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経営者が夢にチャレンジできる基盤となる「ストックビジネス」とは?

LIMO / 2019年11月13日 21時15分

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経営者が夢にチャレンジできる基盤となる「ストックビジネス」とは?

成長し続けるビジネスの仕組みである「ストックビジネス」についてお伝えしていく本シリーズ。今回は、実直で不器用なサラリーマンがあるきっかけでストックビジネスへの切符を手にし、今では子育てに悩むお母さんに安心を与えている、そんな大きな夢を手に入れようとしているエピソードを紹介します。

成果が上がらず悩むときに見極めるべきこと

おもちゃがストックビジネスになるなんて想像できますか? おもちゃのレンタルなのかなと考えると思うのですが、おもちゃそのものではなく、おもちゃを使った教育をストックビジネスにするという話なのです。商品そのものではなく、何かを活かして提供する価値をストックビジネス化するヒントになるでしょう。

さて、今回の主人公である一般社団法人日本知育玩具協会の代表理事、藤田篤(ふじたあつし)さんとは、3年前、私が審査員を務める協会ビジネス推進機構の「協会アワード」という優秀な団体を選出するコンテストで出会いました。

協会ビジネスというのは、協会ビジネス推進機構が提唱するビジネスの作り方で、いわば講師業の方や教育的な仕事の方が事業を組織化して大きくしていく仕組みであり、教育事業のフランチャイズの一種と言えるかもしれません。

藤田さんが大学で学んだ発達心理学をベースに、持ち前の探求心で創りあげてきた事業は、多くの協会ビジネスの中でも異色な存在と感じさせる部分がありました。他の団体に比べて成長スピードは遅いかもしれないが、やみくもに拡大を追うよりも提供するサービスの価値を一つ一つ検証してエビデンスを積み上げるやり方は、将来大きなストックビジネスになるに違いないと見えたのです。

会社経営をしていると、目の前の仕事に汗してもすぐに成果が上がらない時もあります。「この時間は無駄なのか…」と悩む時が誰にもあると思います。でもそこにストックビジネスの要素があり、そしてそれがストックビジネスの「強味の蓄積」ならば、必ず時が来てストックビジネスは急拡大します。

しかし、それがはたして本当にストックビジネスの「強みの蓄積」なのか、それに気づいていないと途中で投げ出すことになってしまいます。今あなたがやっている、その行動は強味の蓄積なのか…。藤田さんへのインタビューから、気づきにつながるポイントをお伝えします。

以下は、ストック総研「実践企業」インタビューからの抜粋です。

絵本販売から玩具専門店へ、そして幼児教育へ

藤田 篤氏(一般社団法人日本知育玩具協会 代表理事)


藤田:サラリーマンの安定を捨てて縁もゆかりもない愛知県に妻と一緒に移住して、幼稚園・保育園向けの絵本販売の営業職に就きました。バブル景気のなか週休2日が当たり前の職場から、休みは日曜日だけで1日に十数件の保育園と幼稚園を訪問する生活になったのです。

大竹:それが転機となったんですね。

藤田:実は、同じ地域の幼稚園・保育園でも、毎回「待ってました!」といわんばかりに購入くださる園と「絵本は必要ありません」というところがあることに気づきました。

大竹:同じ地域ですから大きな所得格差も文化的な違いもない?

藤田:そうなんです、私立園でもなく特別に選抜したわけでもなく、同じ公立園なのに差があることに大きな疑問が生まれました。そして、実際に園内の様子を見せてもらうと、絵本を必要としないというか読み聞かせができるような状態ではありませんでした。

大竹:どんな状態だったのですか?

藤田:楽しそうではあるんですが、叫んだり、机に乗ったり…(笑) ただ、どの園の先生方も「本をじっくり読み聞かせたい」という思いは共通していました。

大竹:当然、園側も好きで園児を騒がしいままにしているわけではないですよね?

藤田:はい、そこで絵本作家や出版社の方や、上手くいっている園の園長さんなどの話を聞く機会を手弁当でつくりました。

大竹:変化は起きましたか?

藤田:起きました。でも、さらなる疑問が出てきました。面白いことに同じ園内でも、上手くいったクラスの隣でさえも結果が出ない…ということが起きたんです。

大竹:違いはなんだったんですか?

