1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

金融資産「保有していない」と「2000万円以上」が2割?50代の二極化する貯蓄事情

LIMO / 2019年12月18日 19時15分

金融資産「保有していない」と「2000万円以上」が2割?50代の二極化する貯蓄事情

金融資産「保有していない」と「2000万円以上」が2割?50代の二極化する貯蓄事情

50歳代というと、そろそろ老後資金を貯めるラストスパートに差し掛かるタイミング。住宅ローンや教育費といった出費も落ち着き、貯蓄を一気に増やしていきたい時期でもあります。ここで貯めた金額が老後の生活を左右する…といっても過言ではありません。

そんな50歳代の人たちの財布事情は、どのような状態になっているのでしょうか。貯蓄と負債、そして金融商品に関するデータをチェックしてみましょう。

二極化する50歳代の貯蓄状況

まずは50歳代の貯蓄額から見ていきます。金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成30年)(https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/futari/2018/)」(各種分類別データ)では、50歳代の二人以上世帯の金融資産保有額は以下のように示されています。なお、カッコ内は「金融資産を保有していない世帯」を含んだ数字です。

金融資産保有世帯の平均値:1,828万円1,481万円
金融資産保有世帯の中央値:1,186万円900万円

ここで注目すべきところは、金融資産を保有していない世帯が17.4%という点です。金融資産を保有していない世帯を含んだ全体の11.6%が2,000~3,000万円未満、12.2%が3,000万円以上の金融資産を保有していることを踏まえると、貯蓄の二極化が起きているといえるでしょう。

これは、老後生活のゆとりの二極化に繋がるとも考えられます。最低限の生活費の確保をゴールにするのではなく、余裕を持った貯蓄計画を立てておきたいですね。

※ここでいう「金融資産」とは、家計が保有する金融商品のうち、貴金属や現金、事業のために保有している金融商品、預貯金のうち日常的な出し入れや引落しなど生活費に対応する部分を除いた「運用のため、または将来に備えて保有している部分」となっています。
これに対して「金融商品保有額」とは、上記に加えて「運用目的ではない預貯金(日常的な出し入れや引落しなど生活費に対応する部分)」を含んでいます。
また、「金融資産を保有していない世帯」とは、預貯金や株式などの金融商品を保有していない世帯と、預貯金のみは保有しているがそのうち「運用または将来の備え」がゼロの世帯を指します。

金融商品は預貯金がトップ

では、どのような手段で貯蓄に取り組んでいるのでしょうか。先ほどの調査結果から、50歳代(二人上世帯)の種類別金融商品保有額を見ていきましょう。

【金融資産保有世帯のみの数値】
預貯金…849万円(うち運用または将来の備え547万円、うち定期性預貯金296万円)
生命保険…420万円
個人年金保険…148万円
株式…132万円
財形貯蓄…92万円

【金融資産を保有していない世帯を含んだ数値】
預貯金…687万円(うち運用または将来の備え442万円、うち定期性預貯金240万円)
生命保険…341万円
個人年金保険…120万円
株式…107万円
財形貯蓄…75万円

金融資産保有世帯の貯蓄額の平均値が1,828万円である点を踏まえると、貯蓄の半分近くを預貯金として保有しているという結果になりました。リスクのある投資より確実性を優先している世帯が多い、という表れなのかもしれません。

とはいえ、株式などの投資に取り組んでいる世帯も存在します。長期に渡って取り組む老後資金だからこそ、手元のお金を動かそうと考えているケースもあるのでしょう。

また、会社の財形貯蓄を活用している世帯も見られました。「貯蓄=銀行に預けておく」と捉われず、さまざまな貯蓄の手段を把握しておくと良いでしょう。

負債を抱える世帯は半数以上

続いては、負債の状況を見ていきましょう。総務省による「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)」の調査結果では、50歳代の二人以上の世帯における貯蓄のデータは以下の通りとなりました。

負債現在高…683万円
負債保有世帯の割合…53.5%

なお、40歳代の負債現在高は1,105万円、60歳代は207万円となっています。負債保有世帯の割合は40歳代が65.4%、60歳代が 26.8%となっていることからも、50歳代は負債を減らす踏ん張り時である様子がうかがえますね。60歳になる前に住宅ローンなどを完済する世帯も多いのでしょう。

まとめ

退職金がもらえる世帯があるとはいえ、老後資金として十分な額であるかは保証できません。老後直前に焦らないためにも、50歳代のうちにできるだけ負債をなくしておき、貯蓄に集中できる状態にしておきたいですね。「負債が減って余裕ができた」と油断することなく、老後資金の増加に追い込みをかけていきましょう。

ある程度お金が貯まったら、貯蓄を増やす取り組みも始めてみては。投資のメリットとデメリットを学んだうえで、老後資金をしっかりと貯めておきましょう。

【参考】
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成30年)」金融広報中央委員会
「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)」総務省統計局

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください