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「年末年始のストレス」実は世界共通?「完璧な幸せ」へのプレッシャー

LIMO / 2019年12月22日 18時45分

「年末年始のストレス」実は世界共通?「完璧な幸せ」へのプレッシャー

「年末年始のストレス」実は世界共通?「完璧な幸せ」へのプレッシャー

「家族団欒で穏やかな年末年始を」と願うものの、何故かストレスがたまり、イライラして夫婦喧嘩になってしまうといった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

実は、欧米でもこの時期は家族団欒や伝統行事を完璧にこなしたいというプレッシャーから、時にはうつ病を発症してしまうという深刻な「ホリデーストレス」に悩む人が増えているようです。

なにかとストレスフルな年末年始

折角の長期休暇なのに、やることが多すぎたり、嫌いな親戚に会わなくてはならなかったりと、年末年始は案外ストレスフルです。この時期に夫婦喧嘩が多いというのもよく聞く話です。

実は欧米では、日本の年末年始のような、ホリデーシーズンに発生するストレスを「ホリデーストレス」といい、この時期になると「ホリデーストレスを軽減する方法」といった記事をよく見かけるほど、ある種の社会現象となっています。

2018年の年末にアメリカ人男女2, 000人を対象に米マーケティング・リサーチサービスOnePoll社が行ったオンライン調査では、88%の人が何かしらの「ホリデーストレス」を感じているということが分かりました(※1)。 

ちょっとイラついて夫婦喧嘩、というくらいで済めばいいですが、「ホリデーストレス」はうつ病発症や悪化のトリガーとなってしまうくらい深刻なケースもあるようです。

正式に、ホリデーシーズンとは11月の感謝祭から12月25日、大晦日、元旦です。様々な宗教が集まるアメリカのような国では「クリスマス」と限定せず、全ての宗教に当てはまるように「ホリデー」といいます。

「完璧な幸せ」へのプレッシャー

日本のロマンチックなクリスマスとは違い、欧米のホリデーは「幸せなお祝い」という宗教心を重んじる行事です。それがゆえに、幸せのイメージや期待感が膨らみ過ぎてストレスとなってしまうケースが多いようです。

12月になると、世間のホリデー気分に合わせなければ、というなんとなく信仰心を試されるようなプレッシャーがあります。人々は「Happy Holidays!」と挨拶しあい、家の中も立派なツリーを外から見える大きな窓のそばに飾ったり、ホリデー用の装飾品を置いたり、お祝いの準備に忙しくなります。

道路は渋滞、レジは長蛇の列、募るイライラを無理に押し殺しながら、寛大さや幸せを意識するのも結構ストレスになるものです。

ホリデーギフトを選ぶのも一苦労です。一人一人に贈るので、出費も馬鹿になりません。ホリデー気分でつい奮発したり、見栄をはったり、周りからの期待に応えようと無理せずにはいられなかったりと出費がかさみ、後々のカード支払いを考えて落ち込んでしまう人も多いようです。

最近は幸せのイメージをInstagramやFacebookでシェアする人が増え、そういったイメージと自分を比べてホリデーストレスを悪化させてしまう人も増えているようです。

臨床心理学者のアレクシス・コナソン博士は米ウェブ誌「Psychology Today」の記事の中で、インスタ映えするような完璧なホリデーへの期待や、意気込みは手放すべき、できれば、自分が引け目を感じてしまうようなインスタグラマーのフォローはやめてしまうのもいいかも、といったアドバイスをしています(※2)。

家族というストレス

義家族や親戚との付き合いが原因となるストレスは世界共通と言っても過言ではないようです。いくら「家族と一緒にホリデーを過ごすことが幸せの象徴」という思いが強くても、家族の中のトラブルメーカーや鬱陶しい親戚と一緒にディナーテーブルを囲むのはやっぱり苦痛です。

特に、アメリカでは、お酒が入るとタブーと知りながらも政治的な議論を始める人がいます。民主党派か共和党派で意見が合わず口論になっては、気まずい雰囲気になってしまうということもよくあります。無神経に個人的なことを突っ込んで聞いてくる人には嫌気がさします。

嫁姑問題にストレスを抱える女性も案外多いです。どちらの家でホリデーを過ごすかで夫婦喧嘩になるというのはよくある話。息子(娘)夫婦が来てくれなかったことで、幸せ像が崩れて、落ち込む親も大勢います。

その一方で、一緒に過ごす家族や友人がいない孤独感にストレスを感じる人もいます。昔、家族と過ごした楽しかったホリデーを思い出しては、人恋しくなるのかもしれません。そういう人が最近増えているのか、ディナーパーティーやチャリティーイベントなど、人との繋がりを提供する企画をよく見かけます。

欧米の「ホリデーストレス」の背景には宗教心や伝統を重んじたいという気持ちの強さがあるようです。日本の年末年始には欧米のような宗教的なプレッシャーはないにしても、やはり伝統を重んじたいという気持ちがありますから、つい頑張ってストレスになってしまうのでしょう。

「正月早々イライラしてしまった」と自分や家族を責めずに、世界中皆同じような経験をしているのだな、と笑い飛ばしてしまうのはいかがでしょうか。「笑う門には福来る」。

【参考】
(※1)“Holidays stress out 88 percent of Americans, study claims(https://www.foxnews.com/lifestyle/the-holiday-stress-out-88-percent-of-americans-study-claims)”(FOX NEWS)
  (※2)“3 Tips to Manage Holiday Stress(https://www.psychologytoday.com/us/blog/eating-mindfully/201812/3-tips-manage-holiday-stress)”(Psychology Today)

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