コンサルはストックビジネスになり得るか？ カギは「何か形あるものを作る」こと

成長し続けるビジネスの仕組みである「ストックビジネス」についてお伝えしていく本シリーズ。今回は、ストックビジネスの構築に苦労しながらも光明が見えはじめた社長の話です。

システム導入サポートからコンサルへの転換

彼との出会いは、私が『ストックビジネスの教科書（https://www.amazon.co.jp/gp/product/4591146944/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=navipla-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4591146944&linkId=d39ed74b9ebd00c84f9d48f78c49abda）』を出す前のことでした。

仙台から青山にある私のオフィスに訪ねてきた小林社長（仮名）はIT関連事業を営んでいます。主力事業はシステム導入のサポート。請負業に近いので来年の売り上げが確実に見えることのないフロー事業です。そのため、ストックビジネスの必要性を痛感してフローからストックビジネスに変えていきたいという強い願望がありました。

その後、出版をきっかけに私が教育事業としてストックビジネスアカデミーを始める時、彼は真っ先に手を上げ、会員として自分自身も学びながら立ち上げの手伝いもしたいと言ってくれたのです。今でも音声コンテンツ「週刊ストックマインド」では毎週司会をやってくれています。

会員として学び、裏方も手伝ってくれていた小林社長は、最も私に近いところでストック思考を学んでいたと言えます。そして、当初はシステム導入サポート80％だった会社が、彼の強みを活かしたコンサル80％へと大きく転換したのです。

しかし「コンサルで？」と疑問に思う方もいるでしょう。コンサルそのものは期間が来れば終ることを繰り返すフロービジネスですから、ストックビジネス構築という意味では違う方向に行っているばかりか、むしろより遠くに離れたようにさえ思えますね。

さあ、ここからが問題です。誰よりもストックビジネスの必要性を感じて最初に動き、誰よりもストック思考に触れ、仲間はどんどんストックビジネスを手に入れたのに、なぜか反対方向とも言えるコンサルに突き進む小林社長に勝機はあるのでしょうか？

コンサルはストックビジネスになるのか？

今の小林社長の状況はというと、オリジナルのコンサルの型はできてきた、また最近のコンサルの継続率は明らかに上がっている、というところです。

そのきっかけはストックビジネスアカデミー（SBA）会員のN社長から「小林さん、当社の会議に入ってください。小林さんの顔を見ると課題を思い出すんですよ」と言われたこと。そう誘われて、会議に出席した小林社長は自分が行っているコンサルの継続性の高まりに手ごたえを感じたそうです。

コンサルがストックビジネスになるためには一つの問いかけをクリアしなければなりません。それは、「そのコンサルは、なくてはならないものですか？」あるいは「その課題が解決すればコンサルは不要になりますか？」というものです。

小林社長がこの問いをクリアするカギは「小林さんが出席する会議」にありそうです。

ストックビジネスにするコツの一つに、形のないものをストック化するときにはクライアントとの間に「何か形あるものを作る」という基本メソッドがあります。

例を挙げると、オリジナル業務ツールの使用権、オリジナルソフトウエアの使用権、商標の使用権、機材を使う権利、場所を使う権利、仕組みをを借りて使う権利などなど、いろいろな「形ある物」が間に入れられます。

そして、それらを使うと課題が改善して「売り上げが上がる」「生産性が上る」「人の問題が改善する」「お金の問題が改善する」というメリットがあるかどうか。そこが肝要です。また、クライアントはこうも考えます「あなたのいう●●をやれば必ず良くなる。でもその●●が続かないんだよね」。

ちょっと禅問答のような書き方をしましたが、どうやらクライアントのニーズはもっと長期的なところにありそうです。もしかしたら、私たち自身がコンサルはストックビジネスになり難いと思い込んでいるのかもしれません。

おわりに

こうした小林社長の課題を、ストックビジネスアカデミー実践会で取り上げます。その場では、私やストックビジネスの基礎を学んでいるSBA会員がまるで自分事のように考えてストックビジネスへの道筋を見つけます。その結果、筋肉質に改善された小林社長が一気に壁を越えられる。そんな気がします。

このように、SBAでは全国の経営者が学んでいます。

【参考】ストックビジネスアカデミー実践会（http://otaketakahiro.com/jissen）