40代単身の4割が金融資産ゼロ?老後に備えた資産運用の始め方

LIMO / 2019年12月12日 19時15分

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40代単身の4割が金融資産ゼロ?老後に備えた資産運用の始め方

政府は、100万人ともいわれる就職氷河期世代の支援策として、国家公務員の中途採用枠で重点的に採用する方針を決めました。具体的には3年間で正規雇用を30万人増やすことを目標としています。

就職氷河期世代とは、バブル崩壊後10年ほどの期間に新卒の時期を迎えた世代で、「ロスト・ジェネレーション」(ロスジェネ)とも呼ばれています。彼らのなかには、正社員になれずに非正規労働者として社会人生活を送っているケースも目立ちます。そして収入が安定せず、結婚や出産・妊娠ができない人も中にはいます。就職氷河期世代の独身者が、老後のためにできる資産形成・運用について考えていきます。

40代単身世帯の金融資産はどれくらい?

では、40代独身者のお金事情についてデータから見てみましょう。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]平成30年調査結果(https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/tanshin/2018/)」(各種分類別データ)によると以下のようになっています。

<40代の単身世帯>
• 金融資産を保有する世帯の割合:57.4%
• 保有世帯の金融資産保有額の平均値:1,177万円、中央値:500万円
• 金融資産ゼロ世帯を含む全体の平均値:657万円、中央値:25万円
※「金融資産ゼロ世帯」とは、預貯金を含む金融商品を保有していない世帯と、預貯金のみを保有しているがそのうち「運用または将来の備え」がゼロの世帯を指します。

金融資産ゼロ世帯を含んだ金融資産保有額の中央値は25万円、つまり40代単身世帯者の半分は金融資産が25万円以下ということです。貯蓄したくてもできない人が数多くいることがわかります。彼/彼女らが50代になって所得を増やし貯蓄ができるようになるのでしょうか。

また、非正規労働者の問題のひとつは公的保険・年金の加入率が低いことです。厚生労働省による「平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keitai/14/index.html)」では、正社員の雇用保険加入率92.5%、健康保険加入率99.3%、厚生年金加入率99.1%でした。たいして非正規労働者は雇用保険67.7%、健康保険54.7%、厚生年金52.0%となっており、失業時や身体が不調のときはもちろん、老後の生活にも不安の残る数字となっています。

いくら年金をもらえるかを確かめよう

老後の不安はどうやって解消するのか。まずは自分が将来、年金をいくらもらえるのかを試算し、現状を把握しましょう。自分の年金を確認する方法は主にふたつあります。ひとつめは、自分の誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」をチェックすることです。

ねんきん定期便には、

・納付額
・年金加入期間
・加入実績に応じた年金額
・老齢年金の種類と見込額(50歳以上のみ)

が記載されています。ねんきん定期便をなくしてしまい、次の自分の誕生月がだいぶ先だという人もいるでしょう。そういう場合は日本年金機構の「ねんきんネット(https://www.nenkin.go.jp/n_net/index.html)」に登録することで、PCやスマートフォンから自分の年金の状況を把握できます。

もしあなたがロスジェネ世代で金融資産が25万円以下、そして年金もあまり多くは望めなかったとしたら……、あまり良くない状況です。政府はこうした方々のために支援策を打ち出しましたが、どれだけの成果がでるかは未知数です。不安から逃げず、資金を確保するために行動を起こしましょう。

老後の収入を確保する

退職した後は年金収入や個人資産からの引き出し、継続勤務や再就職の勤労所得で生活をすることになります。仮に継続雇用や再就職で勤務できたとしても、一般的に給与の低下は避けられませんが、収入がなくなるよりは良いでしょう。

定年後に継続勤務ができる会社を選んだり、再就職のための資格を取っておくといった努力は必要でしょう。

少額からの資金形成なら「つみたてNISA」

40代で金融資産25万円以下ということは、これまで貯蓄も投資もしてこなかった人が多いのではないでしょうか。そうした人にいきなり毎月2万円貯金するとか、毎月3万円投資信託を買え、というのは無理があります。

元手がありませんので、毎月数千円のところから始めなくてはなりません。となると、選択肢は「投資信託」に絞られてきます。投資信託はネット証券なら毎月100円からスタートできるので月々の経済的負担は少なくてすみます。

この投資信託のなかで、金融庁が指定しているものについては、「つみたてNISA」の制度を使って投資することができます。「つみたてNISA」の最も大きな特徴は、2037年まで投資によって得られた売却益(譲渡益)や分配金は非課税になることです。仮に毎月千円を20年間、リターンが4%の投資信託で運用するとします。たった1,000円と思うかもしれませんが、最終積立金額は36万6,775円になります。このうち元本は24万円で、運用収益は12万6,775円。元本の1.5倍が受け取れる計算です。

まとめ

平成29年度(2017年度)時点の厚生年金の平均月額は男性16万5,668円、女性10万3,026円です。そして、年金支給額はこの先減っていく見通しです。ロスジェネ世代であまり貯蓄がないという人は、この先年齢を重ねて増えた所得をすべて貯蓄や投資に回すくらいでないと安心できる老後資金を形成できません。そのためにもNISAやiDeCoをうまく活用していきましょう。

【参考】
「就職氷河期世代支援プログラム(https://www5.cao.go.jp/keizai1/hyogaki/hyogaki.html)」内閣府
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]平成30年調査結果(https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/tanshin/2018/)」(各種分類別データ)金融広報中央委員会
「平成 26 年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keitai/14/dl/gaikyo.pdf)」厚生労働省
「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(https://www.mhlw.go.jp/content/000453010.pdf)」厚生労働省年金局

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

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