なぜお金持ちは憎まれるのか。成功者の不幸を喜ぶ人の心理とは
LIMO / 2019年11月21日 18時45分
なぜお金持ちは憎まれるのか。成功者の不幸を喜ぶ人の心理とは
いつの時代も、お金持ちはそうでない人から疎まれてしまうことが多いです。特に日本においては「お金持ちはずるく儲けている」「お金の話は汚いもの」というイメージを強く持っている人が少なくありません。
結論から言えば、お金持ちは誤解されている存在です。ずるく稼いでいるわけでも、楽して自分だけがいい思いをしているわけでもないのです。
お金持ちが憎まれる理由は文化的事情
本来、お金持ちが憎まれる理由はどこにもありません。
どこかの誰かが自分よりたくさんお金を持っている、という事実が自分を苦しめる理由はどこにもありません。かつて一世を風靡した人物が凋落すると、「ざまあみろ」と喜ぶ人が一定数います。でも、そうなってもお金持ちのお金が自分のところに流れてくるわけではありませんから、彼らの凋落を喜ぶことに何もメリットはないのです。
ひとえにお金持ちが憎まれる理由は、文化や教育的事情が大きいと考えます。日本においては未だに農村の価値観が残っており、集団から飛び出て個を貫くことを悪と考えるムラ社会的な思考の持ち主が一定数存在します。
また、漫画などではお金持ちは嫌味なヤツとして描かれ、汗水たらして努力することが美徳とする表現などもそれを手伝います。「自分は苦労しているのだから、お前も同じ立場であるべきだ」という気持ちで、うまくいく人を妬み、他者へ過剰に干渉する人たちが存在するのです。
このように本質的に言ってお金持ちが恨まれる合理的理由はどこにもなく、単に嫉妬心と文化的な思考で結果的にそうなっているにすぎないのです。
お金持ちは納税によって社会貢献をしている
また、お金持ちが納税によって社会貢献をして、富の再配分をしている存在であることは意外と理解されていません。知識として分かっていても、腑に落ちていない人は多いと思います。
貧しい新興国へ降り立つと、年端のいかない子どもが観光客へお金をせびる光景が見られます。お金を出さなければ、「ケチ!」と憎むような表情を見せることもあります。「お金を恵むかどうかは、こちら側に主体があるはず。断ったとしても恨まれる理由はない」と言いたくなる人もいるかも知れませんが、物乞いをする子どもと、私達日本人との間に文化的な背景の違いがあります。
物乞いがたくさんいる新興国では、超格差社会になっているケースが見られます。そうした国においては健全な富の再配分が行われず、一部の超富裕層が一般市民から搾取するような構図になっていることがあります。お金持ちに生まれなかった人へお金を恵む行為は、広く見て富の再配分のようなものと言えます。
我が国においては、この富の循環を納税によって実現させています。お金持ちにはたくさん課税されるものです。彼らが支払ったお金は社会保障などに使われ、そのお金は間接的に国民みんながメリットとして享受します。自主的に物乞いをしなければ、富の再配分メリットを得られない新興国と比べると、国が個人の代わりにお金持ちに課税して循環させる社会の方が公平性、効率性の面からみても優れていると言えます。
お金持ちは納税によって社会貢献をしているのです。が、あまり理解されていないのが実情です。今回のように、他国の事情との水平比較をすることで、このことが腑に落ちるかもしれません。
お金持ちであることを隠すお金持ちもいる
世の中には、いろんな価値観の人がいて一部には成功者を引きずり下ろしたいと考える人がいます。ネットで罵詈雑言を書き込むことや、あらぬ噂を流して誹謗中傷するなどの行為に及びます。時には犯罪行為に抵触するような場合すらあります。
日本は法治国家ではあるものの、いちいちそれを個別に訴えていてはキリがありませんし、経済的合理性を考えると裁判にかける時間を稼ぐことに使ったほうがより稼げるので、あえてやらないケースがほとんどです。
また、お金を借りに来る人が現れ、断ると逆恨みされることもありあまりメリットはありません。そのため、お金持ちであることを隠す人もいます。筆者の知人のお金持ちも、事業で成功した後よく知らない親戚からお金の無心をされるようになり困ってしまった、と話してくれました。
お金持ちは誤解され、恨まれ、隠さなければいけない場合もあり、なかなか苦労が多いのです。
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