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どんな「しつけ」が「教育虐待」につながるのか。無意識にこんなことしていませんか?

LIMO / 2019年12月18日 20時15分

どんな「しつけ」が「教育虐待」につながるのか。無意識にこんなことしていませんか?

どんな「しつけ」が「教育虐待」につながるのか。無意識にこんなことしていませんか?

最近よく耳にするようになった「教育虐待」。教育熱心な親が、子どもの意思や受容能力などを無視して過剰な学習スケジュールを押し付けたり、子どもが成績不振であれば暴言や暴力を浴びせたり、ネグレクト(育児放棄)したりすることを指しています。

しかし、本来親は子どもを支配するのではなく、子どもの意思を尊重した子育てをするべきですよね。もしかしたら「本当はこんなに怒りたくないのに感情のコントロールができない」と悩んでいる親御さんもいらっしゃるかもしれません。子供をしつける時にはどんなことに注意すれば良いのでしょうか。

教育虐待が増えている?

教育虐待により精神状態が悪くなり、心療内科を受診しなくてはいけなくなる子どもが増えていると言います。

また、教育虐待がエスカレートしたケースとして、2016年8月、名古屋市内で当時12歳の小学生の息子を父親が包丁で刺して殺害するという痛ましい事件が起き、2019年7月の地裁判決では父親に懲役13年が言い渡されました。

裁判の中で、中学受験を目指すものの思うように勉強の進まない息子を包丁で脅し、暴言・暴力を浴びせていたこの父親自身も、実は祖父から同様に包丁で脅されて中学受験をさせられた経験があると述べました。

さらにこの祖父もその父(曽祖父)に厳しく育てられていたという、「教育虐待の連鎖」とも言える衝撃的な状況が明らかになったのです。

このように、自分がされたことを自分の子どもにもしてしまうという負のスパイラルは起こりやすいもの。そのため、子どものしつけは一時的な感情でカッとすることなく、言葉を選ぶ・論理的に説明するなど慎重にしなくてはいけません。

また、子どものためと思って勉強させても子どもが本当に望んでいなければ力がつきにくいものです。たとえば、中学受験を本人も希望しているのか、勉強より今は部活をしたいのではないかなどきちんとコミュニケーションをとり、本人が勉強したいと思えるようになったタイミングで親がサポートすることが大切なのではないでしょうか。

無意識に子どもの自尊心を傷つけるしつけをしていませんか?

児童精神科医の佐々木正美さんの著書『子どもへのまなざし(https://www.amazon.co.jp/gp/product/4834014738/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=navipla-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4834014738&linkId=187781135dbfecfa2a0c354a827538ef)』(福音館書店)には、「しつけというのは、子どもの自尊心を傷つけるようなやり方でしようとしては、ぜったいにいけないのです」とあります。では、自尊心を傷つけるしつけとはどんなものなのでしょうか。

「おもちゃを片付けないと捨てちゃうよ!」「置いていくよ!」と、実際はしないことを言って子どもを脅す

子どもの遊びに「何でそんなことをしたの!」と問いただす

「もうあんたはダメなんだから」と人格を否定するような発言をする

「ダメ!」と怒鳴って終わり

大声で怒る

疲れているときに子どもに対して口調が強くなったり、怒るなど八つ当たりをする

言われてみると、無意識にこのような行動を取っているという方もいらっしゃるかもしれません。「言うことを聞いてくれないし…それくらいしなければ動いてくれないから」と思うかもしれませんが、このようなことを大人に対してする人はいないはずです。

子どもの心を傷つけ、支配しないためには

子どもの自尊心を傷つけないようにするには、「しつけ」と「支配」の線引きをすることが大切です。親の都合による指示ばかりしていると、子どもの自尊心が損なわれる可能性もあるので、子供に接するときは以下の点に気をつけてみてください。

怒る前に一呼吸して、怒りのボルテージを下げておく

子どもができなかったことに対して「頑張ったね」「もう少しだったね」と努力を認める

子どもの好奇心を尊重する

「なぜダメなのか」「どうすべきなのか」を説明したうえで怒る

自分だけのストレスの発散方法を見つけておく

また、このような対応をするためには「大人が余裕がある状態」でいることが大切です。余裕がある状態というのは、身体の余裕、心の余裕、経済的な余裕、環境的な余裕(子育てを手伝ったり相談に乗ってくれる人はいるか、夫婦関係は良好か)などさまざまな要因があります。

実際に子育て中に「余裕がある状態」でいることは非常に難しいことですが、自分の意思で状況を変えられるのは大人だけです。

子どもにとっては親から言われること、されることが全てであり、自分では何も変えることができません。親が自分で意識的に心に余裕を持てるように習慣や環境を変えなければいけないのです。

親が余裕のある状態になるためには、「我慢は美徳」という日本人特有の固定観念は捨てて、家事を減らす、便利家電を購入する、家事代行を雇う、自分の時間を確保するなどさまざまな方法を試すことが必要だと言えます。

そうすることで子どもに対して威圧的な態度を取ったり、行動を焦らせたりするのを減らすことができるのではないでしょうか。

おわりに

教育は確かに大事ですが、本人の意思を尊重しなければいけません。受験に失敗しても取り戻せるような精神的な強さや、学歴に関係なく困難を乗り越える力のほうが本当は大切なのです。心に余裕を持ち、自分の子どもを信じ、子どもの選択をサポートしていくようにしたいものです。

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