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1日10時間も歩いていた!?昔の日本人から学ぶ疲れないカラダの使い方

LIMO / 2019年11月8日 7時45分

1日10時間も歩いていた!?昔の日本人から学ぶ疲れないカラダの使い方

1日10時間も歩いていた!?昔の日本人から学ぶ疲れないカラダの使い方

今年ドラマにもなり話題となった、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』。登場人物の弥次郎兵衛と喜多八は、日本橋〜四日市の約390km道のりを12日で歩きました。時速4kmで歩いたとすれば、長い日で1日約10時間も歩き続けたことに!

聞いただけで疲れてしまいそうですが、大正15年創業の治療院の4代目であり、発売からわずか半月で重版になった『調子いい!がずっとつづくカラダの使い方』の著者である仲野孝明先生によれば、その秘訣は「カラダの使い方」にあったと言います。

自分のカラダ、正しく使えていますか?

弥次さん喜多さんが歩いた日本橋〜四日市は約390km。本来の東海道である日本橋〜三条大橋は約492kmです。弥次喜多も健脚ですが、江戸時代の飛脚は東海道を3日で走り抜けたそう。当時の道はいまよりもずっと整備されていませんでしたから、昔の人びとの体力はなかなかすごいものですよね。

でも、もし私が東海道を踏破するなら、おそらく1週間あれば行けます。箱根まではランニングとウォーキングで1日。私だからできる、というわけではありません。とくに運動をしてこなかった人も、体力に自信のない人も、「あること」に気をつけることで無理なく踏破できるようになります。42.195kmのフルマラソンだって、3ヶ月練習すれば完走できるようになるんです。

「あること」とは、自分のカラダを正しく使うこと。「そんなのできてるし!」と思われるかもしれませんが、治療院『仲野整體(せいたい)』の4代目として18万人以上の治療をさせていただいた経験から断言すると、立つ・座る・歩くという基本動作を正しくできている方はほとんどいないのが現状です。もしあなたが疲れやすかったり、いつもなんとなく調子が悪かったりするなら、それは知らず知らずのうちにカラダに負担をかけてしまった結果かもしれません。

では、自分のカラダを正しく使うとはどういうことなのか。歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』にヒントが隠れているので、絵を見ながら解説していきます。

昔の日本人は、カラダを自然に正しく使えていた

『東海道五十三次』に描かれている時代の日本人と私たち現代人とのいちばんの違いは、背骨〜骨盤の位置と股関節の使い方だと思います。通常、人間の背骨は立つと緩やかにS字カーブを描きますが、間違った姿勢を続けたせいでカーブが崩れている人が現代にはたくさんいます。また、骨盤と脚をつなぐ股関節は、立つ・座る・歩くなどの動作をするのに欠かせない部位。ところが、現代人は股関節をうまく動かせておらず、可動域が狭くなってしまっています。

着物に帯を締めていた昔の人は、常に背筋がすっと伸び、お腹まわりに程よい力が入ったままさまざまな動作を行なっていました。ものを持ち上げるときや屈むときも背中から曲げるのではなく、股関節から曲げることが自然とできていました。

重いものを持つ際は、この絵の男性のように、胸と背中の高い位置で前後に荷物を抱えるような格好。バッグはカラダから離れるほど疲れやすく、また左右のバランスが崩れてもいけないので、理にかなった持ち方といえます。

猫背も現代人に多い姿勢。背中が丸まって肩が前に入ってしまい、カラダの重心が中心からずれている状態です。猫背のまま椅子に座ると、坐骨が倒れて腰への負担が増えてしまいます。

試しに正座をしてみてください。坐骨が自然に立ち、背筋がすっと伸びませんか? この感覚を意識しながら生活をすると、正しい姿勢をキープできます。

また、絵の中の人びとの足もとに注目すると、みなさん「わらじ」を履いていますね。実はこれも疲れにくいポイント。人間の足は本来、裸足で歩くのに適したつくりになっています。わらじであれば、足の指1本1本を自由に動かしながら地面の上を踏ん張ることで、裸足に近い感覚で正しく歩いたり走ったりできるのです。私は趣味のトレイルランの練習で、わらじのような形をした自作のサンダルを使っていますが、自然と正しい走り方ができて捻挫もしにくいので重宝しています。

もちろん、土とアスファルトでは事情が変わります。現代なら足先の幅が広いフラットなスニーカーや、つま先が出るサンダル(かかとをホールドするタイプならなおよし)がおすすめ。足の指をしっかり動かせば、疲れにくくなることはもちろん、絵に描かれた人びとのような筋肉のある引き締まった脚を目指すこともできます。

間違ったカラダの使い方をすると、なぜ不調になるの?

やる気が出ない、疲れやすい、肩こりや腰痛がひどい、胃腸の調子が悪い…。カラダを正しく使えていないと、なぜこれらの不調が起こるのでしょうか。

それは、背骨の中に脳からつながる神経の束が通っているから。間違ったカラダの使い方で背骨に負担がかかると、神経が圧迫されてカラダに信号がきちんと伝わりません。背骨の中の神経は、胃・腸・心臓・肺・肝臓・目などさまざまな部位とつながっているため、その影響が不調となって現れてしまうのです。

当院では24個の背骨を一つひとつ見ていくのですが、うまく動いていない部分は、たいてい事前にお伺いした症状と合致します。その部分がうまく動くようなカラダの使い方に変えない限り、症状はなかなかよくなりません。

私たち日本人は、着物から洋服、座敷から椅子へと生活様式が変わり、カラダへの負担も増えてしまいました。もとから西洋文化だった国では、幼い頃から椅子の座り方を教えられたり、テーブルが正しい姿勢を維持できる高さになっていたりするので、生活に合った正しいカラダの使い方を自然に習得してきたのでしょう。現代の日本人が昔の人のようなカラダの使い方をすれば、医療の進歩と相まってとても長生きできると思います。

運動は、カラダにも脳にもいい

私が走ることを始めたのは2012年。ある人から「カラダの使い方次第で人生が変わることを自分でも体現してみたら?」と言われ、国内のフルマラソンに参加したのが始まりでした。それからトライアスロンやトレイルラン、砂漠でのマラソンなどに挑戦するようになり、最近では登り6000m以上のヨーロッパアルプス最高峰モンブランを取り巻く100kmコースを26時間で完走しました。

特別体力があるわけでも、運動神経がずば抜けているわけでもありません。正しい走り方や歩き方、立ち方を意識すれば、誰もが実現できうること。以前来院された55歳の方は、これまで運動をしてこなかったにもかかわらず1ヶ月で30分間走り続けられるようになりました。

人間のカラダは本来、運動するようにできています。正しい使い方で負担をかけずに運動すれば、睡眠は深くなり、日中の調子もよくなり、栄養を吸収しやすくなり…といいサイクルがまわり出します。

おすすめの運動は、やっぱり走ること。人間の脳は、手の指先から足の裏まで全身の感覚をスキャンできるほどの性能を持っていますが、それを最大限に使うのが「走る」行為。走ることでカラダだけでなく脳も活性化させることができるのです。初めての人は、30分歩いて1分だけ走る、次に30分歩いて2分だけ走る…など、自分の運動レベルに合わせて徐々にステップアップしていくのがベスト。運動能力は使われず眠っているだけですから、次第に覚醒してくるはずです。

『調子いい! がずっとつづく カラダの使い方(https://www.amazon.co.jp/dp/480140068X/)』 (Sanctuary books)

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