カスタマーハラスメントが深刻化! ムチャな要求への対応と注意点
LIMO / 2019年12月16日 20時15分
カスタマーハラスメントが深刻化! ムチャな要求への対応と注意点
最近はいろんなハラスメントが話題になっていますが、「カスタマーハラスメント」という言葉を知っていますか。これは、顧客や取引先からその立場を利用した嫌がらせや必要以上のクレーム、苦情を受けることです。モンスタークレーマーに近いイメージですね。
このような顧客の過度な要求に困っている人も少なくないのではないでしょうか。今回は、こうしたカスタマーハラスメントへの対策と注意点を事例とともにご紹介します。
対面でクレームを受けた場合
とある飲食店で働くAさんは、酔っぱらった客から嫌がらせを受けたと言います。事の始まりはAさんが料理を運んだ際に顧客からボトルワインの追加注文を受けたこと。
そのオーダーを受けてすぐに別のテーブルに運ぶ料理が出されたため、Aさんはそれを冷めないうちに配膳。ワインは少し待ってもらい、後からお持ちしようと思っていたのだそう。しかし、Aさんが別のテーブルに料理を出していることに気づいた客が急に激昂。「お前、何やってんだ! 早くビールを持ってこい!」と叫んだのだそう。
Aさんは、「ビールと言われて気が動転した。さっき聞いたのはワインだったような、と思い自分の記憶違いかと考えてしまい、すぐに反応ができなかった」と言います。その一瞬の間にさらに客がキレて「何ボケっとしてんだ!」とAさんを大声で怒鳴りつけたのだとか。それを聞いた支配人が飛んできて、その客に事情を聴取。深々と謝罪をし、なんとかことを収めたのだそう。
この件では、Aさんの判断が間違っていたということでは決してないと思います。あたたかい料理が出てきたらそれを先に出すのは当然の判断で、この顧客が何よりも優先して自分のワインを出せというのは過剰なクレームと言えるでしょう。しかし、顧客が気に入らなかったのはAさんが一瞬戸惑って、謝罪を口にできなかったというところです。ここで怒りが爆発してしまいました。
こういうケースでは確かにびっくりして言葉が出ないこともあるかもしれませんが、まずは冷静なトーンで謝罪を入れましょう。「お待たせして申し訳ございません」「大変ご不便をおかけしました」などの一言を冷静に言えるかどうかでそのあとの流れが変わってきます。まずは冷静に謝罪をして、決して慌てないことが重要です。
対策は声のトーンと話すスピード、視線
Aさんの例のように、顔と顔を合わせている状態では声のトーンと視線に気を使うのが効果的でしょう。たとえば、インタビュアーは、相手から話を引き出すスキルの一つとして、声のトーンと話す速度を相手に合わせるということをします。
そうすると相手も親近感を抱き、心の中にあるものを打ち明けてくれるというのです。話しやすさにもつながりますし、テンポが同じくらいだと確かに安心しますよね。会ってまだ数分だとしても、それだけ意識すれば過剰なクレームを回避できるくらいの人間関係は構築できるのです。
また、人間とは不思議なもので、目を合わせてにっこりとほほ笑まれると何となく相手に親近感がわきます。そんな経験はありませんか? コンビニの店員さんもそうですよね、目も合わさない人より目を合わせてにっこりほほえんでくれる人のほうが好意を抱きやすいのではないかと思います。
相手を見て微笑み、声のトーンと話す速度を合わせるだけで相手には「感じのいい店員さんだな」という印象を与えることができ、クレームを阻止することにつながるのです。
電話の場合はどうしたらいい?
あるコールセンターで働くBさんは、顧客の過剰なクレームに辟易としていました。先日も、ほんのささいなことで「損害賠償を請求するぞ」「お前の対応で精神的に深い傷を負った」などと、あることないことを言われてしまったのだと言います。
実際にBさんの応対を聞かせてもらいましたが、その中で問題は3つあるように感じました。1つは、相槌を打つタイミングが早いということです。相手が完全に話し終わるまでに「ええ、そうです」「はい、かしこまりました」などと相槌を打っていたのです。それでは相手が不快に感じてしまうこともあるでしょう。
2つ目は、質問に対して的確に答えないことです。顧客から「これってリンゴだよね?」と訊かれても、Bさんの答えは「これは実は3日前に青森県の山本さんが収穫し、産地から都内に直送されてきていて、鮮やかな赤と甘い香りが特徴の、糖度が高くてとてもおいしいリンゴです」というような回りくどい説明になっていたのです。
付加情報を説明したい気持ちはわかりますが、この場合まずは顧客の質問に的確に答えることが大事です。たとえば「はい、リンゴです。実は3日前に青森で収穫されたばかりなのですよ」と答えると、相手も的確に答えがわかるうえに、おトクな情報を教えてくれたような気分になりますよね。
Bさんの応対の問題点3つ目は、Bさんの声にありました。コールセンターの多くでは、普通にしゃべっている声の1トーンもしくは2トーンくらい高めの声で話すとよい、というふうに教えられると思います。それもそうなのですが、普段は高めの明るい声でもちょっと苦手な話になると急に端切れが悪くなったり、語尾が消えてしまったりしていたのです。
自信がなければ明るい声で「念のため、確認させてください」と保留にしてきちんと確認すればいいのです。聞き取りづらい声は相手を苛立たせますし、印象が悪いので相手がケンカ腰になりやすくなってしまいます。保留は1分が限界で、30秒でも顧客にとっては「かなり待たされているな」と感じるものです。できれば20秒で確認し、すぐに電話に戻りましょう。
まとめ
いかがでしたか。最近では行き過ぎたクレームのようなものも多く、いろんな場面でカスタマーハラスメントというキーワードを耳にするようになりました。非常に悲しいことですが、こういう人がいるかぎり対応する側はなんとかクレームをつけられないように気を付けるしかありません。ぜひ気をつけて、顧客対応を行ってくださいね。
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