なぜかお金が貯まらない人の共通点。あなたはカードや口座をいくつ持っていますか?
LIMO / 2019年11月4日 20時15分
なぜかお金が貯まらない人の共通点。あなたはカードや口座をいくつ持っていますか?
「どうしてもお金が貯まらない」、「節約の仕方がわからなくて毎月赤字」といった課題を抱えていても、「どこから手をつけてどう改善すればいいかわからない」というご家庭もあるでしょう。
『横山先生ド素人の私に教えてください! これからの「お金」の貯め方&増やし方(https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761274395/kankidirect-22/)』などの著書があり、これまでにのべ2万3000人以上もの人々の家計相談を行ってきた横山光昭氏は、「やり方さえ理解すれば、どんな人でも“家計の達人”になれる」と言います。お金を上手く貯められない人の共通点、貯めるためにまず取り掛かるべきことなどを聞きました。
お金の出口が分散しすぎると家計は回らない
がんばっているのになぜかお金が貯まらない、毎月赤字になってしまう……。
そんなお悩みを抱える人々には、実は共通点があります。それは、「お金の流れ」がごちゃごちゃしていること。お給料が入ってくる銀行口座はともかく、光熱費や生活費、教育費、住宅ローンなどの支払い用の銀行口座が複数あり、いつ、どこの銀行口座から、何円の支払いがあるか、まったく把握できていないご家庭がとても多いのです。
ごちゃごちゃしているのは、支払い用の銀行口座だけではありません。貯蓄用の口座や資産運用のための口座が複数あったり、はたまた家族に内緒のへそくり口座があったりします。
その上、クレジットカードも、デパートやスーパー、ネットショップなどのポイントを貯めたいがために複数枚持っていたり、電子マネーもコンビニ系や電鉄系で何枚も持っているという人も多いのです。
このように、お金の出口が分散しすぎると、全体像が見えなくなるため、家計は必ずと言っていいほど、うまく回りません。ですが逆に、複雑に絡み合った「家計の混乱」をうまくほどいて、シンプルにすることで、お金はきちんと貯められるようになります。
今回は、ごちゃごちゃになった家計をシンプルにする方法を1つずつお話しします。
まずはごちゃごちゃ家計がどんなものか、たとえば、共働きのご夫婦のケースを見てみましょう。
1つの家計に、銀行口座が5つ、信用金庫の口座が2つ、証券口座が1つ、計8つもありますね。クレジットカードは4枚なので少ないほう。下ろした現金を別の口座に振り込んだり、貯金用の口座から足りないときはその都度引き出したり、と大混乱! 夫も妻もお互いのお金の出入りを把握できていません。
非常に複雑に入り組んだ家計ですが、これをうまくほどいてシンプルにすると、次のようなスッキリ家計になります。引き落としされる銀行口座やクレジットカードを目的別に絞り込むことで、お互いに夫婦で把握&管理できるようになるのです。
銀行口座は4つに絞り込む!
スッキリ家計にするためにまず、最初にやっていただきたいのが、銀行口座の確認と絞り込みです。
大切なのは「生活費で使うお金」の口座を1つに絞り込むこと。人によっては、光熱費は**銀行の口座から、新聞購読料は〇〇銀行の口座から、食費は△△銀行の口座から、とあちこちの口座から引き落とされ、何にいくら使ったのかよくわからないという状況に陥っています。
絞り込む基準は「自分にとって便利な金融機関」かどうかでいいでしょう。たとえば、振込手数料が少なくてすむ、金利が他の銀行より良い、家からも会社からも近い、ネットでの口座管理が簡単で扱いやすい、といったように、あくまで「自分にとって便利」な口座を選んでください。
反対に、手数料が高い、引っ越して近くに支店やATMがない金融機関など、メリットもないのになんとなく持っている口座は解約したほうがいいでしょう。
特に、ずいぶん前に作ったきり忘れている口座、いわゆる休眠口座は5年あるいは10年以上出し入れがないまま放置されていると、政府によって公益活動に使われてしまうことがありますから、注意が必要です。1万円以上あれば通知が届くので、知らないうちに消えてしまうことはありませんが、使っていない口座はきちんと解約しておきましょう。
しかし、ただ数を減らせばいいというわけではありません。貯める袋(貯金口座)、使う袋(生活費やローンの口座)、増やす袋(資産運用口座)をきっちり分けましょう。
すると、次のように絞り込まれると思います。
●給与が振り込まれる口座(共働きなら2口座)
●使う口座(生活費やローンの支払い:毎月一定額を補充する)
●貯める口座(貯金用:毎月一定額を貯める)
●増やす口座(資産運用・証券口座:毎月一定額を運用する)
もちろん、子どもの学費の指定口座が他の銀行だったり、と例外はありますが、なるべくシンプルにすることが最大のポイント。各家庭で話し合いながら、絞り込んでいきましょう。
クレジットカードは一本化するほうが得
次のステップは、クレジットカードを確認&厳選すること。
最近はクレジットカードごとのポイント制度や割引システムがますます発達しているため、何枚も持っているという方が多いでしょう。このクレジットカードの複数持ちも、ごちゃごちゃ家計の元凶。理想は、カードは1人1枚のみ!です。
まずはご家庭でどれくらいクレジットカードを持っているか、確認してください。たとえば、年会費無料キャンペーンで作ったけれど実際には使っていないカードや、スーパーのポイントがたまると思って作ったけれどお店が移転して使っていないというカードなどはありませんか?
