サラリーマンの間で投資信託志向が強まっている。その背景は?
LIMO / 2019年11月10日 9時15分
サラリーマンの間で投資信託志向が強まっている。その背景は?
日本株から日本株投信へ
フィデリティ退職・投資教育研究所が2010年から継続して実施している「サラリーマン1万人アンケート」では、投資をしていると回答した人にその投資商品を聞いています(複数回答)。その結果から、投資対象商品の志向に変化が出ていることがわかります。
2010年と2019年を比較すると、比率を下げているのが、日本の株(73.7%➡66.1%)、外貨預金(19.3%➡13.3%)、外国為替証拠金取引(15.6%➡13.2%)、毎月分配型投資信託(16.5%➡12.2%)、日本の債券(12.7%➡11.4%)などです。
日本の株式を選ぶ比率は依然トップなのですが、7.6ポイント減っており、その代わりに日本株に投資する投資信託の比率が21.8%➡30.8%へと上昇しています。日本株を投資対象にしていることにあまり変わりはありませんが、その対象が現物株式から投資信託に変わってきていることが窺えます。
外国の株式に関しては、現物でも7.4%➡13.2%へと比率が高まっており、外国株式に投資する投資信託の増加(20.1%➡23.7%)と相まって、外国株式への投資の志向は強くなっているようです。代わりに海外関係の投資先として外貨預金や外国為替証拠金取引が減っている点を考えると、海外向けでは株式投資への志向が強まっていることがわかります。
一方、毎月分配型投資信託の比率は2013年まで上昇して、その後は減少傾向となっています。毎月分配型投資信託に対する厳しい見方が登場したことが背景にありそうですが、アンケート対象者が現役世代であることを考えると、分配金を受け取るよりも複利効果で資産形成を狙った投資を志向するべきです。これはちょっともったいない感じが残ります。
非課税制度の整備がその背景に
これまでこのコラムで2019年のサラリーマン1万人アンケートの結果を分析してきました。その中で一貫した流れとして、若年層を中心にして投資への理解が進み始めたこと、積立投資への志向が強まっていることなどが挙げられます。
その同じ流れが投資商品への志向にも表れているように思われます。すなわち、上記の通り投資信託を志向する傾向が強まっている点です。2014年に導入されたNISA(少額投資非課税制度)では、個別株も対象になっていましたが、投資信託の使い勝手の良さが目立ちました。
さらにその後のつみたてNISA、iDeCo(個人型確定拠出年金)では株式が投資対象から外れ、一段と投資信託に向かう流れを作りました(元本確保型商品なども含まれますが)。
こうした非課税制度が積立投資の制度として利用されるようになってきたことが、その背景といえそうです。
<<これまでの記事はこちらから(http://www.toushin-1.jp/search/author/%E9%87%8E%E5%B0%BB%20%E5%93%B2%E5%8F%B2)>>
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
株価急落時は“「S&P500」離れ”が目立つ? 「オルカン」が流出を抑えられた理由は? 8月投信概況
Finasee / 2024年9月19日 7時0分
-
なんでこんなことに…週5で図書館に入り浸る“倹約家”の65歳元サラリーマン、年金月17万円・退職金2,000万円でも「老後破産危機」に陥ったまさかの理由【CFPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月17日 11時15分
-
非正規雇用者の投資ニーズを掘り起こした新NISA、1万人調査が示す制度開始半年の利用実態
Finasee / 2024年9月11日 14時0分
-
フィデリティ・ビジネスパーソン1万人アンケート 2024年 - 新NISA利用者の4割弱が預貯金を財源に、確実に進む「貯蓄から投資」 | 新NISAは非正規雇用者も投資家に
PR TIMES / 2024年9月10日 18時15分
-
フィデリティ投信、元祖テンバガー・ファンド「フィデリティ・マゼラン・米国成長株ファンド」を設定
PR TIMES / 2024年9月6日 17時40分
ランキング
-
1ついに動いた!任天堂vs.パルワールド訴訟の焦点 ポケモンに酷似?協業するソニーの出方は
東洋経済オンライン / 2024年9月25日 8時0分
-
2テレワーク継続で「社員に優しくしたのに」不満がなくならない……企業が見落としているコト
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月25日 10時10分
-
3世代ですれ違う社会人用語 3位「鉛筆なめなめ」、2位「よしなに」、1位は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月25日 17時15分
-
4百貨店売上高3.9%増=コメ値上がりでスーパーも増―8月
時事通信 / 2024年9月25日 16時42分
-
5野村証券が国債取引で相場操縦の疑い、課徴金2176万円を科すよう金融庁に監視委勧告
読売新聞 / 2024年9月25日 20時2分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください