【2020年】保険の最新傾向がわかる! 「がん」「介護」「貯蓄」編
LIMO / 2020年1月5日 20時15分
【2020年】保険の最新傾向がわかる! 「がん」「介護」「貯蓄」編
人生100年時代には、保険によるリスクへの備えについても今一度考えてみることが必要になります。最近は、ライフスタイルの多様化や高齢化が進行し、また医療事情の変化などにより、以前は考えてこなかった分野の保障へのニーズが増えてきています。
前回の記事(https://limo.media/articles/-/15141)では、「死亡保障」「就業不能保障」「医療保障」についてみてきました。今回は、「がん」「介護」「貯蓄」に関する保障の最新傾向についてみていきたいと思います。
がんに備える保険
がん保険は従来、一時金で受け取る診断給付金と入院給付金をベースに、入院後の通院や、入院を伴う手術を保障するものが主流でした。
現在のがんに対する治療は、「手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」が3大治療とされており、長期入院よりも短期入院、もしくは入院せずに通院治療のみというケースも増えています。従来型の保険は、通院治療については入院が支払い要件になっているタイプも多く、このトレンドをカバーしきれていないケースもあります。
そこで、最近は診断給付金に重点を置くタイプや、入院の有無を問わず3大治療に対して給付金を支払うタイプなどが増えてきています。また、入院を伴わない通院治療や療養、未承認の抗がん剤治療といった自由診療など様々な費用に対応できる保険も出てきています。
また、がんだけでなく、急性心筋梗塞や脳卒中を加えた3大疾病時に一時金や年金で備えることで、通院や抗がん剤治療に備えるという方法もあります。
がん治療も常に進化しています。現在加入している保険の保障内容を確認し、どういった場合にいくら出るのかをしっかりと確認しておきましょう。
介護に備える保険
高齢化が加速する中、65歳以上の要介護者数も増加しており、介護に対する保障のニーズが高くなってきています。公的な介護保険は、利用者に必要な介護の度合いに応じて、設定された金額以内での総合的な介護サービスが提供されるという「現物給付」となっています。
ただ、公的介護保険だけでは十分ではなく、自宅のバリアフリー改築や施設への入居資金や生活費など、経済的な負担を抱えるケースも多くあります。金銭的な余裕がない場合、配偶者や子どもが仕事を辞めなければいけなくなる介護離職なども問題となっており、介護をする側の生活も行き詰まってしまいます。
従来型の介護保険に加え、注目されているのが認知症保険です。
認知症は、要介護度が低くても徘徊や暴言の繰り返しなどの問題行動が生じやすいため、自宅で面倒を見ることが困難で、デイサービスやショートステイの利用が必要だったり、さらに医療行為が必要になると、利用できる施設も限られ、費用が高い施設を利用しなければいけなることもあります。
認知症の症状が進行すると、銀行や保険などお金まわりの手続きにも制限がかかるため、家族への負担がさらに大きくなります。保険は、指定代理請求人をあらかじめ指定していれば、家族でも保険金を請求できるので、必ず設定しておきましょう。
認知症保険には、予防給付や認知症予防につながるプログラムが用意されている商品もあります。早めの対応で、進行を遅らせることも重要かもしれません。
ただでさえ、家族に心理的、身体的な負担のかかる介護なので、少なくとも経済的な負担はかけたくないものです。そのためには、50代ごろを目安に介護保険や認知症保険の検討を進めると良いでしょう。
貯蓄型の保険
かつては、円建ての商品でも10年で倍になったりと、貯蓄性商品として非常に魅力のあるものでした。教育費には学資保険、将来や老後の貯蓄に終身保険や養老保険、個人年金保険の活用が一般的でした。
しかし、マイナス金利政策により、各保険会社も運用が難しくなり、円建ての貯蓄性商品はほぼ魅力がないものとなっています。そのため、日本円に比べると金利の高い外貨建ての保険に移行しているのが現状です。
教育費や老後資金準備として、外貨建て保険を活用される方も増えてきていますが、安易に利用するのではなく、積立利率や為替リスク、手数料などもしっかりとチェックすることが重要です。
また、あくまでも保険であり、株式や投資信託のような純粋な投資商品ではないため、ただ増やすために運用するという目的の場合は効果的ではありません。あくまで保障も必要だが運用もしていきたいという方にお勧めです。死亡だけでなく、がんなどの3大疾病の保障を外貨で準備できる商品もあります。
外貨建て保険は、余裕資金や、相続対策などで活用する場合は一時払いタイプ、中長期的な資産形成で活用する場合は、時間分散を図る意味でも月払いタイプが効果的です。
また、保障のレバレッジを考えれば掛け捨ての保険、健康に留意しながら貯蓄性を求めるのであれば貯蓄性の保険と、使い分けるのも重要です。
まとめ
前編、後編と保険の最新動向についてみてきましたが、ライフスタイルの多様化や少子高齢化などの社会状況の変化、医療の進化などに伴い、保険も多様化し変化しています。
しかし、いつの時代でも大切なのは、自分がどのような生活を送りたいか、それに対してどのようなリスクがあり、それらにどう備えるかについて個々がしっかりと考えることです。ぜひ、ご自身にとって必要な保険を選択し、無理なく無駄なく効果的に備えていただきたいと思います。
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