道を聞いたら不審者扱い…子どもの防犯対策と大人の想い
LIMO / 2020年1月10日 10時45分
道を聞いたら不審者扱い…子どもの防犯対策と大人の想い
折りに触れ、「昔の常識は今の非常識なんだな…」と痛感することがあります。また、自分が母親になった今、自分たちが子どものころとは、子どもたちを取り巻く環境が大きく様変わりしたことを実感。
特に、自分で自分の身を守るための「防犯意識」はしっかりと身につけてほしい、と強く願っています。その一方で、「そんなつもりはないのに、自分が不審者扱いされた」と笑うに笑えない体験をした人も数多くいるようです。
昔は素晴らしいことだったけど…
先日、友人がこんな話をしてくれました。「ケーブルテレビで子どもと、私が小さいときに好きだったアニメを見ていたの。そうすると、アニメに登場する男の子が通りすがりの人に道を聞かれるシーンがあって。その子が道案内をしていると、我が子が『これって危ないからいけないんだよね』って言ってきたのよ」筆者を含めその場にいたママたちは思わず「本当だ!」と顔を見合わせてしまいました。
確かに昔は、見知らぬ人に道を聞かれたら、きちんと教えてあげる、ともすれば目的地まで一緒に付いていってあげるのが親切とされていました。
しかし、小学校低学年の我が子が同じ状況に遭遇したら…?今、「危険回避のための防犯対策」として、「知らない人から道を聞かれたら『自分はわからないので大人の人に聞いてください』と言ってその場から立ち去ること」が正解である、とされており、実際に筆者も我が子にそのように対処するように練習したのです。
「見知らぬ人から道をたずねられても決して案内してはいけない」と教えられた友人の子どもはアニメで、見知らぬ人に道案内をして大人たちからほめられ、ご褒美のお菓子までもらっている男の子の姿を見て、酷く混乱していたとのこと。それもそのはず、普段両親や先生から「決してやってはいけないこと」をしてほめられているのですから。
「困っている人を助けてあげるのはいいこと、と教える一方で道を聞かれても教えてはいけません、と言うのはねぇ…とは思うけれど、やっぱり子どもの安全を一番に考えたいものね」今のご時世仕方がない、と言ってしまえばそれまでなのでしょうが…。
話しかけただけなのに…
時を同じくして、知り合いのご婦人からこんな笑うに笑えない話を聞きました。
「少し前に道端で、小学生の男の子と出会ったのよ。あまり見かけない子だったけれど、向こうから『こんにちは』と挨拶してくれたので、『なんて礼儀正しい子だろう』と嬉しくなっちゃって『こんにちは。小学校何年生?どこまで帰るのかしら?』と質問しちゃったの。そしたらその子、しばらく私の顔を凝視したかと思ったら、突然防犯ブザーを鳴らして、走って逃げて行ったのよ」憤慨しながら語るご婦人に「それは災難でしたね」と返答するしかない筆者。
「まぁこんな時代ですからね、あまり子どもには気軽に話しかけてはいけないのよね。せいぜい挨拶程度よ」「寂しい時代になった」と嘆きながら去っていくご婦人。しかしこれも子どもが自分の身を守るためには致し方ないことなのかも…と筆者はしばし考え込んでしまいました。
今回のケースも、子どもは決してご婦人に嫌がらせをしよう、と思っていたわけではありません。子どもは「知らない人に話しかけられた」ので、学校や両親に言われた通り「急いでその場から逃げた」に過ぎないのです。もし筆者が我が子から「見知らぬ人にいきなり話しかけられたから、あわてて逃げた」なんて聞かされたら「正しい対処をした」と子どもを褒めると同時に、学校に不審者情報の連絡をしていることでしょう。
「気軽に子どもに話しかけることもできない、薄情な世の中になった」「子どもの警戒心が強すぎて可愛げがない」なんて言葉もしばし聞かれますが、子どもは、大人の言いつけをきちんと守っているだけなのです。
「知らない人に道を聞かれてもむやみに教えない」と子どもに教えると同時に、大人も「子どもに道を聞かない」ことを意識しなければいけない、そんな時代なのでしょう。
まとめ
小学生の親としての率直な気持ち、それは「他人に『愛想がない』と思われようが、我が子には自分の身を守るために警戒心の強い子どもになってほしい」です。最近のニュースを見ていると、悲しいかな「顔見知りだから安心」だと断言できるわけではない、そんな気がするのです。確かに少し寂しい、味気ない気はしますが…子どもの安全には代えがたい。これは保護者のエゴなのでしょうか。
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