我が子が成長するお年玉の渡し方~お金のことをどう教える?
LIMO / 2019年12月28日 20時25分
我が子が成長するお年玉の渡し方~お金のことをどう教える?
なんでも欲しがり、物を大切にしない子どもにうんざりすることはありませんか? それは子どもがお金の大切さを理解していないからかもしれません。
特に最近ではキャッシュレス化で現金を使う機会も減っており、子どもたちは大人が想像する以上にお金について鈍感になっている恐れもありそうです。また、低金利が続き資産運用は非常に大切な課題となっています。子どもにお金の使い方や貯め方を教えるにはどうすれば良いのでしょうか。
日本人はお金の運用に消極的?
少額投資非課税制度(運用収益が非課税となる投資口座)であるNISA/つみたてNISAの口座数は、2019年3月末で合計753万口座。人口比での口座保有率は6%程度と、ほぼ17人に1人しか保有していない計算です。
年齢別の当該口座保有比率を見ると20代では2.6%、30代で5.1%、40代は5.3%、50代は6.4%程度と、若い人ほど口座を保有していない傾向にあります(平成28年10月1日現在)。この結果からも日本人、特に若年層のお金に対する関心の薄さがうかがえます。
お金の教育は一朝一夕にはいかない
資産形成とは一朝一夕にできるものではなく、コツコツ積み上げていくものです。また、お金の知識も勉強しなければ身に付くものではありません。そのため、家庭において親がお金に興味がなく、資産運用などの経験がなければ、当然子どもにもお金に関する知識は身につきません。
節税メリットのあるNISA/つみたてNISAが伸び悩んでいるのにも、お金の知識に対する自信のなさが一因となっているのかもしれません。また、有価証券投資はリスク資産への投資が基本ですから、元本を絶対割りたくないならば預貯金中心の運用になります。貯金額が少なければリスク資産までの投資まで手を出すことができないという事情もあるかもしれません。
親世代にお金の知識がなく、勉強しようとも思わなければ、子どもたちもお金に関する知識がないまま大人になってしまいます。今後のためを思えば、子どもが幼い頃からお金に関する話題をオープンに話したり、親世代にお金に関する知識がないのであれば一緒に勉強するスタンスをとることも大切です。
具体的には、給料いくらに対して生活費はいくらになり、どこを削れば貯金ができるかなど家族全員で話してみましょう。多く使いすぎていると判断した項目を家族みんなで協力して削ることができれば家族の連帯感も高まるのではないでしょうか。
また、浮いたお金に関しても、株式や投資信託などの金融商品を調べてどこに投資するかを考え、資産運用してみることで銀行預金以外の貯蓄に触れることができます。従来はこのような話を子どもにするのはタブーという風潮もありましたが、子ども達が大人になって家計を預かることになるとき、このような経験は役に立つでしょう。
お金はスマホから湧いて出てくるもの?
キャッシュレス化が進み、クレジットカードでの支払いや電子マネー、スマホ決済などが増えてきています。
最近ではキャッシュレス決済によるポイント還元キャンペーンも頻繁に行われていますし、政府もキャッシュレス決済を推進する方針ですので、現金での支払いは今後ますます減っていくでしょう。そんな中、現代の子どもは、バーチャルなお金と実際の小銭や紙幣の価値が一致していないこともあるそうです。
確かに大人でもクレジットカードのことは「魔法のカード」などと言いますが、子どもの頃から大人がクレジットカードやスマホで買い物をしている姿を頻繁に目にすれば「クレジットカードやスマホさえあればなんでも買い物ができる」と勘違いしてしまうこともあるでしょう。
もはやキャッシュレス化は避けて通れないものですが、時には現金という物理的なモノで支払いをするなど、子どもに「使えば減る」ということが実感させることが必要かもしれません。
お年玉を使ってお金の教育をしてみよう!
まとまったお金(現金)をもらえるお年玉は、子どもにお金の大切さを教えるチャンスです。小さな子どもでも、もらったお年玉で欲しいと思っていたものを自分で購入させることで、「お金があれば欲しいものが買える」ということが理解できます。
足りなかった場合は、「お手伝いをしたらお小遣いをあげる。お年玉とお小遣いを貯めておもちゃを買おう」などルールを決めることにより、子どもは働くことでお金を得ることができると身をもって実感できるのではないでしょうか。
また、子どもが中・高校生なら「投資をすればお金を増やすことができる可能性がある」ということを教えて、お年玉の一部を株や投資信託への投資を勧めてみても良いかもしれません。投資によりお金が増えるという成功体験を積むことができれば、お金に関心が増したり、無駄遣いを止めたりということにつながるかもしれませんね。
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