「離婚」や「卒婚」を考えているなら。まず知っておきたいお金のこと
LIMO / 2019年11月7日 10時45分
「離婚」や「卒婚」を考えているなら。まず知っておきたいお金のこと
「夫婦仲が悪くてストレスばかりがたまる」「配偶者と一緒の時間が苦痛だ」。このような状態が続いていれば、自然と「離婚」という選択肢が思い浮かぶのではないでしょうか。
とくに、配偶者の浮気が発覚したという場合は、冷静ではいられないかもしれません。「一刻も早く離婚届を出したい」と考える人もいるでしょう。
とはいえ、離婚したあとの生活にもお金がかかります。離婚して幸せをつかむ人も少なくありませんが、若いシングルマザーや熟年離婚をした高齢者が貧困に陥りやすいことも広く知られています。
「離婚したい!」と思ったら、一度冷静になってお金のことについて真剣に考えてみましょう。
離婚とお金の問題
離婚が決まったら、通常配偶者と財産分与について話し合うことになります。財産分与とは、「夫婦が婚姻期間中に築いた共有財産を分割できる(https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/306119.html)」という民法上の権利です。離婚の原因を作った側からでも請求できるのが特徴といえるでしょう。配偶者が不倫をした場合は慰謝料、子どもがいる場合なら養育費の問題も出てきます。
財産分与や養育費、慰謝料の支払いなどについて夫婦で話し合った内容は、必ず協議離婚書にまとめておきましょう。 書類があれば後々にトラブルになったときにも、自分の身を守りやすくなります。
2019年5月10日に「改正民事執行法(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00247.html)」が国会で可決成立したことで、今後は養育費を適切に支払わない人の財産を差し押さえやすくなると期待されています。
離婚の原因は「性格の不一致」とお金?
離婚を選んだ人のなかには、「こんなに苦労するとは思わなかった」「もう少しじっくりと話をしておけばよかった」と後悔する人もいます。不本意な結果になるのを避けるためにも、離婚に至りやすい原因を知っておきましょう。
はじめに「裁判所の司法統計(平成30年度 婚姻関係事件数)(http://www.courts.go.jp/app/sihotokei_jp/list?page=2&filter%5Btype%5D=1&filter%5ByYear%5D=2018&filter%5ByCategory%5D=3%20http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/705/010705.pdf)」をみていきます。裁判所が関与した離婚のうち、最も多かった離婚の動機は男女とも「性格の不一致」でした。これには、金銭感覚の違いも含まれていると考えられます。
夫からの申し立てでは「性格の不一致」が圧倒的に多くなっていますが、妻からの申し立てでは「生活費を渡さない」という動機も非常に多く、第2位にランクインしています。
つぎに、明治安田生活福祉研究所が実施した「2018年人生100年時代の結婚に関する意識と実態(http://www.myilw.co.jp/research/report/pdf/myilw_report_2018_04.pdf)」の結果をご紹介します。
40~64歳の男女1万2000人に結婚生活に対する不満な点や離婚の理由をたずねたところ、「性格・価値観の不一致」が男性の5~6割、女性の4~5割を占めてトップになりました。第2位は「金銭的な問題」で、男性の2割、女性の2~4割がこれを選びました。
離婚を避けたいなら、配偶者の「お金の不平や不満」を放置しないことが重要なのかもしれませんね。
卒婚ってどんなもの?
定年をきっかけに卒婚を選ぶ熟年夫婦も増えています。卒婚とは、「離婚はしないが必要以上に配偶者に干渉しない」「自分のライフスタイルを自由に楽しむ」という夫婦のあり方です。相続権はそのままなので子どもや親戚などに迷惑をかける心配がなく、同居・別居を問わないため離婚ほど「おおごと」になりにくいのがメリットといえるでしょう。
先にみた明治安田生活福祉研究所の調査によると、60代前半の男性の61.4%、女性の78.7%が卒婚を「良い」「どちらかと言えば良い」と感じていることが分かりました。
卒婚の生活費
卒婚は、「身の回りの世話をしてもらうこと」や「生活費をもらうこと」を当たり前だと思わない、自立した夫婦のスタイルを理想としています。それぞれに収入がある夫婦なら、卒婚はスムーズに進むでしょう。
一方、収入がない専業主婦などが卒婚を希望する場合は、生活費の問題を解決しなくてはなりません。配偶者にお金を出してもらうか、離婚をするときのようにあらかじめ財産分与をするのが一般的ではないでしょうか。
「家事はしないが生活費は出してほしい」という条件では卒婚に同意してもらえるとは限らないので、あらかじめ「貯蓄をする」「仕事を見つける」などの準備をしておくと良いでしょう。
また、法的には婚姻関係が継続されるので、不倫をすると裁判沙汰になる可能性もあります。 卒婚で失敗したくないなら、「どこまでの自由が認められるのか」「生活費はどうするのか」などの問題について、しっかり夫婦で話し合って文書を作っておくことをおすすめします。
冷静になる時間を作ろう
夫婦関係がうまくいかず、「離婚するしかない」と思ったとしても、まずは冷静になることが大切です。日数を置くことで、「離婚するほどの問題でもなかったな」と思えることもあるでしょう。感情に任せて離婚届を出してしまうと、貧困に陥るリスクも高まります。
別居や卒婚を利用するなどして、お互いに少し距離を置いてみるのも良い方法です。「離れてみてはじめて、相手の良さを再認識できた」という人も決して少なくありません。
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