育休からやっと復帰「マタハラの報告書から見える」ワーママに待ち受ける困難
LIMO / 2019年11月13日 11時15分
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育休からやっと復帰「マタハラの報告書から見える」ワーママに待ち受ける困難
近年では男性の育児休業取得者の話をウワサで聞くこともありますが、まだまだ少数派です。そして働く女性の育休も、取得までの過程は平たんではありません。
厚生労働省の育児休業取得者に関するデータ「(http://https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-30r/03.pdf)平成30年度雇用均等基本調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-30r/03.pdf)」(http://https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-30r/03.pdf)によると、確かに女性の82.2%(前回83.2%)が育休を取得できていますが、男性は6.16%(前回5.14%)ほど。
産休・育休は依然として女性だけが背負う傾向にあり、また様々な理由から「マタニティハラスメント(マタハラ)」を受けるケースもなくならないのです。
マタハラ経験談から見えてくる「育休取得」という困難
職場で妊娠の報告をしたら遠回しに退職を促された…産休育休にまつわるトラブルは皆さんもよく耳にすることがあると思います。「育休って、周りの同僚に迷惑かかるよね」「おめでたいけど、いつまで仕事続けるの?」などという言葉をはじめ、無理な勤務条件を突きつけられたり、退職せざるを得ない状況に追い込まれたり。
妊活・妊娠・育児の情報サイト「赤ちゃんの部屋」による調査では、「経産婦の3人に1人がマタハラにあったことがある」との結果を報告しています。ただでさえ体調の維持が難しい時期、周囲との軋轢に直面してしまう。これが働く女性の現実なのでしょうか。
育休からやっと復帰!でもワーママに待ち受ける困難
育休を取得して保育園も決まった、職場に復帰できた。そういう再出発を果たしたばかりのワーママさんにも、大きな困難が待ち受けています。2歳の女の子のママ・Aさんの体験談を見てみましょう。
「産休が明けて職場復帰したけれど、保育園に入園したばかりの娘が次々病気をもらってしまいます。発熱すると園から急な呼び出しが入るし、夫が対応するのは無理。身内も近くにいないため、だれにも頼れません。なかなか出勤できず、たまたま久しぶりに出社した日が、間の悪いことに給料日でした。上司にイヤミも言われ、本当のことで仕方のないのですが、悔しさでいっぱいです」
職場の受け止め方も、子育て中の社員の多さによって左右される部分もあるかもしれません。しかしこのような空気の中で子育てと仕事を両立するする苦労は並大抵ではないでしょう。
次の妊娠をためらってしまう
また、これまでの職場の反応により、次の妊娠を難しいと感じているケースもあります。育休復帰後のBさんは、第2子が欲しくても実現できそうにないと話してくれました。「年齢的なこともあり、本当は二人目もすぐ欲しいのですが、育休から復帰したばかり。運よく仕事の第一線に戻ることができました。でも次の育休、取れるかどうか」と語ります。
職場でのこれまでの育休トラブルを見てきた経緯もあり、本当は次の子を希望しているのに…あきらめの気持ちになってしまうようです。もし育休経験者の多い職場であれば、二人目、三人目と休みも取りやすいかもしれませんが、これも職場により大きく異なります。
マタハラを主張する同僚に困惑「仕事のしわ寄せ」問題
結婚や妊娠の報告をきっかけとして経験したマタハラ。「そんな会社辞めて正解」という意見もありますが、一方で「上司の気持ちも分かる」「同僚の気持ちも考えてあげなくては」という意見もあります。育休の社員を支える人員を、すぐに確保できる会社ばかりではないからです。業務を配分していても誰かにしわ寄せが行ってしまう、不満が溜まってしまうという状況も起こりやすくなります。
気を付けたい権利の主張と日頃からの相互協力
職場の理解がなかなか得られないと嘆きたくなる女性もいるでしょう。しかし一方で、「育休は権利」「周囲はサポートしてほしい」という態度の女性もいるようです。そのような主義主張の強い「モンスター系」の育休取得者がいると、困惑した同僚はそれ以降、批判的になってしまいます。
例えば年次有給休暇について。本来、労働者であれば希望の日程での取得が認められているはずですが、どのくらいの人が実現できているでしょうか。そういう環境で産休・育休という存在を考えてみると「長期間の人員不足は仕事の負担が大きい」「急に早退したり、休んだりが発生するはず」「特定の人に業務のしわ寄せがくる」という心理が働くこともあるでしょう。
そのため職場では、平常から周囲との相互協力が重要です。「今回は支えてもらう。別の機会には自分がフォロー側に回る」という気持ちで信頼を積み重ねていくことが大切になるでしょう。
さいごに
マタハラなど職場で理不尽な扱いを受けてしまうと、心が折れそうになります。企業としても本来であれば柔軟性のある人材管理を進めるべきなのでしょう。ただ、現在の日本経済の状況では企業努力にも限界があり、ハラスメントの防止対策が叫ばれても、すぐに改善していくとは限りません。
今、苦しい立場にあり狭い選択肢の中を進んでいるかもしれませんが、育休取得者はその選択に自信をもってください。職場復帰するには保育園の問題もクリアして、家事も育児も同時並行で、並大抵の努力では成し得ないと思います。しかし産休・育休を取得できる働き方や時短勤務を選択できる環境は、立ち止まって考えてみるとある意味、恵まれているといえるのかもしれません。
ソニー生命による「女性の活躍に関する意識調査2019(https://www.sonylife.co.jp/company/news/2019/nr_190424.html#sec9)」によると、専業主婦の74.0%が「老後の生活が心配」、約7割(69.1%)が「子育て後の再就職は厳しい」と実感しているのです。育休を取得して働き続けるという努力と能力を、社会の中で発揮していってほしいと思います。
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