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「つい高い物を買ってしまった…」には理由があった!? 日常に潜むハロー効果とは

LIMO / 2019年12月29日 19時45分

「つい高い物を買ってしまった…」には理由があった!? 日常に潜むハロー効果とは

「つい高い物を買ってしまった…」には理由があった!? 日常に潜むハロー効果とは

「節約しよう!」と心がけていても、ついつい出費が増えてしまうことはありませんか? ふと思い返すと、ブランド物のバッグや外食での少し高めの料理のような「なんであのとき買ってしまったのだろう?」と後悔してしまうことは多いと思います。

実は、心理学と経済学を融合させた行動経済学の研究では、こういった現象の起こる原因の一つは「ハロー効果」によるものだということが分かっています。

ハロー効果とは、簡単に言うと「値段が高いものほど上質に見える」という思い込みのことを指し、買い物という場面だけでなく、企業の広告や仕事など日常のいたるところに潜んでいます。ちなみに筆者も「ハロー効果にかかっていた…」と後になってから思うことが多々あり、避けることはなかなか困難です。

そこで、今回はハロー効果の意味や実例、行動経済学の研究を解説し、不必要な「高い買い物」を控える具体的な方法を解説していきます。

「ブランド物は上質」というのは本当?

ブランド物が本当に好きで購入している方は別ですが、購入後に「高い買い物をしてしまった」と後悔することが多い方は、ハロー効果に騙されてしまっているのかもしれません。

ハロー効果とは一言で言うと、「人や物の価値を過大評価してしまう」ことです。

たとえば本来であれば、品質やデザイン、利便性など購入前に十分に検討するようなことをよく確認せずに、これはブランド物で値段が高いからそれだけの価値があるものに違いない、と思い込んでしまうのです。

しかし実際には、ノーブランドのバッグでも実はブランド物と同じくらい上質であるものもたくさんあり、さらに上質なものを賢く安く手に入れることで、自分の満足度も上がるかもしれません。

このように、ハロー効果を意識して買い物することは節約にもつながっていきます。買い物をするときは「値段が高いからといって本当に上質なの?」と自分自身に問うようにしてみましょう!

「人間関係」でも出現するハロー効果【行動経済学の研究】

ハロー効果は生活のいたるところで出現し、例を挙げるとキリがありません。その中の1つとして、「人間関係」においてもハロー効果が大きく影響してしまうということがあります。

たとえば、優秀な経営者や高学歴の人が話す内容はどれも正しいと感じてしまうことはありませんか? しかし、冷静に考えると経営者は「会社経営において優秀」なのであり、高学歴の人は「(過去の)テストで高得点をとってきた」という経歴にすぎません。

ですので、肩書や経歴が素晴らしいからといって、その人の話す内容すべてが他の人よりも優れているとは限らないはずです。それなのに、肩書や社会的地位、経歴などから、その人の言動や人間性までをも過大評価してしまうというような傾向は日常生活のいたるところで見受けられます。そういった思い込みをハロー効果というのです。

会社における人事についても同じことが言えます。「仕事はできるけど部下のマネジメントができない人」が上司になると、プロジェクトで結果が出ないということは大いにあるでしょう。逆に、「仕事の出来具合は人並みだけど部下のマネジメントが上手な人」だとプロジェクトで結果が出やすくなります。

つまり、人事においても的確に社員の能力を見極める必要があるのですが、日本経営工学会論文誌に掲載された石橋貞人氏の研究(2005年)では、人事評価におけるハロー効果の存在を示しています。

要するに、本来ならばポジションに見合った能力を持つ社員を適切に配置すべきなのに、ハロー効果によって「あの人は仕事ができるからきっと部長職もできるだろう」と評価してしまったり、「あの人は仕事ができないから部下のマネジメントなんてできない」と評価することが起きてしまうのです。

日常に潜むハロー効果の実例

それでは、日常生活におけるハロー効果を3つの実例と共に紹介していきましょう。自分に思い当たるふしがないか、確認しながら読んでみてくださいね。

1. 高いお寿司はおいしく感じる

高いお寿司やレストランの料理は、もちろん上質で素晴らしいものです。しかし、上質なものと通常のものの区別がつかない場合には、わざわざ上質なものを選ぶ必要はあるのでしょうか?

実際に食べる前から、お寿司屋さんやレストランの雰囲気、店主・ウエイターの振る舞いに飲み込まれてしまい、「これだけ値段が高かったらきっとおいしいだろう」とハロー効果によって思い込んでしまっている可能性があります。

2. 広告に有名女優が出ていると安心する

一般的に消費者金融の広告には有名な女優さんが出演していることが多く、行動経済学ではハロー効果の代表的な例だと知られています。

つまり、消費者金融は怪しいイメージがある一方で、女優の上品でかつ安心感を与えるというイメージ戦略により「この女優さんが出ているから安心だろう」と思い込んでしまうのです。

3. デパートコスメは品質が高いと感じる

デパートコスメを買ってしまう理由も同じです。

実際のところ、化粧品の成分表を見て購入している方はどれだけいるでしょうか。またデパートコスメは、ブランドによっては多大な広告宣伝費が商品自体の値段を引き上げている場合もあります。それでもなお、デパートコスメを買ってしまう理由は「高いから上質に見える」というところも大きいでしょう。

まとめ

ハロー効果は生活のいたるところで存在し、完全に避けることはできません。しかし、ハロー効果を知ることで最小限に予防することはできます。

高い買い物をするときは、購入前に「自分に本当に必要なものなのか」「ハロー効果に騙されていないか」と一呼吸おいて考えることを習慣つけると、高い買い物で後悔することがぐっと少なくできるはずですよ!

【参考】『The Estimation of Halo Error Using Second-Order Factor Analysis(2次因子分析によるハロー効果の測定)(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jima/56/2/56_KJ00006065071/_pdf/-char/ja)』(石橋貞人)

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