もう考えてる?永代供養や散骨も!継承者不足で変わる「お墓事情」

LIMO / 2019年12月19日 21時15分

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もう考えてる?永代供養や散骨も!継承者不足で変わる「お墓事情」

今、お墓を買いたくても倍率が高くて購入できない、身内が少なく墓を維持できないなど、お墓の問題に直面している人が増えています。でも、「その時」はいつやってくるかわかりませんよね。

話に出すと「縁起でもない」と言われるかもしれませんが、お墓のことは、年老いていく中で誰もが気にしている事柄でもあるのです。

継承者の有無で変わる「お墓の形」

全国石製品協同組合(以下、全石協)が行ったお墓の希望に関する「お墓に関するアンケート調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000015761.html)」によると、過半数の人が一般的な平面墓地を望んでいるものの、お墓の継承者が「いる」「いない」の違いにより、平面墓地の希望に大きな差が出ています。

《希望するお墓の形態》
平面墓地(一般的な墓地):59.8%
永代供養墓(寺院などが管理):22.9%
散骨:7.1%
お墓はいらない:5.3%
その他:4.9%

《このうち「お墓の継承者がいる」と答えた人》
平面墓地:81.1%
永代供養墓:13.5%
お墓はいらない:2.7%
散骨:2.7%

《このうち「お墓の継承者がいない」と答えた人》
平面墓地:44.5%
永代供養墓:29.7%
散骨:10.3%
その他:8.4%
お墓はいらない:7.1%

継承者が「いない」場合、平面墓地の希望割合は「いる」の半分程度となり、「散骨」については1割超となっています。本当は平面墓地を希望しながらも、継承者の問題があるために希望を変えざるを得ない…そういう実状が伺えるのではないでしょうか。

平面墓地の価格と「生前購入」による相続税対策

一般的な墓石を建てるお墓の場合、「墓石の費用+工事費+墓石を建てる場所の永代使用権+管理料」で平均金額は約200万円にもなります。最近では低価格化が進んでいるとはいえ、まだまだ高額ですよね。地域によっては墓地不足や墓石の価格に差があるため、さらに高額になる可能性もあるのです。

全石協で事務局長を務める筒井哲郎氏によると、関東エリアで平面墓地の区画(1.2㎡)を購入する場合、東京23区内では260万円~520万円、神奈川県なら120万円~360万円かかるそうです。墓地にも希望の時期に空きがあるとは限りませんので、一族の墓がある故郷に故人を追加するケースが多くなるでしょう。しかしそうなると継承者の問題が出てくる…。お墓にはそういう悩ましさがあるのです。(参考記事:『「お墓、これからどうしよう」―継承者問題や経済事情から変わりゆくお墓事情(https://limo.media/articles/-/4032)』)

(1)墓の生前購入と相続税対策

お墓の購入に加え、葬式費用も含めると遺族は短期間にまとまった金額が必要となります。しかし、生前に本人が墓地を探して生前購入しておけば、残された家族は非常に助かるはずですよね。生前購入しておくと遺産総額も少なくなるため、相続税対策になることもあります。場所の都合もあるでしょうから、「お墓をどうするか」事前に身内と相談しておくことは、やはり大切なことだといえます。

(2)「永代供養墓」や「室内型墓地」が密かな人気

高額な墓に代わって普及しているのが永代供養墓です。お寺や霊園の墓石を利用するタイプで、小型墓所や屋内型墓地、納骨堂などのタイプがあります。室内墓の場合は50万円~200万円が相場といわれ、生前の契約も可能なところがあります。墓守もしてもらえることもあり、安心感から人気が高まっているようです。

(3)「墓じまい」「改葬」「樹木葬」そして「散骨」

継承者が少なくなると「墓じまい」をせざるを得なくなります。墓じまいとは、今のお墓を撤去して、遺骨を他の墓地に移したり、永代供養墓に改装することです。公的な手続きに加えて費用も50万円~300万円ほどかかるので、金銭的にも大きな負担となります。

一方、墓石を建てず、樹木や花を墓標にする「樹木葬」も近年人気が出てきています。10万円台からというプランもあるようですね。ただし気を付けておきたいのは、墓石以外の方法を本人が希望していても、遺された側は「やはり一般的なお墓の方がよかったのでは」と後悔してしまう割合が高いという点です。お墓は家族みんなにとって重要な意味を持つので、時間をかけて慎重に検討していく必要があるようです。

遺族の負担を減らす「遺言書」自筆も制度改正で利用しやすく

本人の遺志を伝える方法としては、「遺言書」が一番確実だといえます。土地家屋のこと、墓のこと、財産のこと…。残された人たちが協議して決めていくには時間も労力もかかりますよね。遺言書と聞くとお金持ち一族のイメージがありますが、本人の遺志を伝える方法として一般の方も当然利用できます。

遺言書には全ての内容を自分で手書きした「自筆証書遺言」と、公証役場で自分の代わりに公証人に作成してもらう「公正証書遺言」があります。遺言書には、遺言者の気持ちを書き加えることのできる「付言事項」を追加できます。遺言書は平等な内容にならないこともありますよね。でも、付言事項を加えることで、遺言書の作成経緯や「なぜこういう内容になったのか」の理由を遺族に伝えやすくなります

民法改正で利用しやすくなった「自筆証書遺言」

「自筆証書遺言」は、手続きに沿って自筆で作成する遺言書です。一方、「公正証書遺言」は、公証役場で公証人に作成してもらう遺言書で、費用は数万円程度かかります。でも、自筆証書遺言と比べると、公証人のチェックを受けるため不備がなく安心です。

これまで「自筆証書遺言」は、紛失してしまったり、遺族が気づかなかったなどのリスクもありました。しかし、2018年に法務省の「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00222.html)」があり、法務局での保管が可能となりました。また、偽造を防ぐためにすべて自筆と義務づけられていましたが、パソコン等で作成した「財産目録」や銀行通帳のコピーの添付も認められるようになっています。

さいごに

葬儀の方法やお墓のあり方などの選択肢は、今後も多様化していくことでしょう。家族であっても考え方は違います。ご自身の希望を周囲に伝える方法を検討しておくことも大切ですよね。

また、遺言書を作成する予定の無い方であっても、貯蓄や借入金、契約先を一覧表にしておくと、もしもの時に安心です。近年、ネットバンクを契約している方も多いため通帳がない契約先もあります。例えば、遺族に伝えるときに必要な項目がまとめられているエンディングノートを利用するのも、方法の1つでしょう。そこに利用している金融機関などを整理しておくのもおすすめです。

人生100年時代。自由に動けるうちに身辺整理を進めたり、お墓の問題について家族で話し合う機会を持つことが重要と言えそうです。

【参考】
「お墓に関するアンケート」 全国石製品協同組合
「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)」 法務省

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