「グミ」で子どもの脳の発達と食育にどんな影響が? 発達心理学者の内田伸子さんに聞く
LIMO / 2019年12月29日 10時45分
![「グミ」で子どもの脳の発達と食育にどんな影響が? 発達心理学者の内田伸子さんに聞く](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_15119_0-small.jpg)
「グミ」で子どもの脳の発達と食育にどんな影響が? 発達心理学者の内田伸子さんに聞く
女性の社会進出や共働き夫婦の増加は、子どもを取り巻く環境を大きく変えています。そのうちの一つが、子どもが口にする食べ物。液体ミルクやベビーフードといった乳児期向けのミルクや離乳食はもちろん、幼児期向けのお菓子にも忙しい親を前提とした商品が続々と登場。
そうした親にとってある意味では都合のいい食品は、どうしても「子どもにとっては害悪なのではないか」という罪悪感がつきまといます。実際に筆者がそうです。そこで来春に発売されるカンロ「あそぼん!グミ」の発表イベントに登壇された発達心理学者の内田伸子さんのお話から、その罪悪感をなくすヒントを探りました。
「あそぼん!グミ」が2020年春に発売
カンロがこのたび2020年の春に発売することを発表した「あそぼん!グミ」は、同社で実際に5歳と2歳の子どもを育てるマーケティング部Kanro五感ワクワクプロジェクトリーダーの片桐依里さんが中心となって作ったグミ。12月18日に行われた記者発表では、片桐さんが開発経緯を語りました。
親からすると、子どものおやつは電車内や外出先などの愚図り対策やご機嫌取り、さらにはお楽しみイベントやご褒美として与えたいもの。しかし、添加物や栄養面などが心配で積極的に与えるのは躊躇してしまいます。「あそぼん!グミ」(「どうぶつの世界」、「うみの世界」の2種類展開)は、そうした親のジレンマを解消しつつ、子どもにとっても嬉しいポイントを詰め込んだそう。
カラフルで思わず手に取りたくなる形と触感だけでなく、人工甘味料や合成着色料を使用せず、国産果汁を使うなど安心にも配慮しています。子どもの好奇心や五感を刺激し、親も安心して与えたくなる新しい子ども向けグミとなっています。
たしかにかわいらしいデザインで子どもが遊びたくなる「あそぼん!グミ」。しかし、親としては「食べ物で遊ぶ」という習慣を助長してしまうのではないかと不安にもなります。
その点について片桐さんに深く聞くと、「あくまでワンアクションにとどまれる質感にこだわりました。粘土のようにこねたり何度も触って遊んだりするおもちゃではなく、目で見て手に取って動物の形やカラフルな色を楽しんだあとにパクっと食べられるようなシチュエーションを想像しています」という返答がありました。
拡大する(/mwimgs/8/2/-/img_820f1cf16b7b38ae41978ae1d6987db7179490.jpg)
2020年の春に発売される「あそぼん!グミ」
おやつを通じた食育や親子のコミュニケーションはどうすればいい?
そもそもグミは、知育の面ではどのようなメリットがあるのでしょうか。
記者発表にゲストとして登壇した内田さんは「噛んだ時の音が振動として耳から脳に伝わり、食べる時の触覚は大脳辺縁系に刺激を与え、快適な感情状態を引き起こします。また噛むことで楽しさや嬉しさ、おいしさが感受され、飲み込む時には嚥下能力も発達させるなど、グミはとてもいい反応を及ぼすと言えます」と語ります。
また内田さんは、「乳幼児から児童期にかけての子どもは、まわりにあるものの中で自分が操作できるものが大好きです。特に生き物、乗り物、食べ物には強い関心を持ちます。保育園に行く途中に見る草や花、葉っぱなどなんでもおもちゃにするように、おやつも子どもの遊びを誘う“遊誘財”と捉えることは子どもの好奇心を育むでしょう」と、説明していました。
また総合学習である食育は、人と関わることの社会性やマネジメント能力などの非認知能力を育むとも内田さんは言います。一般的にグミは、歯がしっかり生えそろって咀嚼可能な年齢からでないと与えるのが難しいおやつ。だからこそ、食べ物はちゃんと噛まなければいけないものだ、と伝えるための道具にできるそうです。
「そのようなセルフマネジメントの基礎が養われ、次はどんな種類が出てくるのかと袋に手を伸ばすことで想像力や挑戦力、実行力も育まれます。そんな子どもの姿を見守れたり、『これはどんな味?』『これはなんのどうぶつかな?』と会話が弾んだりするおやつを選ぶと、食育や親子のコミュニケーションにとってもいいのではないでしょうか」と、食育につなげられるおやつ選びについても言及しました。
子どもだけでなく、親子にとって嬉しいおやつや食品が増えている
子ども向けに展開される食品に関しては、子どもの発育や興味関心にアプローチすることと同じくらい、親にとって家事育児の負担感がないことも重視されている大きなポイントです。
たとえば今年の春には、サントリーから牛乳と混ぜるだけで手軽に飲める栄養機能食品「GREEN DA・KA・RA まぜまぜスムージー」が発売。忙しい朝に、子どもがなかなか朝食を食べてくれないといった共働き世帯の親と、まぜまぜすることで楽しみながら朝食を摂れる子どもの双方を考えられた商品です。
また平日なかなか買い物に行けない共働きの親は、週の後半くらいから冷蔵庫内にある食材を組み合わせて子どもの夕食を作らなければならず、子どもが進んで食べてくれないことも。そんな親の悩みを発端として、ハウス食品からは2月に「味付カレーパウダー バーモントカレー味」が発売。ふりかけるだけで子どもが喜ぶ夕ご飯が作れるということで、多くの親から支持を得ています。
子どもに食べさせる食品に関しては、常に「もっと手の込んだ料理を作らないと親失格?」「外食や中食で済ますのは子どもがかわいそうなのではないか」「この食品は子どもにとって悪影響なのでは?」といった罪悪感や不安は尽きることがありません。
しかし、親の負担をラクにしてくれる便利な新商品の数々で親子のコミュニケーションが増え、親も子も笑顔になるのであれば問題なんてないはず。そんなことを取材を通じて感じました。
【参考】「カンロ「あそぼん!グミ」2020年春登場!ピュレグミ、カンデミーナに続く第3の旗艦商品開発で新市場に参入!(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000041274.html)」
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