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成績にも悪影響!?塾講師が見た本音で話せない子供達がとる行動とは

LIMO / 2019年11月1日 7時15分

成績にも悪影響!?塾講師が見た本音で話せない子供達がとる行動とは

成績にも悪影響!?塾講師が見た本音で話せない子供達がとる行動とは

塾講師として子供といっしょに時間を過ごしたり保護者の方と話をしたりしていて、親子関係がうまくいっている家庭とそうでない家庭がわかるようになります。成績が伸び悩む子供は、親との意思疎通が不足している場合が多いです。

そして、その意思疎通がうまく取れていない家庭の子供は親に遠慮してか本音をなかなか打ち明けなくなっている気がするのです。怒られる・どうせわかってくれない、という不信感・不満があるからかもしれません。それらがたまってくるとストレスとなり不健康な行動になることもあります。もちろん、成績にも悪影響を与えます。

そこで今回は、本音で話せない子供達がどのような行動をとるかについて筆者自身の体験を交えながら検証していきます。

ウソや隠し事をする

まず本音で話せなくなるとウソをついたり隠し事をしたりするようになります。たとえば「宿題やったけどノートを家に置いてきた」「先生宿題どこやるか教えてくれなかった」など、するべきことをしなかったことに対して言い訳を作ってごまかすようになります。

以前このような男の子がいました。人の話がなかなか理解できず、何をするにも時間のかかる子でした。父親は怒ると怖かったようで、母親はよく「男の子は何を考えているかわからない」と言っており、その子とのコミュニケーションに苦労をしているように見えました。その子の姉がしっかりしていたからか、姉と比べていたのかもしれません。

宿題ができていないことが何度かあったので補講をしたことがありました。家でもしっかり勉強をしてほしいという願いを込めて補講をしたつもりだったのですが、親には「何かよくわからないけど先生に来いと言われた」と言って家を出たそうです。

このことを後日その母親との懇談の際に聞きました。想像するに、宿題をしていないから呼び出されたと正直に言えば怒られると思ったからそのような言い方をしたのではないかと。ちなみに、それ以来補講をするときには必ず保護者の方に連絡するようにしています。

このパターンの場合、子供が話す→怒られる→自信をなくす・怖くなる→本音で話せなくなる→本音が聞けないから親はまた怒る→ますます怖くなり本音で話せなくなる、の順序で子供が本音を打ち明けなくなったと思われます。親も、子供を疑いの目で見るようになってしまったのかもしれません。

ウソや隠し事はいずれわかりますが、わかったときにカッとなってそのウソや隠し事そのものを責めるのは効果ありません。そのようなことをする子供の心理には不満やストレスなどが残っている可能性が高いです。グッとこらえて子供の言葉にならない訴えを探る落着きを持つことではないでしょうか。

教科書・ノートを汚く扱う

また、子供が本音で話せず心が乱れているときの特徴に「落書き」があります。周りの環境を見ても、落書きの目立つ地域はどこか危なそうな雰囲気を出していませんか。

次のような男の子がいました。訳あって母親とは別居で父親のもとで暮らしていたのですが、父親の帰りがいつも遅かったためにいっしょに時間を過ごすことが少なかったようです。

またその父親は怒ると怖かったようで、その子は言うだけ言われて何も言い返せず目に涙をためていたとのこと。それでだんだん胸の内を明かすことがなくなってきたようです。

すると、その男の子の教科書やノートに落書きが目立つようになってきました。教科書の乱れは心の乱れ。今思い返してみても、たまったストレスを落書きで放っていたのかもしれません。落書きをするので当然授業は集中できず、成績も伸び悩みました。

さらに学童保育で働いている知人から聞いた話ですが、学童で学校の宿題を終わらせる児童の中に「やり直し」と言われても仕方ないくらい汚い字で宿題をする子がいたそうです。

「あれだけ汚く書いていたら親に絶対に注意される」とその知人は言っていました。推測するに親の気を引く、親にかまってほしいからわざと汚く書くのではないかとのことです。さびしい気持ちがあったのかもしれません。

おわりに

以上、本音で話せない子供達のとる行動についていくつか述べてきましたが、共通するのは親との言葉のキャッチボールができていないこと。親から一方的に話すことはあっても子供の言い分受けとめることはありません。少しでも子供の話を聞くだけで状況はよくなるのにと思うことは多いです。

勉強するにしても健やかに生活するにしても、おだやかな家庭環境は欠かせません。そして、心から話し合える環境を整えることは子供に安心感を与えます。うれしいことがあれば話し手も聞き手もうれしい気持ちを共有する、相談があればいっしょに考える、子供と会話をする時間そのものを大切にしていけばおたがい生活が充実するはずです。勉強だって進んでするようになるかもしれません。ほんの少し子供の話に耳を傾ける余裕を持って笑顔で会話を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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