頑張るお父さんが巻き起こした「PTA珍事件簿」
LIMO / 2020年1月15日 11時15分
![頑張るお父さんが巻き起こした「PTA珍事件簿」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_15395_0-small.jpg)
頑張るお父さんが巻き起こした「PTA珍事件簿」
幼稚園、保育園、小学校、中学校。果ては高校まで。毎年、春先になるとお子さんのいるご家庭を悩ませるPTA問題。こと、お母さんが参加するイメージが強いPTAですが、共働きも増えた昨今、忙しい妻の代わりにと、お父さんが参加するというご家庭もちらほら。
今回は、そんなPTAで一生懸命すぎるお父さんたちが巻き起こした「事件」について、みてみましょう。
妻のために断ってあげたつもりが…
小学生の子ども2人がいるJさんの家では、クラス替えの時期になると決まって妻がぼやきます。「また、クラス委員勧誘の電話がかかってくるよ…」
Jさんの子供が通う小学校のクラス委員決めは電話勧誘。一度もPTA役員や委員経験のない家庭に優先的に小学校から電話がかかってくるのです。Jさんの妻は一度も委員経験がなく、今までは「下の子が小さい」という理由で断り続けていました。しかし、下の子も1年生。さすがに今年は断る理由がありません。
とそこに、1本の電話。とったのはJさん。「もしもし、〇〇小学校PTAの△△と申します。クラス委員のお願いで電話しました」
これか!と思ったJさん。妻の思い悩む顔を思い出し、怒りがわきます。これは俺が旦那としてビシッと言ってやらなくては!『あんたねえ。毎年毎年どういうつもりなの?うちのはできないって断ってるでしょ!ほかにできる人当たってよ!』受話器を置いて顔を上げると、そこにはなぜか真っ青な妻。
『断ってあげたよ』とドヤ顔のJさんに、「なんてことしたの!」と怒る妻。なんと勧誘の電話をかけてくるのは、毎年違う人で、委員勧誘の係になった保護者の人。近所の人や子どもの友達の保護者という可能性も十分にあるのです。「断るなら、もっとやんわり断ってよ」と嘆く妻。
案の定、Jさんが怒鳴った相手は下の子の同級生のお母さん。「あそこのお父さんは怖い」というレッテルを貼られ、Jさんの妻はしばらく居心地が悪かったそう。
PTA活動に目的とやりがいを見出そうとしたお父さん
自身の母校である小学校にお子さんを入学させたDさん。PTA活動にも非常に積極的だったことから、すぐにPTAの本部役員として抜擢されました。
しばらく活動してみて感じたのは、目的も手順も不明確な活動が多いこと。四苦八苦しながら活動し、1年過ぎたら二度とは委員になってくれない保護者を見ながら、「もっと積極的にPTAの活動に参加してもらうにはどうしたらいいだろう」と思っていました。
そして、Dさんは「これはPTA活動に『目的』と『やりがい』を感じる人がいないからでは」という考えに至ります。
ならばと、取り掛かったのが、各委員会の意義と目的、そして年間行事や手順をまとめたハンドブック作り。「これを保護者全員に配れば、活動の趣旨を理解してくれる人も増えてくれるはず…」と、仕事の合間や休日を使って、せっせと提案書を作りました。
しかし、いざできあがった提案書を役員会に諮ったところ、みなさんの反応はいまいち。校長先生も、PTA会長も「いや、非常にありがたいんですが…。うん、まあそういうものを刷る予算は…ありましたかね?」とずいぶん歯切れが悪い。他のメンバーの表情を見ても、みなさん、どうにも微妙な表情…。
結局、冊子の発行はうやむやになり、釈然としないDさんに、役員歴6年目のベテランのママさんがあとでこっそりと教えてくれました。
「過去にも何度かそういう方はいたみたいなんですよ。『目的とやりがいがあれば、絶対PTA活動は盛り上がる』とおっしゃって、案内を作るとか…。でも、まあどれもうまくいってないんですよね。みなさんが委員になりたがらないのは、多分、それ以前の問題なんじゃないかしら?」
もう、やめるにやめられない!?
子どもが6年生のNさんが本部役員を引き受けたときのこと。本部役員と各委員長が参加する理事会にはじめて出席した際に、イベント委員会の席に、初老の男性が座っているのが目に入りました。
小学生の保護者にしては、おじいちゃんといっていいほどの年齢に見えます。「遅くに生まれたお子さんがいるのかしら?それにしては、見たことない顔ね…」と不思議に思っていると、隣にいたママさんが、こっそり耳打ちしてきました。
「あの人、何年か前のイベント委員会の委員長さんなのよ。その代のバザーがすごく盛り上がって、評判がよくてね。お子さんが卒業するときに、みんなが『委員長さん、やめないで』って半分冗談でいったら、PTA規約を変更させて、PTA協力員とかいう役職を作って、本当に残っちゃったんだって。すごいよね。もう、お子さん結婚してるって噂。ただ、歴代のPTA会長さんとかイベント委員会の委員長さんは、今風にやり方を変えたくても、あの人がすぐに『昔からこういう風に決まってる』と口を出してきちゃうから、なかなか変えられなくて困ってるみたい。」
子どもが卒業しても、親がPTAを卒業しないケースもあるんだ…と、ちょっとびっくりしてしまったNさんなのでした。
まとめ
「PTAは妻の仕事」と丸投げの人もいれば、「子どものために」「妻のために」とPTAに参加を決心する人もいるなど、お父さんとPTAの関わり方も家庭によってそれぞれ。
ただ、せっかくかかわるなら、子どものために一番いい結果になるように行動できるといいですね。
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