「叱れない」じゃない!?「あえて叱らない」子育てにはわけがある?
LIMO / 2019年11月27日 19時45分
「叱れない」じゃない!?「あえて叱らない」子育てにはわけがある?
独身時代、街で泣き叫ぶ子供に手を焼き、なだめすかすママを見るたび「もっとうまくやればいいのに」なんて思っていませんでしたか?昔は悪いことをすると、親や先生からゲンコツが容赦なく飛んできたものです。
しかし、最近では「叱らない育児」を実践している人も多いようで…親になって初めてその気持ちがわかった、という人もいるようです。
叱らない育児って?
子供はまだまだ知らないことが多く、やってはいけないことやルールを守れないこと、我慢ができないことなどがたくさんあります。そういった場面に直面した時、怒ったり叱ったりするのではなく、子供の心に寄り添い、教えたり選択させていくのが本来の「叱らない育児」とされています。
よく勘違いされているのが、叱らないからといってただ子供の言いなりになったり、ワガママ放題にさせてしまっていること。それは叱らない育児ではありません。時に子供に選択肢を与え、時に家族でミーティングを開いて話し合う。叱らない育児は本来、とても根気のいる行為です。
普段からできていることを褒め、確認してあげたり、ブレない優しさや方向性を示すなど、親にとってはなかなか難易度が高いものといわれています。その分、子供たちは親との信頼関係が生まれたり、子供に自信を付けさせてあげられたりとメリットもたくさんあります。
気を付けておくべき点とは?
教育学などで注目されている叱らない子育てですが、その単語だけが広く認知され、まだまだ勘違いしている人も多いようです。その間違った認識は、周囲から要注意親子と思われている、なんて場合も。それではどういった点が間違った叱らない子育てなのでしょう。
・「乱暴者のYくん。公園で会うたびにうちの子を突き飛ばしにやってきます。そんな時親は『ママ、悲しいなー。えーんえん』と半笑いでいうだけ。しかもこちらに謝りにもきません。それって叱らない育児?と疑問でいっぱいです」
・「いつも『自分で選択させている』という叱らない育児ママ。先日我が家で遊ぶことになったのですが、息子くんがいつまでたっても遊びを切り上げてくれません。夕食を作る時間や子供のお風呂もあるのに…とモヤモヤしてそれとなく伝えたのですが『飽きるまでじっくりやらせてあげたいの』と言われてしまい、結局我が家はいつもより2時間押しのスケジュールになってしまいました。人の家族を巻き込まないでほしいです」
・「お友達がかなり鋭利な木を持って走っていたので、転んだら危ないと思いやんわり注意しました。するとその子のママが顔を真っ赤にして『うちの子は自分で気づける子だから!取り上げないでくれる?!』と抗議してきました。かなり激しく振り回していたし、周りの子の目でも突いたら危ないのに。ちょっと距離を置きたいな、と思ってしまいました。」
子供に気づかせる、選択させるという志は決して悪いものではありません。ですが、周囲のお友達に危害を加えたり、迷惑をかけていないか。教育に夢中になりすぎていないか、今一度考えてみてもいいかもしれません。
まだまだある叱らない理由
「どうして叱らないの?」という周囲の目に対し、教育方針などという立派なものが理由ではない、というママたちにもお話を聞きました。
・「4歳の男児を育てています。やってはいけないことをやる、やるべきなのにやらない、という感じで一日が過ぎていくので、私は常に声がかれている状態。夕方には疲れすぎてもう怒る気力もなく…息子を見つめ立ち尽くしてしまうこともしばしば。世間の目を気にする余裕もありません」
・「スーパーで大泣きした娘を叱っていたら、通りすがりのおばあちゃんに『ママがそんな余裕がなくてどうするの!優しくしてあげなさい!』と注意されました。以来、どんな風に周りから思われるか怖くなってしまい、オロオロするようになってしまいました。」
本当は適切な対応をした方がいいとわかっていても、できない事情がある人もいるようです。ついつい「あの人毒親?!」なんて見てしまいがちですが、ママにも理由があるのかもしれません。
まとめ
街で見かける怒り狂うママや子供を放置するママ。「自分だったもっとうまくやるのに」なんて思ってみてしまいますよね。ただ、子供というのは本当にひとりひとり性格やこだわりが違うものです。他人から見ると何もしていないように見えても、実際は子供や周囲のことを考えている親が大半です。
子供を産んだときにはじめて「こういう理由だったのか」なんて気が付くこともあるかもしれないので、少しだけ温かな目で見守ってあげられるといいかもしれませんね。
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