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子育ては「新しい自分」を発見すること〜親子でアクティビティを楽しむニュージーランド

LIMO / 2019年11月19日 10時45分

子育ては「新しい自分」を発見すること〜親子でアクティビティを楽しむニュージーランド

子育ては「新しい自分」を発見すること〜親子でアクティビティを楽しむニュージーランド

子どもが生まれると、生活はどうしても子どもが中心になります。それでも子どもと暮らしているからこそ、親として一緒に楽しめることがあることを忘れてはいけないでしょう。子どもがいなければ経験できないこともたくさんありますし、今までと違った自分、今まで忘れていた自分を発見できるいい機会にもなるのです。

自然が親を子ども時代にいざなう

ニュージーランドでは、町なかであっても、大小さまざまな公園があります。公園内の緑に囲まれた静かな小道は、ベビーカーを押しての散歩にぴったりです。海岸線に近い町であれば、海沿いの遊歩道やビーチもしかり。紫外線対策をして、赤ちゃんをスリングに入れ、お出かけします。

筆者は、出産が夏だったせいもあり、退院後すぐに生まれたての娘を連れて、公園やビーチを散歩しました。これはニュージーランドでは珍しいことではありません。多くの親が新生児と一緒に、外の空気を吸いに、人が少ない公園や海岸をのんびり散歩します。

頭上で鳥が鳴いていたり、波が打ち寄せていたり、赤ちゃんと一緒に、自然の音に耳を傾けます。まだ目があまり見えないので、きれいな花が咲いていれば「赤い花がきれいだね」、遠くに船が見えれば「あのお船はどこまで行くのかな?」などと話しかけます。歌を歌って聞かせることもあります。

子どもが少し大きくなると、森で草笛を吹いたり、ササ舟を作って小川に流したり、お花の香りをかいでみたり。ビーチでは貝殻を拾ったり、砂遊びをしたり、波と追いかけっこをしたり。親も一緒に自然と交わりながら、遊びます。

自然は今も昔も変わりません。自然相手に子どもの遊びをしていると、ふと自分の子ども時代に戻るものです。匂い、音、情景、周りにいた人……。「この子も将来親になった時、同じように子ども時代を思い出してくれるかしら」。そんな思いもわいてきます。

エンジョイしているのは、実は親?

公園やビーチで、親子だけで遊ぶだけでなく、ニュージーランドでは子どものためのアクティビティがいろいろ催されています。「子ども向け」とはいえ、親も結構楽しく過ごせるものです。時には親の方がエンジョイしているなんてこともあります。

たとえば、「メインリー・ミュージック」と呼ばれるお遊戯と歌の会。『Incy Wincy Spider』などの、昔からある童謡と、最近作られた幼児用のお遊戯の両方を、親も子も歌って踊ります。

最初は恥ずかしがっていた親も、しばらくするうちに慣れ、ノリノリで踊ります。筆者もその口でした。もともとシャイなタイプな自分が周りを気にすることなく踊れるなんて、やればできるものだなぁと自らの違った一面を発見できました。

子どもたちは一緒に楽しんでいる母親や父親の姿を見て、とてもうれしそう。いつも大はしゃぎで、会は終わります。

図書館では読み聞かせの会があります。季節や行事に合った本を、司書が読んでくれます。親が選ぶ本と違いますし、読み方も違うところがいいところです。数冊読んだ後は、工作の時間。読んでもらったばかりの本にちなんだものを作ります。

子どもたちが主に取り組みますが、なかなか集中力が続かず、親が仕上げることも少なくありません。完成させなくても構わないのですが、ついつい熱中して作る親の姿をよく見かけます。日常生活上、あまり工作などやらない大人にとって、単純作業に無心に打ち込める機会は貴重なのかもしれません。そして親同士で出来上がりを見せ合い、盛り上がったりします。

また、「キンディー・ジム」も人気です。体育館内で「体操のお兄さん・お姉さん」の指導の下、運動します。大きなトランポリン、吊り輪、平均台、鉄棒、跳び箱、障害物、ボール、フラフープなどがあり、毎回違った組み合わせで違う運動ができるようセッティングされています。よく工夫が凝らされていて、毎回感心します。

指導後は、自分の好きな運動用具を使って、自由に遊びます。あっちでもこっちでも「お母さん・お父さん、見て見て!」という声が。子どもが日に日にぐんぐん育っていくのに、親は目を細めるばかりです。

親子各々に楽しめる上、安価

親にも子にも大好評のアクティビティの費用はいかに? と気になるところですが、これもまたうれしい金額なのです。どれもだいたい週に1度の頻度で行われ、費用は無料、もしくは2NZドル~3.50NZドル(約140円〜約240円)ととても安価。欠席したら払う必要はありません。

なので、曜日ごとに違うアクティビティの予定を気軽に入れることができます。1週間の外出スケジュールを決め、それに沿って生活し、子どものルーティンを確立してあげます。ルーティンは安心感や自信につながり、子どもにとって大切だといわれています。

親は親で、子どもを通して、子ども時代を再体験したり、新しい自分を発見したりできます。こう考えると、子ども中心の生活もそう悪くないなぁと思えるのではないでしょうか。

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