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67歳女性、「1人で生きていくこと」を決めた覚悟と準備~生涯未婚率が上がる日本~

LIMO / 2019年10月30日 19時45分

67歳女性、「1人で生きていくこと」を決めた覚悟と準備~生涯未婚率が上がる日本~

67歳女性、「1人で生きていくこと」を決めた覚悟と準備~生涯未婚率が上がる日本~

「少子高齢化」と言われている日本の現状については、なんとなくでも理解している人も多いはず。

そして少子高齢化の原因として挙げられているのは「若年人口の減少」「1人の女性が生涯に産む子どもの数の減少」などがありますが、50歳時点で一度も結婚をしたことがない人の割合を示す「生涯未婚率」の高さにも注目が集まっています。

厚生労働省が発表した「人口動態統計」では、1972年の婚姻件数が約100万組と過去最高を記録した後、年々婚姻件数が減り2017年の婚姻件数では過去最低の約60万組に。
どんどん減り続ける婚姻件数に比例して、もちろん出生数は激減。そして増えていくのは生涯未婚率や税金などの負担金額。

「結婚しないこと」や「子どもを産まないこと」を選択する人々や、金銭的な不安などから結婚を避ける日本人が増えたことで、日本という国家が成り立たなくなると危機感をあらわにする評論家も少なくありません。

1人で生きていく覚悟を決めたKさん(67歳)の暮らしとは

私には、今年で67歳になるKさんという遠い親族がいます。
Kさんは今まで一度も結婚をしたことがない、いわゆる「生涯未婚率を引き上げている当の本人」。

大学進学を機に田舎を離れ、大都会に揉まれながら薬剤師の資格を取得。
卒業後は地元に戻ることなく、そのまま都会の企業に就職をして定年退職まで勤めあげました。
定年退職した後もパート職員として活躍しているKさんは、退職金でマンションを購入したり毎月海外旅行へ出かけたりとアクティブに動き回っています。

3人の子育てに大忙しで自分の身なりを整える暇もない私を横目に、Kさんは自分の時間を贅沢に使い、ファッションや流行にも目を光らせます。

「自由っていいな〜」なんてKさんを羨むことも少なくありませんが、本人からしてみると羨ましがられるほどの暮らしではないのだとか。

「生涯未婚」を選ぶからには避けては通れないビジョン

Kさんは言います。
「私には子どもがいないからね。今から終活のことをしっかりと考えていかなきゃ」

Kさんにはそれなりの資産があるため、自分が死んだ後どのように財産を残すのか、保有している住居や遺品などはどのように処分するのかといった問題がのしかかります。
さらには「いつボケるかわからないから、入居できる施設を今から探しておこうと思っている」とまで!

パートナーや子どもがいる場合でも終活を行うケースが増えていますが、未婚者であればより詳細に「自分がいなくなった後のこと」を決めておかなければなりません。

自分の老後の世話をしてほしいが為に結婚をしたり子どもを産んだりするわけではありませんが、やはり老後にパートナーや子どもがいる環境というのは心強いものです。

また、お金や時間を自由に使えるのは良いけれど、自分の家庭を持つことができなかった寂しさは少なからずある、とポツリ。

生涯未婚を貫き通す為には、それ相応の覚悟や準備が必要と言えるのではないでしょうか。

超少子高齢社会で日本が消滅危機に?

生涯未婚率が引き起こしている日本の問題点としては、超少子高齢社会が真っ先に挙げられます。
『日本の年表 人口減少日本でこれから起きること(https://amzn.to/2pjT0Vp)』(講談社現代新書)の著者であるジャーナリスト・河合 雅司氏によると、2035年になれば「男性は3人に1人・女性は5人に1人が生涯結婚しない」という未婚大国が誕生すると警鐘を鳴らしています。

超少子高齢化が進むことによって、2022年には「ひとり暮らしをする貧しい高齢者の激増」、2023年には団塊ジュニア世代が高賃金をもらう50代に突入することで「企業の人件費がピーク化」、2024年には3人に1人が65歳以上となる「超・高齢者国家」になっていくとのこと。

現在あちらこちらからは、人口ボリュームの大きい団塊世代が大病を患いやすい75歳以上になることで、医療費や介護費がかさむと懸念される「2025年問題」が指摘されています。

しかし河合氏によれば、高齢者人口が約4000万人とピークになる「2042年」こそが日本最大のピンチだとしています。

未婚者が増えたことだけが少子高齢化を引き起こしているわけではありませんが、このままではどんどん日本の人口が減り、2065年には現在の住居地域の20%が「誰も住まない土地」になってしまうのだとか。

生涯未婚率が上昇する理由は「年収」に関わる意識が関連

2014年度に行われた「結婚・家族形成に関する意識調査(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/h26/zentai-pdf/index.html)」においては、未婚者の方が既婚者よりも「必要と考える年収額が高い」ことが明らかになりました。

男性は年収300万円未満での未婚率が目立ち、女性に関しては年収600万円以上の30代女性が目立ちます。

「結婚したいと思える相手に出会えない」という理由ももちろんありますが、その背景にはコンプレックスによる自信のなさや、家族を養っていくことへの恐怖心が潜んでいると思えてなりません。

Kさんもそうなのですが、ある程度収入が高い女性からは「結婚しなくても自分の力だけで十分生きていくことができる」という意見も聞こえてきます。

お見合いパーティーの開催などを通して生涯未婚率を改善させようとする働きかけもありますが、それだけでは根本的な問題の解決にはつながらない可能性の方が高いはず。

まずは日本の全体的な経済レベルを引き上げ、社会保障などの充実を図る。
そして、国民が今よりも安心して暮らせる社会であるならば、家庭を持ち子どもを産み育てることにも希望が持てるのではないでしょうか。

生涯未婚率の高さは少子化につながる大きな問題として、今後も日本の最重要トピックとして掲げられることは間違いありません。

【参考】
「平成29年版高齢社会白書(全体版)(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/index.html)」内閣府
「人口動態調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html)」厚生労働省
「結婚・家族形成に関する意識調査」内閣府

(https://www.amazon.co.jp/gp/product/4062884313/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4062884313&linkCode=as2&tag=navipla-22&linkId=b588028c4aba824f97c42a16f193f0ee)
『日本の年表 人口減少日本でこれから起きること(https://amzn.to/2pjT0Vp)』(講談社現代新書)
河合 雅司 著
760円(税抜き)

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