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奨学金の完済は30歳までに! 月の平均返済額はどのくらい?

LIMO / 2019年11月10日 20時15分

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奨学金の完済は30歳までに! 月の平均返済額はどのくらい?

普段、新規住宅購入や貯蓄計画のご相談を受ける際に、現在返済中の奨学金をどうしたら良いかと相談されるケースが多くあります。奨学金返済による生活設計への影響は無視できません。これから奨学金を検討する方、返済をスタートする方には、30歳までの返済完了を推奨しています。

今回は、奨学金の概要と押さえるべきポイントについて整理していきたいと思います。

奨学金の概要

日本学生支援機構の「平成28年度学生生活調査」によると、大学(昼間部)における奨学金の受給状況について、利用している学生の割合が48.9%となり、約半数の学生が奨学金を活用しているそうです。

奨学金は、経済的な理由や家庭の事情などにより進学が難しい方向けに、学費の付与や貸与を行う制度です。奨学金を活用することで、多くの学生が高校や大学などに進学することが可能になるため、大変ありがたい制度と言えます。

一方で、貸与型の奨学金制度については、あくまで学費を借りる制度ですので、返済をしていく必要があり、社会人になってから、この奨学金の返済がじわじわと家計の負担になり、苦しむケースも多くあります。

奨学金の種類

奨学金には、卒業後に返済が必要な「貸与型」と返済の必要がない「給付型」があります。

返済の有無や、支給金額、要件などは団体によって異なります。給付型の場合は返済の必要が無いため、世帯収入要件や学業優秀など、貸与型と比較すると要件が厳しくなっています。

奨学金制度で代表的なのは、日本学生支援機構(JASSO)の第一種奨学金(無利息)と第二種奨学金(利息有)で、どちらも返還の必要があり、奨学金制度の中では最も利用者が多いものです。

JASSOでは、2020年4月から新しい修学支援制度がスタートします。経済的な理由で学び続けることをあきらめないように、より多くの人が支援を受けられるようにと、これまでの制度より要件が緩和され、給付型奨学金の支援額が増えます。

これまで貸与型奨学金を利用していた学生が給付型を受けることができ、既に給付型を利用している学生も、新しい支援制度に切り替えることで、より充実した内容となります。既存の利用者も、これから奨学金を検討している方も要チェックです。

参考:日本学生支援機構ウェブサイト(https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/index.html)

JASSOの奨学金以外にも、大学独自の奨学金制度や、地方自治体で準備している奨学金制度などがあります。

大学独自の制度の場合、主に私立大学で設けられています。入試で優秀な成績を収めた学生を対象とした特待生制度などもあり、授業料の一部もしくは全額が免除になることもあります。地方自治体の奨学金制度は、保護者がその自治体の住民であることが条件で、貸与型が一般的です。

奨学金の注意点

労働者中央福祉協議会におけるアンケート調査によると、奨学金の借入総額の平均は324.3万円、月の返済額の平均が16,880円となっており、奨学金返済の負担感で「苦しい」と回答した人が4割近くにものぼっています。

奨学金を抱えていることによる、ライフプラン上の注意点は大きく2つあります。

一つ目は、新規の住宅ローン借り入れに影響するということです。奨学金は、基本的には他の借入等と同じ扱いなので、住宅ローンを借入れする際の審査に影響します。

住宅ローンの審査では、年収に対しての返済比率が一つの要件となっていますが、奨学金や自動車ローンもこの返済比率の計算に含まれるため、奨学金を抱えていることで希望する金額の住宅ローンを組めないというケースも出てきてしまいます。その場合、頭金を増やすか、それができなければ希望する物件価格を下げなくてはいけなくなります。

また、奨学金の返済を延滞してしまうと、住宅ローンの審査が通らなくなってしまうのが注意が必要です。

注意点の二つ目が、当たり前ではありますが、貯蓄のスピードが遅くなるということです。奨学金の返済期間の平均は14.7年となっており、大学を卒業してから返済スタートすると、30代後半まで返済が続くということになります。

結婚をして、子どもがいる世帯では、教育費の準備は住宅購入を検討する時期と重なり、月々の返済の負担感がより大きく感じます。もちろん返済中の期間は利息もかかりますので、できれば繰上げ返済や一括返済しておきたいところです。

効果的な返済計画

返済計画を立てる際は、日本学生支援機構が運営する「スカラネット・パーソナル」を活用しましょう。日本学生支援機構の奨学金の利用者のみが利用可能ですが、以下の内容を確認することができます。

・返済総額(元金)
・返済残回数
・返済残額(元金)
・現在の請求額
・保証情報等

このシステムを利用して、全額もしくは一部繰上げ返済の手続きも行うことができます。

参考:スカラネット・パーソナル(https://scholar-ps.sas.jasso.go.jp/mypage/)(日本学生支援機構)

目標は30歳までの完済

奨学金返済の目標としたいのは、30歳までの完済です。前述した通り、住宅の購入や将来の貯蓄計画への影響も大きいので、まずは奨学金の返済を優先的にすることをおススメします。

そのためには、社会人になるのと同時に返済計画を立てることが重要です。単純に、毎月の返済額だけを支払い続けるのではなく、経済的な負担感が少ない20代のうちに頑張って返済を済ませ、その後の生活設計に備えましょう。

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