現役女子大生が語るブラック就活体験談〜どんなセクハラ、パワハラがあったのか
LIMO / 2019年12月23日 20時15分
現役女子大生が語るブラック就活体験談〜どんなセクハラ、パワハラがあったのか
最近よく話題になるブラック就活。人事担当やリクルーターなどが自らの立場を利用して学生に無理難題を押し付けたり、セクハラめいたことをしたりすることがあるようです。そこで今回は、ブラック就活について現役大学生に聞いてみました。
”食事のお誘い”だけでは済まないことも
ある女子大に通うAさんは、金融機関志望の就活をする中でセクハラめいたことをされたと言います。
「リクルーターの人と知り合って、その人から食事に誘われた。就活ってそういうもんなんだと思ってついていった。複数人いて、懇親会みたいなものと思っていたのに2人だけでびっくり。そこで初めて違和感を感じた」と言います。
2人で食事をする中では、「Aさんは彼氏いないの?」「会社に入ってすぐ妊娠したやつがいた。社会人としてありえない。会社に入るときは独身かどうかっていうのを人事部はよく見るよ」などという発言があったとのこと。
Aさんは「新卒で会社に入ってすぐ産休、というのは正直すごいなあと思ったけれど、別に子どもを産むタイミングなんて人それぞれだし、誰かに『今はダメ』と命令されるようなことでもない。そこまで立ち入って話してくるのは正直非常識だなと思った」と話します。
Aさんの言う通り、産休に入るタイミングは本来ならば誰かに「今はダメ」とか「今ならOK」と言われる必要はないものですよね。Aさんは相手の男性に対して「ちょっと男尊女卑というか、女性蔑視みたいな感じがした」と振り返ります。
食事が終わると”もう1軒”と誘われ、大人な雰囲気のバーへ。Aさんはその金融機関が第一志望だったため抵抗できずに2軒目へ。カウンターで隣りに座ると、しばらくして手を触れてくることもあったと言います。「やっぱり若いと肌がすべすべだね」と言い、手を握られたAさん。その場はぐっと耐えたものの、もう会わないでおこうと決めたのだそう。
その後のLINEで「今度悩みを聞いてあげる」「就活ばかりで疲れてると思うから今度遊びに連れて行ってあげる」などと言われたものの、無視し続けて何とか逃げたと言います。
個人情報を掴まれているという恐怖
4年制大学で経済を学ぶBさん。マーケティング職に興味があり、いろんな企業のマーケティング職を中心に面接を受けていました。
ある大手不動産会社でも本社でマーケティング職の採用があったため、Bさんはその企業の面接へ。無事内定にこぎつけたものの、内定者懇親会での先輩社員との交流で問題が起きました。
非常に親切な男性の先輩と知り合いになり、連絡先を交換。まだ他社と迷っていることも受け入れてくれ、無理に自社への入社をすすめくるようなこともなかったのだそう。
そこで安心したBさんは就活の悩みを打ち明け、仲良くなったと言います。その後、食事に誘われるようになり、2度目までは何も考えずに2人で食事をしたと言います。
緊張して食べられないBさんを気遣ってくれるなど優しい面もあったそうですが、会話の中で「Bちゃんにはうちに来てほしい」「一緒に働こう」と入社をすすめられるように。2回も食事をおごってもらっている負い目があり、何も言えなかったBさん。
「あまり企業の担当者やリクルーターと仲良くなるべきじゃないと思った。自分の迂闊さに絶望した」と言います。その後もしつこく連絡がきて、怖くなったBさんが無視すると「先日のご飯代、請求するよ?」「オレの貴重な時間を使ってこんなに親切にしたのに裏切る気?」などと脅迫めいた言葉が来るようになったというのです。
Bさんはその企業に入社するのをあきらめ、LINEも拒否。「でも相手は私の履歴書を見ているだろうし、住所や大学名など個人情報を全部持っているから本当に怖かった」と振り返ります。
就活で起こるこうしたハラスメント行為の怖いところは、相手が自分の個人情報を知っているところです。Bさんも言っていましたが、企業の担当者やリクルーターと個人的に仲良くなりすぎるとトラブルが起きたときに対処しづらくなってしまいます。
学生という自分よりも弱い立場の人間にそのようなことをする社会人が悪いのは間違いないのですが、そういう人間がいる以上防衛も必要だということは心しておきましょう。
結婚していたらNG? 面接で質問攻めに
学生結婚をしたCさんは法律専攻。子どもはお互いに社会人として生活基盤がしっかりしてからにしようと決めていたそうです。しかし、結婚していることを知った人事担当者はみんな一様に、いい顔をしなかったと言います。
「すでに結婚しているとこちらからわざわざ言わなかったけれど、『結婚や出産などを含めたキャリアプランはどう考えるか?』と聞かれると答えざるを得なかった」のだそう。
「生活基盤がしっかりしてから子どもを育てたいと言っても、『それはいつ?』『たった2、3年で産休に入られても困るよ』『産休とか育休っていうのは会社にしっかり貢献してから取るべきだ』などと責め立てられることもあった」と言います。
Cさんは「夫も同じ時期に就活していたけれど、そんなことを言われることは一度もなかったと言っていた。女性であるというだけでこんな目にあうのはおかしい」と不満を募らせます。
そもそも、企業が家族計画にまで首を突っ込んでくること自体がおかしいのですが、こうした目に遭っている女性は少なくありません。
筆者も、就活時に結婚していたわけでもないのに「結婚の予定は? 子どもはどうするの? つくる気ある?」と聞かれました。こういう事態がなくなるといいのですが、今の日本ではそれも時間がかかりそうですね。
まとめ
セクハラやパワハラ、そして聞くべきではないことを聞かれるといったハラスメントを受けることも多い就活。こうした就活で疲弊してしまうのは学生たちです。せめて、希望を抱いて社会に出られるような明るい日本にしたいものですね。
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