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お金持ちの高い「金融リテラシー」はどのように身につけたのか

LIMO / 2019年10月28日 19時15分

お金持ちの高い「金融リテラシー」はどのように身につけたのか

お金持ちの高い「金融リテラシー」はどのように身につけたのか

金融リテラシーという言葉を耳にすることがあると思います。金融リテラシーとは、金融に関する知識や情報を正しく理解し判断できる能力のことです。一般的に金融知識と聞くと、わが家には関係ないのではと感じる方もいるかもしれません。

しかし金融リテラシーは投資分野だけでなく、お金に関する基礎的な知見も含みますので、生活能力そのものであるともいえます。日本証券業協会の公式サイトでも、金融リテラシーは社会人として経済的に自立し、より良い暮らしを送っていくうえで欠かせないスキルだと定義されているのです。

「金融リテラシー」とお金持ちの関連性

金融リテラシーは生活スキルに通じていると同時に、ある程度の金融経験で向上します。資産形成や資産運用に関する情報提供を行っている『フィデリティ退職・投資教育研究所』のデータ(※1)によると、保有する金融資産の大きさ/投資経験と金融リテラシークイズの得点(100点満点中)については以下のような関係性がありました。

《金融資産との関連性》
・「金融資産0円」…30点台半ば
・「500万円未満」…40点台半ば
・「500-1000万円未満」…50点台半ば
・「1000万円を超える」…60点超

《投資経験との関連性》
・「現在投資をしている人」…65.2点
・「以前投資をしていたが今はやめた人」…57.0点
・「これまで投資をしたことがない人」…44.7点

上記の結果から、金融資産の大きさや投資経験が金融リテラシーの得点に影響していることが分かります。金融リテラシーが高い人ほど投資をしているといえますし、投資をすることで金融リテラシーが高められていると捉えることもできるでしょう。

ただし、金融資産については資産1億円以上の人でもリテラシークイズの得点は60点台。一定以上の資産になると得点は頭打ちとなるようです。また、金融機関の提供するサービスに対する満足度と金融リテラシーとの関連は見られません。あくまでもお金に関するさまざまな経験を経ることで金融リテラシーが上昇していくということが分かります。

(※1)『フィデリティ退職・投資教育研究所』による高齢者の金融リテラシー調査(2018年12月実施)は2016年に金融広報中央委員会が行った「金融リテラシー調査」中の金融リテラシークイズ、および2018年12月に実施した高齢者の金融リテラシー調査(回答者65歳から79歳までの1万1960人)の結果から、その水準と他の設問の結果をクロス分析した集計結果データ
(参考記事:「金融リテラシーを高めるのは保有資産の大きさよりも経験の積み重ね(https://limo.media/articles/-/11948)」)

お金持ちから学ぶ金融リテラシー

貯蓄ゼロ世帯の人や貯金が少ない人が、少しでもお金持ちに近づくにはどのような点を学ぶと良いのでしょうか。最初の調査結果でも分かるように、資産が1000万円を超える人と金融資産を持たない人との得点には倍の開きがあり、差が顕著になっているのです。

日本のお金持ち『富裕層』は50世帯に1世帯ほどいるようです。㈱野村総合研究所が2018年に公表した調査結果(※2)によると、日本の富裕層(純金融資産(※3)保有額が1億円以上の世帯)は約127万世帯で、全世帯の約2%です。「意外に多いな」と感じるのではないでしょうか。

一方、金融広報中央委員会が18年に公表した「平成30年(2018年) 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査][二人以上世帯調査](https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/)」によると、「金融資産がない(※4)」と回答した世帯は単身世帯で38.6%、2人以上世帯で22.7%となっています。

野村総合研究所の調査では、お金持ちを親に持つ「親リッチ」のほうが、そうではない「非・親リッチ」よりも金融リテラシーの水準が高いという結果が出ています。お金持ちの習慣から金融リテラシーを学び、賢い生活力につなげてみましょう。

(※2)「野村総合研究所、日本の富裕層は127万世帯、純金融資産総額は299兆円と推計」野村総合研究所
(※3)「純金融資産」とは保有する金融資産の合計額から負債を差し引いたもの。
(※4)ここでいう「金融資産」とは、家計が保有する金融商品のうち、貴金属や現金、事業のために保有している金融商品、預貯金のうち日常的な出し入れや引落しなど生活費に対応する部分を除いた「運用のため、または将来に備えて保有している部分」となっています。また「金融資産がない」世帯とは、「金融資産をいずれも保有していない」世帯および「預貯金のうち運用・将来の備え」がゼロと回答した世帯を指しています。

お金持ちの習慣・思想

お金持ちにみられる共通点から、お金に関する習慣や思想についてピックアップしてみました。お金持ちの生活傾向を学んでみましょう。

(1) 早寝早起きと健康管理

お金持ちには早寝早起きをしている人が多く、時間を有効に使い、規則正しい生活をしています。そして健康管理への意識の高さも特徴的です。意欲があり読書を好み、活動的で頭も使うため、睡眠も充分にとっています。お金持ちの中には不健康な人や元気のない人は少ないのです。生活の基本でもある健康管理を意識していきましょう。

(2) 使うべきところにお金をかけている

お金持ちは保有額も大きいため、金銭管理を徹底しています。家計や事業の収支を把握し、家計管理の基本を守っています。また、「どこにお金を使うべきか」をしっかりと見極めて、不必要なものには無駄使いはしない。持ち物も、長く使える質の良いものを選んでいることが多いのです。

(3) アイデアをすぐに行動に移す

お金持ちは情報に敏感であり、アイデアをすぐに行動に移すという特徴があります。ただし失敗しそうだと分かったときの決断も早く、軌道修正する力にも長けているのです。リスクも経験しながら試行錯誤していく実行力は大きな人生経験・金融経験となるでしょう。

(4) 争いごとはしない

お金持ちの人は争いを好みません。周りを落としてまでトップに立とうとすることはなく、平和主義です。服装もシンプルで上質。持ち物などもブランド物で周囲にアピールすることもありません。周囲への思いやりを当然のように身につけています。お金持ちの生活や習慣は『カネの亡者』のようなものとは程遠いといえます。

まとめ

「お金持ちほどお金に関心を持ち、お金を大切にしている」という説もあります。お金がない人、貯金ができない人ほど、お金に対して無頓着な傾向にあるのかもしれません。しかし金融リテラシーに代表されるお金の感覚は、生活に直結する重要な資質です。お金持ちの人たちの習慣にならいながら、賢い個人として金融リテラシーや生活力をスキルアップさせていきましょう。

【参考】
「金融リテラシー調査(2019年)(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2019/)」知るぽると(金融広報中央委員会)
「平成30年(2018年) 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査][二人以上世帯調査]」知るぽると(金融広報中央委員会)

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

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