藤田:実は、読み聞かせの弊害というか「早く字を読めるように!」ということを強いてしまうことが関係しているようでした。5歳の時点で絵本が嫌いな子は存在しませんが、早い時期に読むことを強いてしまうと本嫌いになっちゃうんです。

大竹:そうなんですか!?

藤田:子どもではなく、大人の考え方や姿勢がいけなかったんですね。大人になっても、免許取りたてのドライバーに対して、いきなり高速道路での遠出を強いれば運転嫌いになるのと同じことで、ましてや子どもですから……。あとは、私自身が子育て期間中だったこともあり、我が子でも試してみながらノウハウとして蓄積しました。

大竹:ご自分のお子さんでも検証されたんですね(笑)

このように疑問に真摯に向き合ってしまう、どちらかといえば商売人とは程遠い藤田さんは、これを皮切りに子育てに悩むお母さんからいろいろな相談を受けるようになります。

そして、「絵本のことは教えてくれるのに、どうして玩具のことは教えてくれないの?」と質問されたことがきっかけで、「木の玩具専門店」まで開店してしまいます。当然、そんなに儲かるわけではありません。しかし、そんな藤田さんの真摯な取り組みはノウハウの蓄積を通じて、木の玩具を使った幼児教育にまでたどり着きます。

その後『子育てを感動にする玩具と絵本』(出版社: ゆいぽおと)を出版して、同時に母親向けの「子育てカレッジ」という活動を始めた藤田さん。今では、一般社団法人日本知育玩具協会を設立して、日本全国の子育てに悩むお母さんに価値を届けています。

経営の不安が減り、夢の実現に邁進できるように

藤田さんの協会の特徴をよく表しているのは、次のコメントです。

「お金がゴールだとひずみが生まれます。学びたい人に真理を教えることがお金に勝る価値になります。理念と収益のバランスが上手くいっていないと歪(ひずみ)が生まれてしまいます。

会員が学び続けられる仕組みとして『収益が欲しい方は得られる』『真理を知りたい方は学べる』『体得すれば実践で効果を出せて喜んでもらえるやりがい』ということ、そして、そのようなことを『語り合える数少ない仲間との対話をする環境』もまた最も大事だと考えているんですが、『人間としての成長』を協会設立当初から盛り込めたことが、これまでの順調に運営できた背景にあると思います」

今、藤田さんは「カルテット幼児教室」という制度を立ち上げて順調に拡大しつつあり、全国すべての市町村まで、お母さんが生き生きと活躍するこの仕組みを届けようとしてます。

私はこう思います。藤田さんは決して器用なタイプではないと思いますが、真摯に課題と向き合い、あせらずにしっかりとエビデンスを作っています。それが木の玩具を使うと子供の興味が自然と湧いて、楽しい子育てと幼児教育が両立することの再現性をより高めていくのです。

教室という仕組みは、教えるという価値にストック性を持たせる道具です。木の玩具を使った幼児教育も教室があればこそストック性が高まり、その将来性は何倍にもなります。

今時ですから、オンラインでやればいいなどの意見もあるでしょうが、ストックビジネスの特徴として効率的なことだけではいけないということがあります。大事なのはお客様の受け取る価値の連続性。それがあって初めてお客様に継続が生まれます。

「社会に役に立つ価値=長期的に必要とされる理由」、それが教室を通じて子育てで悩むお母さんにわかりやすく伝わる。そして、そこがわかったときに、木の玩具を使う幼児教育の効果がより高まるように強味の蓄積を行うことが重要なのです。

今、藤田さんは大きな夢の実現に動き出しました。協会ビジネスで提供価値を確実なものにして教室の仕組みを活かしながらストックビジネスを構築しています。現在は経営も安定し、お客様へ価値を提供すればするほど強味が増していく。経営の不安はますます減っていき、安心して夢の実現に邁進できます。ストックがあるからこそ夢を追いかけられるのです。

私は、経営者の不安を減らし、夢を見られる社会をつくるためにストックビジネス構築のポイントを伝え続けたいと考えています。本稿があなたの事業にお役に立てれば幸いです。

この「実践企業インタビュー」レポートは毎月、ストックビジネスアカデミー(http://otaketakahiro.com/jissen)のSBA会員限定でお送りしています。ストックビジネスアカデミーでは全国の経営者が学んでいます。

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