「スタッドレスタイヤ」のちょっぴり特殊な豆知識4選
LIMO / 2019年11月2日 18時45分
「スタッドレスタイヤ」のちょっぴり特殊な豆知識4選
そろそろ冬がやってきます。
東北や北海道など、雪が降る地域で車を乗るとなると必須となってくるのがスタッドレスタイヤ。
降雪地域で生活をする人だけではなく、ウィンタースポーツをするために雪国へ行く人にとってもスタッドレスタイヤは必須のカーライフ商品ですよね。
スタッドレスタイヤは、雪道や凍結路といった非常に滑りやすい路面を走行するためには必須ともいえるカーライフ商品ですが、普通のタイヤと違い、やや特殊な一面を持っています。
今回は、スタッドレスタイヤに関するちょっぴり特殊な豆知識をご紹介していきます。
買ってすぐには本来の性能を発揮しない
こちらに関しては、スタッドレスタイヤもサマータイヤも共通している項目になります。
工場から出荷されて販売店に到着した新品のタイヤは、タイヤそのものの劣化を防ぐために接地面を含むすべての面にコーティングをしています。
コーティングされる理由は主に「タイヤの保護」と「艶出し」と言われています。
このコーティングに使われている成分は主に油分で、この油分を取りきらないとタイヤ本来の性能をフルに発揮することができません。
この油分を取りきるためには、急ハンドルや急ブレーキといった「急」のつく作業をなるべく行わずに「慣らし」ていくことが大切です。
タイヤメーカーのブリヂストン(https://www.bridgestone.co.jp/)によると、この「ならし走行」は「60km/h以下の速度で、最低200km以上走行する」必要があるといわれています。(※1)
サマータイヤと違い柔らかめに作られているタイヤですから、皮むきだけではなく人間自身もタイヤの特性に慣れる必要があります。
「プラットフォーム」は確認必須
スタッドレスタイヤはサマータイヤと同様に「タイヤとしての限界」を示す「残り溝」があります。
残り溝が1.6mm以下になると車検に通らなくなりますが、スタッドレスタイヤにはこれ以外にも「スタッドレスタイヤとしての寿命」を示すエリアが存在します。
スタッドレスタイヤは走行で摩耗した場合、残り溝が「50%以下」になるとスタッドレスタイヤとしての性能が低下します。この残量に到達すると積雪路や凍結路を走行した時に新品の状況よりも滑りやすくなってしまいます。
そのため、スタッドレスタイヤには限界地の1.6mmを示す「スリップサイン」以外に「プラットフォーム」と呼ばれる表示がされています。
このプラットフォームが完全に露出してしまった場合は、スタッドレスタイヤとしてまったく使い物にならない状態であるといえますから、即座に交換するようにしましょう。
ちなみにブリヂストンが雪国を除いた地域に在住し、クルマを月に1回以上かつ雪道を年1回以上運転する男女1,000人に対して行った調査(※2)によると、回答した人の約8割がプラットフォームの存在すら知らないという結果になったとのことです。
劣化すると性能が低下する
タイヤはゴム製品です。
ゴムは太陽光の熱や紫外線を浴びることで劣化していきます。劣化の症状の代表例として挙げられるのが「ゴムの硬化」です。
スタッドレスタイヤにおける最大の天敵ともいえるのがこの硬化で、ゴムが硬化すると降雪路や凍結路でのグリップ性能(タイヤが路面に食いつこうとする性能)が低下します。
一般的にスタッドレスタイヤは3~4シーズンが経過するとゴムが硬くなって使えなくなる、と言われていますが、タイヤの使用状況や保管状況によってタイヤの寿命が変わってきます。
素人がタイヤを触ったところでどれくらい劣化しているか、というのはわからないかと思いますので、タイヤ専門店へ行き、専用のゴム硬度計で劣化具合を調べてもらうことをおすすめします。
空気圧は低めの方がいい
最後に気になる空気圧について説明します。
基本的にはメーカー指定の空気圧でOKですが、最近は燃費を稼ぐためにメーカー指定の空気圧も比較的高めに設定されていることが多くなってきています。
空気圧を高くするとタイヤそのものの接地面積が少なくなります。スタッドレスタイヤにおいて接地面積が少ないということは、滑るリスクが増すということになりますから、多少燃費を犠牲にしても指定よりもやや低い空気圧にしてあげるのも良策といえます。
まとめ
タイヤは車を構成する部品の中で唯一地面と接する部品です。
命を乗せて走行している以上、気にかけてあげなければならない部分ですので、しっかりとした知識をつけて適切に管理していくことが大切です。
【参考】
※1「タイヤを上手に使っていただくために(乗用車用タイヤ)(https://tire.bridgestone.co.jp/about/maintenance/useful/passenger/index.html)」ブリヂストン
※2「スタッドレスタイヤの「プラットホーム」って何?(https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2012010602.html)」ブリヂストン
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