以前は年会費無料だったのに、いつの間にか年会費を引かれるようになっていて、気づかずに数年間も支払い続けていたというケースも多いのでご注意を。
持っているクレジットカードを確認できたら、絞り込みに移りましょう。自分にとって、もっともメリットの多いカード、便利なカードを残せばOK。カードの還元率や、年間手数料の有無などさまざまな基準がありますね。海外でもよく使うという方は、現地でも使い勝手のよいクレジットブランドがおすすめです。
気をつけたいのが、「おトク」につられてクレジットカードを複数枚使い分けること。たとえば、ネットショップAで購入するとポイントがたまるAカード、BデパートでポイントがたまるBカード。Cスーパーでの買い物が毎回割引になるCカード……と何枚も使い分けている方がいます。
一見おトクなように感じますが、食費や日用品費の集計がめんどうになり、結局出費を把握できなくなります。また、食費や光熱費、通信費をすべて別々のカードで支払っているので、総計がわからなくなっていたりする人も。結局バラバラなので、家計混乱の元。クレジットカードは一本化するほうが長い目で見ればおトクなのです。
お金の出口を厳選する
次は、出費について絞り込んでいきましょう。まず、どんなことにお金を支払っているか、思い浮かべてみてください。
ご家族なら以下のような感じでしょうか。
・生活費(水道光熱費、食費、被服費……)
・医療費
・通信費
・保険料(生命保険や自動車保険など)
・住宅ローン
・教育費(学校給食費や保育料)
・レジャー費(交際費や旅行費)
・習い事代
・新聞購読料
これらの支払い方法は、現金だったり、口座引き落としだったり、クレジットカード払いだったり、とバラバラですよね。その上、引き落とされる銀行口座やクレジットカードもバラバラなことが多いでしょう。
まずは、これまでと同じく、お金の出口(支払い方法)についても絞り込んでいきましょう。口座引き落とし、クレジットカード払い、現金払いをなるべく1つにまとめます。
たとえば、光熱費やスマホなどの通信費をカード払いにしているなら、今まで現金払いだった新聞購読料も同じカードで支払う、というふうに。当然、口座引き落としもクレジットカード支払いも、元となる口座は先ほど絞り込んだ「使う口座(袋)」です。
最初はちょっとめんどうかもしれなませんが、一度やってしまえばもうあとは手間がかかりません。ぜひこの機会にやってみてください。
夫婦で「家庭」という会社を共同経営する
ここまでお金の流れをシンプルにする方法をお話ししてきましたが、特に気をつけたいのがご夫婦(家族)の家計管理です。お1人の場合は、自分だけが改善すればいいのですが、ご夫婦やご家族の場合は皆で改善しなければ意味がありません。
特に共働きのご家庭は、それぞれの収入にノータッチということも多いのですが、お互いの入出金が不透明なので家計が悪化しやすい傾向にあります。
できれば夫婦で「家庭」という会社を共同経営するという感覚を持てるといいですね。どちらか1人が黒字家計にしようとがんばるよりも、2人で力を合わせれば圧倒的に効果が出やすいのです。
夫婦(家族)の家計づくりは、次のような手順で進めていきましょう。
お互いの収入を把握する
夫婦共通の口座から支払う支出、 おこづかいから支払う支出を決める
毎月の夫婦の目標貯蓄額を決める
それぞれのおこづかいの予算額を決める
毎月の振り返りを一緒に行い、必要があればルールを調整する
具体的には次の図のようにできるといいでしょう。
「お金の流れ」がスッキリすれば、何にどれだけ使っているか、どこを節約するべきかといった全体像が見えてきます。貯金をしたいのであれば、まずはこれらのお金の流れをシンプルにする方法から取り組んでみてください。
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