月24日 16時45分
-
メンタルヘルス不調を最も感じている世代・性別が明らかに - 40代男性も56%【1000人調査】
マイナビニュース / 2024年4月23日 8時49分
-
メンタルヘルスの不調を一番強く感じているのは20~24歳の女性で約7割に 「あしたメディア by BIGLOBE」がメンタルヘルスに関する意識調査を発表 ~若年層はリアルよりもネットのコミュニケーションが好き~
@Press / 2024年4月22日 11時15分
-
【LINEリサーチ】ショート動画を「ほぼ毎日見ている」割合は、若い年代ほど高い傾向
PR TIMES / 2024年4月11日 16時15分
ランキング
-
1結局、店員が常駐……日本の「もったいないセルフレジ」【小売りヒット記事3選】
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月5日 9時0分
-
2相鉄線「屈指の閑散駅」ついに一新へ! 大幅イメチェン&新改札も 完成時期は?
乗りものニュース / 2024年5月4日 8時42分
-
3日本の名目GDP、2025年にインドに抜かれ世界5位へ…円安でドル換算が目減り
読売新聞 / 2024年5月5日 18時59分
-
4コスパの高さが異常…スズキの新型軽「スペーシア」が、「これで153万円は安すぎる」と絶賛されている理由
プレジデントオンライン / 2024年5月5日 11時15分
-
5【お得で安心】メーカー“公式中古品”の魅力 家電や服、ピアノも『every.気になる!』
日テレNEWS NNN / 2024年5月4日 9時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください