ペット界で「プレミアム化」が進行中!?犬猫を飼う1ヶ月の費用と「もしも」の備え
LIMO / 2019年12月8日 19時50分
ペット界で「プレミアム化」が進行中!?犬猫を飼う1ヶ月の費用と「もしも」の備え
日本に空前のペットブームが到来してから久しくなりますが、まだまだその勢いはとどまるところを知りません。ネットニュースやSNSには毎日のように可愛いペットの写真や動画が掲載されています。
「将来、ペットを飼ってみたい」と考えている人も多いことでしょう。ペットは癒やしと元気をくれるかけがえのない存在ですが、飼育には費用がかかります。どのくらいのお金が必要になるのでしょうか。
ペットの数は減少している!
はじめに、ペット界の現状をチェックしておきましょう。
一般社団法人ペットフード協会が2018年に実施した『全国犬猫飼育実態調査(https://petfood.or.jp/topics/img/181225.pdf)』によると、全国で飼われている犬の頭数は約890万3000頭で、猫は約964万9000頭でした。猫の数は横ばいですが犬の数は年々減っており、犬猫のペット総数は減少傾向にあります。「ペットブームで飼う人が増えている」というわけではないようです。
一方、犬を飼っている世帯は約12.6%、猫を飼っている世帯は約9.8%でした。ペットを飼っている世帯数は犬が上回っているので、猫では多頭飼いされているケースが多いことがわかります。
飼育費はどのくらいかかる?
通常、猫よりも犬の飼育費のほうが高くなるのが一般的です。猫は基本的に自分で”毛づくろい”をするうえに、しつけの必要もありません。一方、犬ではトリミング代やトレーニング費用、ドッグラン利用料などのお金がかかってきます。
ここからは、前出の一般社団法人ペットフード協会の調査をもとに、ペットにかかる1カ月あたりの総支出金額を、犬と猫のそれぞれについてみていきましょう。
犬の飼育費
犬1頭の飼育にかかる1カ月あたりの平均支出金額は1万368円、中央値は8000円でした。犬の平均寿命は犬種や大きさによっても変わってきますが、平均すると14.3歳です。年齢ごとに必要になる平均支出金額を平均寿命まで足して算出した生涯必要経費は、約179万円に上ります。
猫の飼育費
一方、猫1頭の飼育にかかる1カ月あたりの平均支出金額は6236円、中央値は4500円でした。猫の平均寿命は外に出すか室内のみで飼うかで異なり、平均すると15.3歳です。生涯必要経費は約112万円となります。
とはいえ、ペット飼育費はペットの状態や飼い主さんの考え方によって大きく変わってきます。
ペット界でプレミアム化が進行中?
ペットの数自体は減少していますが、ペット費用は逆に上昇傾向にあります。
総務省が公表している『家計調査(家計収支編)時系列データ(二人以上の世帯)全品目(https://www.stat.go.jp/data/kakei/longtime/index.html)』には、4種類のペット関連費が記載されています。本調査のデータは、ペットを飼っていない世帯も含めた平均値ではありますが、時系列的な変化を知ることは可能です。
(総務省の資料をもとに編集部作成)
2015年から2018年にかけて、ペット関連費が年々増加していることがわかりますね。ペットグッズの分野は急速な進化を遂げており、高級化も進んでいます。プレミアムペットフードや機能付きトイレ、オーラルケアグッズやペット用サプリメントなど、バリエーション豊富なペットグッズが次々と登場しているのです。
一方、ペット関連費が増えている原因の1つに「ペットの高齢化」があるでしょう。
ペットにかかる医療費
ペットが高齢化するとその分病気やケガのリスクが高まります。とくに注意したいのが、継続的に医療費がかかってくる慢性的な病気です。たとえば、毎月2万円の治療費がかかる場合なら1年間で24万円の費用が必要になり、これが一生涯続く可能性もあるのです。
ペットの「もしも」に備えて、「ペット保険に入るべきか、ペット貯金のほうがお得だろうか」と悩んでいる飼い主さんも多いことでしょう。いずれの方法を選ぶにしろ、万が一のときに後悔しないようにあらかじめしっかり備えておく必要がありそうです。
ペット保険の加入率は犬で3割、猫で1割
ここからは、2018年に楽天インサイトが実施した『ペットに関する調査(https://insight.rakuten.co.jp/report/20181114/)』をもとに、ペット保険の加入率についてみていきましょう。この調査は20~69歳の犬または猫を飼っている全国の男女1000人を対象におこなわれました。
本調査の結果によると、犬の飼い主の30.4%、猫の飼い主の10.8%がペット保険に加入しているようです。1カ月あたりの保険料は、犬で平均3449円、猫では2898円となりました。
ペット保険は「突然の大きな手術で高額の費用がかかった」というようなケースには非常に有効です。ただし、問題も少なくありません。
そもそも、予防接種や健康診断、避妊や去勢手術などは、病気ではないという理由で保険の対象外になります。さらに、「特定の持病があると加入できない」「医療費を全額保険料でカバーできるとは限らない」「病気をすると保険が更新できないか、その病気が保険の対象外になる」などといったペット保険も珍しくないのです。
ペット保険を選ぶときは、保障内容や契約更新の条件をしっかり確認しておきましょう。
ペットを飼うなら最後まで責任を持とう
多くの飼い主さんにとって、ペットは大切な家族の一員です。病気になったときに十分な治療を受けさせたいなら、それ相応の備えが必要になるでしょう。
しっかり貯金をしておくのも1つの方法ですが、ペット保険の進化は日進月歩です。「もしも」のときに後悔しないためにも、自分に合ったペット保険があるかどうかチェックしてみてはいかがでしょうか。
参考:
ペットフード協会『全国犬猫飼育実態調査(https://petfood.or.jp/topics/img/181225.pdf)』
楽天インサイト『ペットに関する調査(https://insight.rakuten.co.jp/report/20181114/)』
総務省統計局『家計調査(家計収支編)時系列データ(二人以上の世帯)全品目(https://www.stat.go.jp/data/kakei/longtime/index.html)』
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