我が子は発達障害、小学校どう通う?ADHDの息子に「特別支援学級」を選んだ理由
LIMO / 2019年12月2日 18時45分
![我が子は発達障害、小学校どう通う?ADHDの息子に「特別支援学級」を選んだ理由](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_14656_0-small.jpg)
我が子は発達障害、小学校どう通う?ADHDの息子に「特別支援学級」を選んだ理由
ASD(自閉症スペクトラム障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)、LD(学習障害)など、発達の凸凹を抱える子どもたち。
彼らの中には「他の子が難なくできることができない」「年齢相応の発達ができていない」などという子も珍しくありません。
我が家の小学1年生の息子も例外ではなく、5歳の頃にADHDと診断されています。
現在は小学校の「特別支援学級」に在籍している息子ですが、今回の記事ではなぜ私が特別支援学級を選んだのか?そして、特別支援学級の特徴や実際に通って感じていることなどをお伝えしていきたいと思います。
そもそも「特別支援学級」とは?
特別支援学級とは、下記のいずれかに該当する児童及び生徒のために設置されるクラスのことです。
・知的障害者
・肢体不自由者
・身体虚弱者
・弱視者
・難聴者
・その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なもの
(学校教育法第八十一条より)
我が家の息子は知的な障害を持っていないため、最後の「その他障害のある者で〜」という項目に該当しました。
特別支援学級においての教育が適当かどうかを決めるのは、教育委員会や保育施設・もしくは学校側が集って開催される「教育支援審議委員会」(就学支援審議会など)においての面接が主軸となっています。
審議委員会には医師の姿もあり、子どもの発達具合や集団生活における特徴などを多方面から観察してもらう場所です。
この審議委員会の審査によって、子どもに「特別支援学級が最適か否か」が通知され、その結果を元にして保護者が最終決断を下します。
特別支援学級は「知的障害」と「自閉症・情緒障害」に分けられる
「特別支援学級」と一言でいっても、その中身は2種類に分けられています。
ひとつ目は知的障害のある子どもが対象となる「知的障害クラス」、もうひとつは、知的障害はないけれど自閉症やADHDなどの発達障害がある「自閉症・情緒障害クラス」。
どちらのクラスになるかは、医療機関で行われる「発達検査」の検査結果によって決まります。
発達検査にはいくつか種類がありますが、現在の日本では「田中ビネー式」もしくは「日本版WISC-IV」という検査が利用されることがほとんどでしょう。
この発達検査ではだいたいのIQ数値がわかるため、IQが基準の数値を下回ると「知的障害がある」と判断され、知的の特別支援学級への在籍が通知されるという仕組みです。
我が家の息子は平均よりも低いIQ数値ではあったものの、知的障害と思われるほど低くはなかったため、自閉症・情緒障害クラスへの在籍をすすめられました。
なぜ「特別支援学級」を選んだのか?
上記でも少しご紹介しましたが、特別支援学級への在籍を最終的に決断するのは「保護者」です。
子どもに障害があっても通常クラスへ在籍させる保護者も決して珍しくありませんが、なぜ私が息子の居場所として特別支援学級を選んだのかをお伝えしていきたいと思います。
初めは「皆と同じように学んで欲しい」という思いが強く、どうにかして通常クラスに在籍できないものかと考えていました。
しかし、療育で専門医からアドバイスを受けたり教育委員会の審議委員会で話を聞いたりしていくうちに、いかに自分が身勝手であったのかを知ることになります。
・子どもが支援学級に在籍しているなんて恥ずかしい
・自分の子どもが周りの子より「劣っている」と思われるようでプライドが傷つく
・通常クラスでも補助員を付けてくれれば大丈夫ではないのか?
などと当初は考えていましたが、それは全て「自分目線」でした。
発達の凸凹がある子どもにとって、団体で行動することや皆と同じスピードで学習をしていくことがいかに負担かを考えもせず、自分の世間体や見栄を気にしていた私…。
息子の発達障害を診断されてから1年くらいはそんな自分の気持ちと葛藤していたのですが、審議委員会でその道のプロと呼ばれる人との出会いが私を変えてくれました。
「初めから無理させると後でつまずくよ」
その医師は何人もの発達障害児を診てきた大ベテラン。
診断時に私が「初めは通常クラスで様子を見てもいいのでは…」と提案すると、次のような返答が返ってきました。
『初めから通常クラスで無理をさせると、学校が嫌になってそのまま不登校につながってしまう子どもを何人も見てきました。集団行動が取りにくかったり癇癪がひどかったりするようであれば、初めから特別支援級で手厚いフォローを受ける方がいいでしょう。先手必勝ですよ』と。
「先手必勝…か。確かに、初めから無理をさせていいことなどないかもしれない。特別支援級の定員は8名だから、通常クラスよりもより手厚いフォローが受けられる。しかも通う予定の小学校の特別支援学級の在籍生徒は1人だけ…」と、次第に考えるようになっていきました。
その流れのままトントン拍子で息子の特別支援学級在籍は決定され、現在は息子のペースで先生とほぼマンツーマンの環境で学業に向かっています。
そして、特別支援学級のメリットといえば、なんといっても「怒られることが極端に少ない」「子どものペースに合わせてくれる」といった点です。
自己肯定感が下がってしまいやすいのは、発達障害を抱える子どもたちの多くに共通することですが、特別支援学級ではその辺もしっかりと考慮してくれています。
もちろん道徳的に反することを行えば厳しく叱られますが、ある程度の「いたずら」なら許してくれるケースもあるでしょう。(少なくとも息子の在籍している支援級では)
また、学習も息子のやる気に沿って進めてくれるので、勉強嫌いになってしまうということも今のところ見受けられません。
親として「通常クラスで学んで欲しい」という願いを持つのは悪いことではありません。しかし、子どもにとってどのような学びの場が適しているかを判断する力は、親よりも教育関係者や専門医師の方が高いと個人的には考えています。
通常クラスで伸びる子もいれば特別支援学級に在籍した方が伸びる子もいるので、積極的にさまざまな機関と連携して、「どの学びの場が子どもにとって最適なのか」を考えていきましょう。
【参考】
「特別支援学級及び通級指導に関する規定(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/054/shiryo/attach/1285860.htm)」文部科学省
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