「看板」を広告スペースだけに使うのはもったいない! ビジネス拡大の秘訣とは
LIMO / 2020年1月11日 20時15分
![「看板」を広告スペースだけに使うのはもったいない! ビジネス拡大の秘訣とは](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_15021_0-small.jpg)
「看板」を広告スペースだけに使うのはもったいない! ビジネス拡大の秘訣とは
スターリンク長尾社長に聞く(前編)
先日、私が代表を務めるハッチ・ワークが開発した「アキマチ」が、イノベーションズアイ主催の「革新ビジネスアワード2019」で栄誉ある大賞を受賞しました。「アキマチ」は月極駐車場の稼ぎが勝手に増えるという革新的な看板です(詳細はこちら(https://www.innovations-i.com/award/2019/))。
実は、看板を単なる広告スペースにせず、新たな価値を生み出すものにする方法を私に教えてくれた人がいます。たかが看板と思うかもしれませんが、発想ひとつで素晴らしいツールとなる。その発想を拡大して事業を伸ばしていき、上場までした方です。今回はその方のインタビューをお届けします。
継続的に営業アプローチをするための「看板」
現在、民法改正という大きな流れが来ています。その中で保証人制度変わるのですが、このタイミングに合わせて登場した家賃債務保証サービス「オフィス保証24」が業界で注目を集めています。
この「オフィス保証24」を展開するスターリンク株式会社の代表取締役社長、長尾泰治(ながお・やすはる)さんの事業の作り方には、私もかなり影響を受けています。長尾社長は私のストックビジネスの基礎的知識に大きく影響を与えた、いわばビジネスメンターです。
彼の行動はというと、業界の常識に染まらずに着想し、目先の利益では動かず、ストックビジネスにしか興味がないように見えます。では、そういう行動を続けると、時間とともに事業はどうなるのでしょうか。
長尾社長は、現在のスターツコーポレーションに入社。その後、今では上場企業となったエリアリンク株式会社の創業に参加して経営基盤を作り、さらに自らスターリンク株式会社を起業し、新たなビジネスを次々に作っています。まずはスターツから独立してエリアリンクの創業に参加したころの話からお聞きします。
長尾:エリアリンクでは、トランクルーム事業を始める前に土地を借り上げて駐車場(トラックヤード)や資材置場などとして運営するサブリース事業を行なっていました。固定資産税が掛からずに土地を保有できているようなものですから、本当に最強の仕組みだと思いました。もちろんサブリース先の選定は重要ですけどね。
大竹:そういえば、私が長尾社長に出会った頃から「サブリースは最強!」とおっしゃっていましたね。
長尾:時代が良かったのもありますが、ポイントは空き地に看板を立てさせてもらうことで、土地オーナーへのアプローチと関係性を保つための仕組みができていたことだと思います。
大竹:確かに、営業には継続してアプローチする仕組み、つまり嫌われるのではなくて相手に喜ばれながら通い続けられるというのは大事ですね。
長尾:毎月の看板料をあえて持参するのですから、土地オーナーも毎月顔を出してお金を持ってきてくれる担当者を悪く思うわけはなく、当然のように家にあげてお茶を飲んで世間話をする。
大竹:結構、大家さんは暇ですからね。
長尾:そうです。そしてその世間話から不動産を含めた相談が自然に生まれるという仕組みです。
大竹:まさに「積層ビジネス」ですね。空き地に看板を立てさせてもらって、その賃料を持参して世間話をする手法はストックビジネスアカデミーでも素晴らしい仕組みとして何度も紹介させてもらっています。
長尾:その仕組みは、エリアリンク時代からですね。
大竹:そうですか、私はてっきりスターツさんの手法とばかり思っていましたが、心憎いまでの地主さん囲い込み方法を実践したのは長尾社長自身だったのですね。
「看板」の副次的効果
長尾:これはエリアリンク時代の話ですが、地元の千葉で自社の看板をいたるところに立てさせてもらいました。
大竹:地主さんとの関係強化ですか?
長尾:それもそうなんですが、あちらこちらに看板があると、地元の最大手と思われて競合への参入障壁にもなる。笑い話ですが、看板は空き地に「貸地のことなら◯◯へ」という宣伝看板なのですが、単に看板を立てさせてもらっているだけでも、その看板が立っている所が空き地なわけですから土地への問合せが入ることもありましたね。
大竹:別にその土地を貸し出そうとしているわけでもないのに、立っている看板を見て電話がくる(笑)。
長尾:そうです(笑)。そして条件を聞いて土地オーナーに伝えると、既に人間関係があるので話も決まりやすい。
大竹:広告看板は広告としか普通の人は発想できませんが、そこまで意識している不動産業者は少ないと思います。これはヒント満載です。
長尾:アナログで地味にみえますが、なくてはならない看板は奥が深いとても有効な手段です。
以上は、「実践企業インタビュー※」から一部抜粋したものです。まだ先はあるのですが、それは後編にまわします。
※事例解読レポートはストックビジネスアカデミーの会員限定オリジナルコンテンツです。
おわりに
さて、ここまでいかがでしたか。あなたのまわりにもビジネスのきっかけになるものはありませんか。
こういうチャンスに気づくには一人で考えないで、みんなでその価値は何?と意見し合えばいい。「そうか、看板を広告掲載の板と考えずに営業訪問するための道具と再定義するんだ」と、だんだん思考のコツがわかってきます。この再定義をすることがストック思考なのです。
筆者が携わるストックビジネスアカデミー(http://otaketakahiro.com/jissen)は、そこに集う仲間とお互いに気づきを与え合う経営者コミュニティーです。そこでは会員に思考のヒントを送り届けるために、毎月ストック思考をフル活用して事例解読をしています。ご興味のある方は一度覗いてみてください。
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