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老後資金、夫婦で3000万円は用意したい…50代、今から始める老後の備え

LIMO / 2020年1月4日 19時15分

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老後資金、夫婦で3000万円は用意したい…50代、今から始める老後の備え

いわゆる『老後2000万円問題』をきっかけに老後の生活費について不安を感じた人も多いのではないでしょうか。金額的にどうであれ、「退職後の生活のためにまとまった資金が必要」ということは間違いありません。人により必要な生活費は違いますし、公的年金の支給額は頭打ちだからです。

みんなが考えておくべき老後資金とその重要性について考えてみましょう。

老後の「最低限必要な生活費」と「公的年金支給額」

老後の収入が公的年金のみの場合、自分で準備すべき老後資金の金額は、「公的年金支給額」と「老後の生活費」との差になります。

2019年に生命保険文化センターが発表したデータ『令和元年度「生活保障に関する調査(速報版)」(http://www.jili.or.jp/press/pdf/press_190920_2.pdf)』によると、夫婦2人の老後の生活費(平均額)は以下のようになっています。

・「最低日常生活費」の平均額…22.1万円
・「ゆとりある老後の生活費」の平均額…36.1万円

そして公的年金の受給額(※1)については
・国民年金(満額)受給者の場合…1人あたり月額6万5,008円
・厚生年金のモデル世帯…月額22万1,504円
となっています。

厚生年金世帯においては最低限必要な金額をカバーできそうですが、このモデル世帯とは、「夫が平均月収42.8万円で40年間就業し、妻がその期間すべて専業主婦であった世帯」となります。

平均月収は年収を12で割った数値になりますので、月収42.8万円は年収換算で513万円超。この年収で40年間就業した家庭を想定していることになります。

確かに、給与所得者の年収は441万円(男性545万円、女性293万円:国税庁調査※2)ありますが、この調査データの平均年齢は46.4歳。中高年層がデータを押し上げている面もあるでしょう。

このように、参考となるデータはありますが、各人が『年金定期便(※3)』等で将来の支給見込み額を確認し、それぞれ備えていくことが重要になるといえます。

【参考】
『令和元年度「生活保障に関する調査(速報版)」』生命保険文化センター
(※1)『平成31年度の年金額改定についてお知らせします(https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/000468259.pdf)』厚生労働省
(※2)『平成30年分民間給与実態統計調査結果について(https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/minkan/index.htm)』国税庁
(※3)『「ねんきん定期便」とは(https://www.nenkin.go.jp/n_net/n_net/nenkinteikibin_2018.html)』日本年金機構 ねんきんネット 電子版

老後に向けた資金確保を考える

老後資金を考える際に気になるのが、定年退職以降も就業できるのか、いくつまで健康でいられるのかという点でしょう。老後資金を考える際のポイントがありますので参考にしてみてください。

(1) 健康な老後を送れるかどうか

老後、健康に過ごすことができれば継続して就労することも可能です。
総務省統計局の『平成29年就業構造基本調査(http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/index2.html)』調査結果によると、全国平均で25%程度の方が65歳以降も就業しています

また、平均寿命と比較される「健康寿命」も老後の生活を大きく左右します。厚生労働省によれば、2016年の男性の健康寿命は72.1歳、女性は74.7歳。長い人生を考えると男女とも健康面のリスクを想定していく必要があることが分かります。

(2) 定年退職までに貯め終わらなくては、というわけではない

老後資金は定年退職までに積み立て完了が目標というわけではありません。資産はそのまま運用を継続することができます。

老後資金を生活費として使い始める平均年齢は65.1歳(※4)といわれていますので、貯金の切り崩しをできるだけ先延ばしにすることが重要です。継続して収入を得たり、生活費を節約するなどの方法で対策をしていくことになります。

【参考】
『平成29年就業構造基本調査』総務省統計局
(※4)『公的年金や退職金以外に準備した資金を使い始める年齢(https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/1.html)』生命保険文化センター

(3) 不測の事態を想定した場合の必要額

そこまでゆとりのある生活を目指していなかったとしても、思うように就業ができない場合や、医療費・介護費等の支出が続く可能性もあります。そのような不測の事態に備えて、先ほどの「ゆとりある老後」のデータを参考に備えるべき金額を算出してみましょう。

《2人世帯・不測の事態に備えた場合の必要額》
60歳で定年を迎え、65歳から年金受給開始。以降の20年間を想定した場合、
・生活費(参考:「ゆとりある老後の生活費」)…36.1万円
・厚生年金支給額(モデル世帯)…22.1万円
差額14万円×20年間(20年×12カ月)=3360万円

(4) 50代の貯蓄額

では、定年を目の前にした世代はどのくらい貯めているものなのでしょうか。
2019年5月に総務省が公表した『家計調査報告[貯蓄・負債編]平成30年(2018年)平均結果の概要(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)』によると、2人以上の世帯(世帯主が50歳代)の貯蓄額・負債額は

【貯蓄額】
2018年の平均1,778万円
過去10年間(2009年以降)の平均は1,688.1万円
【負債額】
2018年の平均683万円
過去10年間(2009年以降)の平均は541.3万円

老後には何が起きるか分からない怖さがあり、不安も大きくなります。この現状を見る限り、老後に向けた対策が重要だと考えさせられます。

【参考】
『家計調査報告[貯蓄・負債編]平成30年(2018年)平均結果の概要』総務省統計局

貯金ができる環境をつくるには

老後資金2000万円の話題は良くも悪くも、世の中の意識を老後資金へ向けるきっかけとなりました。退職金や年金だけでは頼りないというのが日本の実情なのです

貯蓄の不足が心配、老後の収入見込みが乏しい…という場合は、投資も選択肢に入れていく方が賢明でしょう。投資信託であれば、比較的少額から始められます。証券会社によっては100円単位からの取扱が可能です。つまり、毎月節約した分で積立投資が可能なのです。

投資により得た利益部分が非課税になる制度「NISA」「つみたてNISA」もあります。

まずは投資用資金を確保することろから取り掛かってみましょう。ちょっとした外食費や携帯代を節約することで資金を絞り出せます。クレジットカードの利用も減らしてみると、家計をリフレッシュすることができるはずです。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

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