冬休みにスマホやゲーム三昧!親はどう接するべき?進学塾塾長が答える「子どもを伸ばす接し方」
LIMO / 2019年12月26日 11時45分
冬休みにスマホやゲーム三昧!親はどう接するべき?進学塾塾長が答える「子どもを伸ばす接し方」
冬休みは寒いこともあって、家の中でだらだらとスマートフォン(スマホ)やタブレットを見ていたり、ゲームばかりやっていたり…と、子どものことで親が「困った!」となりがちです。
進学塾VAMOS (バモス)代表である富永雄輔先生は、「冬休みのそんな悩みもポジティブに『学力が伸びるサイン』に変えていける」と言います。
入塾テストなしなのに、生徒を難関校に続々合格させる塾がVAMOS (バモス)です。その塾長の富永先生は、まさに「子どもを伸ばす達人」。親が困ってしまう子どもの行動は、子どもからの「サイン」だととらえて、適切な対応をすれば「学力を伸ばすことにつなげることも可能」だと言います。
書籍『それは子どもの学力が伸びるサイン!(https://amzn.to/2s2yaLL)』(廣済堂出版)では、富永先生がピンチ別に「具体的な解決法」を数多く提案しています。今回はそこから、子どもの「サイン」に対して親がどう接するべきか、そのヒントをご紹介します。
冬休みの困った!ゲームやネットばかりしている!
→集中力を伸ばすチャンス!
時間がたくさんあって、とりたてて予定のない冬休み。
お子さんがゲームや動画、スマホ等に夢中で、宿題や勉強をしないでだらだらしているのを見ると、ついイライラしてしまう親御さんは多いと思います。
一方、私はどんなものであっても、「集中力を持続させる」ことは大事なスキルだと考えています。 どんなによくできたゲームでも、集中力がなければ、何時間もできません。ゲームや動画に1時間も2時間も夢中になるお子さんは、裏を返せばそれだけ集中力を持続するスキルがあるとも言えます。
幼児向けのテレビ番組が15~30分なのは、その年齢の子どもの集中力の限界がその辺りにあるからにほかなりません。
学校がある時期は、塾や習い事でスケジュールがいっぱいなので、飽きるまで何かをやる時間が確保できていないケースがほとんどです。実は長時間何かに集中する経験が十分でないお子さんは、勉強もすぐに飽きてしまう傾向が見られます。好きなことにさえ持続的に集中した経験がないのに、それより明らかにハードルが高い勉強にだけ集中させようとしても、うまくいかないのは当たり前です。「何かに持続的に集中する」経験が大事なのです。
「同じ集中するなら、スポーツとか読書をしてほしい」のが親御さんの本音かもしれません。もちろん、子どもがスポーツや読書が好きならよいですが、もっとも集中できるのは「好きなもの」です。その点、ゲームや動画は多くの子どもがほぼ共通して大好きなので、これを利用しない手はないと思います。そこで培った集中力を勉強にも生かすのです。
「集中力を鍛える」目的をもって、冬休みの間に1回か2回くらいはゲームやスマホ、漫画でもなんでも好きなことを2時間やらせるのは、子どもの成長において吉と出ると私は考えています。「2時間」にしたのは、子どもが好きなことであっても、集中できるのはそのくらいが限度で、それ以上はダラダラやっている可能性があるからです。
VAMOSで子どもたちを指導している東大生からも、「子どもの頃はゲームが好きだった」という声はよく聞かれます。しかも彼らに共通するのは、小学2、3年生の比較的低い年齢で一度ゲームにかなりハマったものの、そこから抜けた経験があることです。
今の世の中、どこかで一度くらいはゲームや動画にハマる時期は必ずあると考えておくほうが妥当です。そして、ハマる期間は1、2年でしょうか。だとしたら、少し早めの段階で飽きるほどやらせて、受験などの大事な時期にスムーズに離れていくように仕向けるほうが賢いやり方なのかもしれません。
中途半端な満足感ではズルズルといつまでもやり続けますし、完全に禁じたとしても、思わぬきっかけで受験直前の大事な時期にゲームやスマホの魅力に取り憑かれて離れられなくなる危険性だってあります。
冬休みの困った!スマホなどのデジタル端末は万能?悪?
→学力を伸ばすツールとして活用するしかない
ゲームと同様ですが、スマホやネットなどとの付き合い方は、教育現場でも賛否両論です。
しかし、デジタルツールを取り入れた授業は一般的になりつつありますし、今後は入試にタブレットを導入する学校も出てくるのです。デジタルに関して、親が子どもにまかせっきりにするのはよくないですが、過剰管理も必要ありません。
家族の会話の中でネットの危険性を話題にすることや、年齢に応じたフィルターをかけて、閲覧できるサイトを制限する、少なくとも小学生までは自分の部屋ではなく、家族がいるリビングルームでのみ使わせるといった最低限の対策さえ講じていれば、基本的には過剰に心配する必要はないというのが私の考えです。
スマホは勉強の邪魔になるのでは?と心配される親御さんも多いと思いますが、小学5年生以上であれば、いっそのこと、デジタルツールを勉強に利用してしまうとよいかと思います。スマホ、タブレット、パソコン、何でもよいのですが、今まで1時間かかっていた勉強が、デジタルツールを利用すれば能率が上がり、10分で終わるかもしれません。
デジタルツールがほかと比べて、勉強に役立つ特徴は、「音声が出る」「動画が見られる」「立体で見られる」「画像が見られる」「検索すると、すぐに出てくる」「色の変化が見られる」などです。 宿題の管理ツールや漢字や計算などの学習ソフトなども有料・無料でネット等にあるので、子どもによっては紙よりも興味をもって取り組みます。YouTubeで上がっている授業もかなりレベルが高いものもあります。
低学年のうちは積極的に取り入れる必要はないのですが、どうしても勉強が嫌いな場合、きっかけづくりのひとつとして早めにデジタルを入れるのもありです。小学3、4年生くらいにはデジタルツールの使い方をマスターして、その後少しずつ勉強の効率化に取り入れるのがよいかと思います。5年生以上はデジタルツールも積極的に利用できるようにするとよいでしょう。
まとめ
短いようですが2週間ほどある冬休み。お子さんの好きなものを利用して集中力を養ったり、デジタルツールをうまく活用して勉強に活かしたりと、有効に過ごせるといいですね!
〈書籍情報〉
『それは子どもの学力が伸びるサイン!(https://amzn.to/2s2yaLL)』
著者:富永雄輔
発売日:2019年11月
定価:1,400円(税抜き)
発行:廣済堂出版
〈著者プロフィール〉
富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)
進学塾VAMOS (バモス)代表。幼少期の10年間、スペインのマドリッドで過ごす。京都大学を卒業後、東京・吉祥寺、四谷、浜田山に幼稚園生から高校生までが通塾する進学塾「VAMOS」を設立。入塾テストを行わず、先着順で子どもを受け入れるスタイルでありながら、毎年約8割の塾生を難関校に合格させている。
受験コンサルティングとしての活動も積極的に行っており、年間300人以上の家庭をヒアリング。その経験をもとに、子どもの個性にあった難関校突破法や東大生を育てる家庭に共通する習慣についても研究を続けている。
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