「金融リテラシー」クイズ、体験してみない?自信過剰な人ほど金融詐欺の被害に遭いやすい!
LIMO / 2020年1月1日 19時15分
![「金融リテラシー」クイズ、体験してみない?自信過剰な人ほど金融詐欺の被害に遭いやすい!](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_15183_0-small.jpg)
「金融リテラシー」クイズ、体験してみない?自信過剰な人ほど金融詐欺の被害に遭いやすい!
「金融リテラシー」という言葉をご存じでしょうか。これは、一般的に「お金に関する知識や判断力」のことを指します。「金融リテラシー」クイズを体験してみませんか?どのようなテストなのか知ることで、「そんなに難しいことじゃないな」と分かると思います。
「金融リテラシー」が高い人は高齢者?
金融広報中央委員会(知るぽると)が2019年に実施した『金融リテラシー調査2019年調査結果(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2019/pdf/19literacy.pdf)』によると、一般的に高齢者ほど金融リテラシーが高くなる傾向があるようです。
一方、若い世代や金融資産が少ない人、投資をしたことがない人は金融リテラシーが低めです。こうしたことから、お金に関するさまざまな経験をすることによって、金融リテラシーが高まっていくと考えて良いでしょう。「金融リテラシー=お金に関する生活力」と捉えることもできそうです。
ところが、いわゆる「オレオレ詐欺」やアポ電強盗の被害にあいやすいのも高齢者です。
実は、高齢者のなかにも、金融リテラシー格差が存在することがわかってきました。そもそも、高齢者だからといって、必ずしもお金に関する経験が豊富だとは限りません。お金に関わる新しいサービスや技術が次々と登場して、古い経験がそれに追いつかないという要因もあるでしょう。
また、幅広い世代で貧困化が進んでいることも見逃せない問題です。お金に関する多様な経験を蓄積できないまま、老後を迎えてしまう人が増えています。
一方、「金融リテラシーについて自信過剰な人ほど詐欺被害にあいやすい」という状況も浮かび上がってきました。詳しくみていきましょう。
(参考記事:『金融リテラシーを高めるのは保有資産の大きさよりも経験の積み重ね(https://limo.media/articles/-/11948)』)
金融リテラシークイズを体験してみよう
金融広報委員会は『金融リテラシー調査2019年調査(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/literacy_quiz/)』のなかで、金融リテラシーの高さをチェックするための「金融リテラシークイズ」を実施しています。
まずは、クイズの内容について具体的にみていきましょう。たとえば、「家計の行動に関する複数の記述のうち、適切でないものを選べ」という問題です。
選択肢には、「家計簿などを使って家計の収支を管理する」「収入の一部を天引きするなどして貯蓄を行う」「クレジットカードの分割払いを多用する」などといったものが並んでいます。あなたは、どれが不適切だと思いますか?
正解は、「クレジットカードの分割払いを多用する」です。クレジットカードの分割払いは通常金利が高めに設定されているので、一括払いなどできるだけ金利の低い支払い方法を選ぶように心がけましょう。
クイズをもう1問ご紹介します。「金利が上がっている状況で、資金の運用と借入れの金利をどう設定すればよいか」という問題です。選択肢は4つあります。
1.「運用は固定金利、借入れは固定金利」
2.「運用は固定金利、借入れは変動金利」
3.「運用は変動金利、借入れは固定金利」
4.「運用は変動金利、借入れは変動金利」
このうち、どれを選べばお得になるのでしょうか。
正解は、3の「運用は変動金利、借入れは固定金利」です。金利が上がっているときは、運用を変動金利にすると金利も連動して上がるので、利益が増えます。一方、借金をする場合は、変動金利にすると支払わなくてはならない利息が増えてしまうので、固定金利のほうが有利なのです。
自信過剰な人は詐欺にあいやすい?
フィデリティ退職・投資教育研究所は、2018年に『高齢者の金融リテラシー調査』を実施しました。調査対象は65~79歳の高齢者1万1,960人です。金融広報中央委員会が2016年に実施した「金融リテラシークイズ」を取り入れたほか、「金融詐欺にあったことがあるか」という設問を独自に追加しました。
この結果、金融詐欺にあったと回答した人は4.6%存在することがわかりました。注目すべきことは、金融リテラシーについて自信過剰な人ほど金融詐欺被害率が高かったという点です。
同調査では、「同世代の人と比べると自分は金融知識が高い」と考えているのにもかかわらず、実際には「金融リテラシークイズ」の得点が平均値よりも低かった人を「金融リテラシーの自信過剰な人」と定義しています。
自信過剰な人の金融詐欺被害率は、そうでない人に比べて突出して高くなっていたのです。「自分は絶対にだまされない」と考える人ほど、十分に注意する必要があるでしょう。
(参考記事:『金融詐欺の被害にあいやすいのは「自信過剰な人」(https://limo.media/articles/-/12086)』)
高齢者は金利を理解するのが苦手
フィデリティ退職・投資教育研究所の調査によると、高齢者では金利に関する理解がとくに低いことが明らかになりました。さきに紹介した金利に関する設問や「単利と複利の理解」に関するクイズで「わからない」と回答する人が3割以上を占めたのです。
この原因の1つに、そもそも借金や投資をする人が日本人には多くないということがあるでしょう。金利に関わる経験値が高くないのです。金利をしっかり理解することが金融リテラシーを向上させるカギになる可能性があります。
一方、加齢による思考力や判断力の低下が自信過剰の原因になるケースも少なくありません。高齢者については単純に金融リテラシーが高いか低いかではなく、自分の金融リテラシーの水準を正しく理解しているかどうかが金融詐欺を防ぐための重要なポイントになってくるでしょう。
(参考記事:『金利に対する理解力の弱さが目立つ高齢者~金融リテラシークイズの結果から(https://limo.media/articles/-/11709)』)
【参考】
『金融リテラシー調査2019年調査結果』金融広報中央委員会(知るぽると)
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