共働き世帯で子どもを妻の扶養にするメリットがあるケースとは? 扶養控除を解説

LIMO / 2019年11月24日 20時15分

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共働き世帯で子どもを妻の扶養にするメリットがあるケースとは? 扶養控除を解説

近年、女性の社会進出や社会構造の変化により、従来型の専業主婦世帯が減少し、共働き世帯が増加傾向にあります。厚生労働省によると、平成9年以降は、共働き世帯が専業主婦世帯を上回っています。

一方で、年末調整の時に申告する扶養家族について、子どもの名前を夫のほうに記入している方がまだまだ多いのが現状です。実際は、収入状況や子どもの年齢によって、子どもを妻の扶養にした方がメリットの出るケースもあります。

また、2020年の税制改正により扶養控除の要件が変更となります。税制改正による主な変更点についても合わせてみていきましょう。

扶養とは

まず、一言で「扶養」といっても、「健康保険上の扶養」と「税法上の扶養」の2種類に分かれます。それぞれで扶養に入る条件が異なるので注意が必要です。

健康保険上の扶養

健康保険の扶養に入ると、健康保険料を支払わなくても、病気やケガで病院を利用した際に保険給付を受けることができます。

扶養に入る要件は、被保険者の収入で生計が維持されていることが必須条件となり、同一世帯に属している場合は、年間収入が130万円未満で、かつ被保険者の年間収入の2分の1未満であることが必要です。
※詳細な要件については、各健康保険組合にお問合せください。

税法上の扶養

税法上の扶養に入ると、納税者は所得控除のひとつである扶養控除を受けることができ、所得から一定の金額を控除することができます。

扶養に入る要件は、その年の12月31日時点で以下の条件にすべて該当する方です。

納税者と生計を一にしていること(同居していなくても、生活費の仕送りなどがあれば該当)

6親等以内の血族または3親等以内の姻族

扶養親族の年間の所得が38万円以下であること

青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受けていない、または白色申告者の事業専従者ではないこと

なお、2010年から現児童手当である子ども手当が導入されたことにより、2011年から年少扶養親族の扶養控除は廃止となりました。

現在、16歳未満の子どもの場合は年少扶養親族と呼ばれ、児童手当が支給されます。つまり、扶養控除が適用されるのは、16歳以上の扶養親族がいる場合となります。

16歳未満の子どもがいる場合は?

では、16歳未満の子どもがいる場合、税法上の扶養はまったく影響がないのでしょうか。

所得税については、所得控除適用外となるため、扶養による税額の変化はありません。一方、住民税は、条件を満たしていると非課税になる場合があります。

非課税は主に生活保護受給者や未成年などが該当しますが、所得金額が一定金額を下回る場合も非課税となり、夫婦どちらかの扶養に入れることで住民税の節税につながるケースがあります。

住民税の非課税限度額とは

住民税には、前年中の所得が非課税限度額以下だと、住民税の所得割部分が非課税になるという制度があります。非課税になる条件は、以下のいずれかを満たすことです。

生活保護を受けている

未成年者、障がい者、寡婦、寡夫で前年の合計所得金額が125万円以下

前年の合計所得金額が各地方自治体の定める額以下

非課税限度額制度は自治体によって異なり、たとえば東京都の場合は一人当たり35万円となっています。扶養親族がいるとさらに32万円が加算されますが、ここでの扶養親族は、16歳未満の子どもを含めることができます。

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たとえば、夫婦共働きで、16歳未満の子どもが2人の場合、夫婦どちらかの所得が137万円以下であれば、住民税の所得割部分が非課税となります。

所得の計算は下記の通りです。

収入-給与所得控除=所得

給与所得控除とは、給与所得者の給与収入から一定額差し引くことのできる控除額のことで、個人事業主でいうところの必要経費に相当する役割を持っています。

この式に当てはめると、収入が220万円以下の場合、所得が137万円以下になり、住民税の所得割部分が非課税となります。最終的には、均等割りや調整額などが含まれますが、配偶者の収入によっては、収入の低い方の扶養に入れることで住民税が節税できる可能性があるということです。

なお、16歳以上の子どもがいる場合は、所得の多い方の扶養に入れたほうが、より節税に繋がります。

注意点

上述のように、健康保険上、税法上の扶養の定義は異なります。子どもの扶養先を統一しなければいけない法律はありません。

しかし、勤務先によっては統一を求められることがあったり、家族手当や扶養手当に影響するケースもありますので、お勤め先に確認した上で扶養先を決めましょう。

2020年税制改正

2020年税制改正では、働き方の多様化を踏まえ、さまざまな形で働く人を応援する観点から、特定の収入にのみ適用される給与所得控除の額を一律10万円引き下げ、基礎控除の控除額が10万円引き上げられます。

ただし、合計所得が2400万円を超えると金額に応じ控除額が減少するなど、高所得者からは、より税金を徴収する仕組みとなっています。

配偶者控除や扶養控除についても、適用要件の合計所得金額が現行38万円以下から48万円以下と10万円引き上げられます。

今回の税制改正により、徴収される税額が変わってくる人もいます。これまで通りに扶養控除などを適用することができるかなど、事前に確認しておきましょう。

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