女性の7人に1人が50歳まで独身!「おひとりさま老後」に備えるための資産運用術
LIMO / 2020年1月15日 19時15分
女性の7人に1人が50歳まで独身!「おひとりさま老後」に備えるための資産運用術
結婚をしないまま老後を迎えた場合、一番気になるのはお金のことではないでしょうか。気づいたら老後を迎える年齢になっていた!なんてことにならないように、若いうちから老後資金を作っていくことが大切ですね。
今回の記事では、1人の独身女性を例にして、老後に向けた資産運用法を紹介します。
男性は4人に1人、女性は7人に1人が生涯一度も結婚していない
5年に1度行われる国勢調査。2020年の今年も、調査が行われます。2015年の調査結果によると、生涯未婚率(調査年に50歳の男女のうち結婚歴がない人の割合、現在は「50歳時未婚率」に名称変更)は男性23.4%、女性14.1%となったそうです。つまり、男性は約4人に1人、女性は約7人に1人が50歳まで一度も結婚していないということがわかりました。
今回登場するのは、現在40歳の独身女性Cさん。弟2人は結婚して家を出ており、父親が残した持ち家に母親と2人暮らし。今はフリーランスとして働いています。まだまだ元気ですが、母親にもしものことがあれば、自分は一人暮らし。「おひとりさま老後」に向けて、そろそろ準備を始めたいと考えているそうです。
老後のための資産運用で利用したいNISAやiDeco
「今興味があるのは、NISAとiDecoです。年金だけじゃ心もとないので、しっかり貯めておきたくて」と話すCさん。ではここで、NISAとiDecoの基礎を確認しておきましょう。
NISA(少額投資非課税制度)
2014年1月にスタートした、個人投資家のための税制優遇制度です。株や投資信託などの投資においては、購入した投資商品に対して発生した配当・譲渡益といった運用益を手にすることができます。通常はこの運用益に対して、20%の税金がかかります。でもNISAを利用すれば、年間120万円の購入額に対して発生した配当・譲渡益等については、最長5年間、税金を支払わなくてもよくなるのです。
つみたてNISA
2018年1月からスタートした、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。非課税となるのは年間40万円までで、一定の投資信託の購入に対してのみ、そして非課税期間が最長20年間という点でNISAとは異なります。なお、NISAとつみたてNISAは、どちらか一方しか選択することができません。
iDeco(個人型確定拠出年金)
公的年金にプラスして給付を受けられる、私的年金制度のひとつです。iDecoを始める時には、自分で申し込む必要があります。掛金を自分で支払い、その運用方法を自分で指定しますが、原則60歳まで引き出しができません。でもiDecoに加入している期間である通算加入者等期間が10年以上必要なので、加入する年齢が遅くなると受け取れる年齢が60歳から繰り下げられてしまいます。
一方、掛金が全額控除となり、運用益も非課税となる等のメリットがあるのもiDecoの魅力と言えます。掛金と運用益の合計は、将来年金として受け取ることができます。
あくまで「老後資金」を準備することを主目的とするならiDecoへの加入、途中で何か大きな出費が想定されるのであればNISAを利用するなど、使い分けもできそうですね。
おひとりさまの老後に必要な金額は?
先ほどのCさんはこう続けます。「NISAとiDecoの概要はわかりました。次に気になるのは、『おひとりさまの老後にはいくら必要なの?』という点です」
2019年「老後資金は2000万円必要」という金融庁の報告に、世間が騒然としたのは記憶に新しいでしょう。でも、この金額はあくまでも目安です。現在の生活費の7~8割が老後の生活費といわれることもあるようですが、必要な金額は、その人の暮らしぶりによって変わってきます。
例えば、現在の毎月の生活費が18万円として、今と同じだけの生活費が老後にもかかるとしたら、年間で必要なお金は18万円×12カ月=216万円となります。
ここで年金がいくらもらえるのかを見てみましょう。厚生労働省が公開した「厚生年金保険・国民年金事業の概況(平成30年度版)(https://www.mhlw.go.jp/content/000578278.pdf)」によると、厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額(老齢年金)は、平成30年度末現在で14万6000円。一方、国民年金受給者の平均年金月額(老齢年金)は、平成30年度末現在で5万6000円です。
上記例で考えると、厚生年金保険(第1号)受給者は18万円-14万6000円=3万4000円(年間40万8000円)、国民年金受給者であれば、18万円-5万6000円=12万4000円(年間148万8000円)を、自分で用意しなければなりません。この数字を見る限り、自分はまだまだと思っていても、若いうちからきちんと準備をしておくことが大切ですね。
老後の前に自分自身に「もしも」があったら?
「私は国民年金ですから、今の生活水準を保とうとすると、結構な金額が必要なんですね…。ところで気になっているのは、iDecoに加入した場合です。原則60歳まで引き出しができないでしょう?私が受給年齢になる前に、自分自身に『もしも』があったら、どうなるのでしょう」とCさん。
iDecoの加入期間中に加入者が死亡した場合は、これまで運用していた年金資産は、死亡一時金として遺族が受け取ることができます。ちなみに「遺族」とは、配偶者、子供、親、祖父母など、いわゆる法定相続人を指します。でもあらかじめ金融機関に届出をしておくことで、特定の人を受取人に指定することもできます。
遺族が死亡一時金を受け取るには、iDecoの手続きをした金融機関に対して、届出をする必要があります。Cさんのように「おひとりさま老後」を意識してiDecoを始める場合は、法定相続人が誰になるのかをきちんと把握しておく必要があります。場合によっては、死亡一時金の受取人をあらかじめ指定しておいた方がよさそうです。
まとめ
「おひとりさま老後」を迎える人にとっても、老後資金を作る上で強い味方となるNISAやiDeco。ただしiDecoは、基本的に長期運用を前提としています。運用期間が短いとまとまったお金にはなりにくいですし、50代になってからだと年金の受給年齢が遅くなるというデメリットもあります。そう考えると、老後資金を貯め始めるなら30~40代のうちがよいかもしれませんね。
【参考】
「厚生年金保険・国民年金事業の概況(平成30年度版)」厚生労働省
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