「銀行員に好かれる人は成功する」の法則〜ベテラン行員の目
LIMO / 2020年1月19日 20時15分
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「銀行員に好かれる人は成功する」の法則〜ベテラン行員の目
銀行員に好かれる人は成功する。
私は勤続30年の銀行員としての経験から、このように感じています。なぜなら銀行員に好かれる人は、周囲の人からも、そしてお金からも好かれる特徴を兼ね備えている人だからです。
銀行が斜陽産業と言われるようになり、そこで働く銀行員の意識も変わってきていますが、根本的な部分は今も変わりません。それは、信頼できる人物か?という視点を持って顧客と向き合っているということです。
そういった意味で、もしあなたが銀行員に好かれるような人間になれば、成功が近づいてくるはずだと銀行員は考えます。
銀行、銀行員とは?~好かれる人間像を語る前に
企業として利益を追及しなければいけない反面、公共性も求められるのが銀行という存在です。
利益と公共性、実は相反しています。銀行が利益を追求すれば、たとえば融資の金利を引き上げる、反対に預金金利を引き下げる。あるいは手数料を値上げすれば儲かります。しかし、銀行が儲かるということは、利用する顧客は負担が増えるわけで公共性とはかけ離れてしまいます。
このように、銀行とは矛盾を抱えた、もっと言えば「面倒くさい企業」なのです。
そこに勤める銀行員も同じく、利益追求のノルマと公共性を同時に求められますので、やはり「面倒くさい人種」とも言えるでしょう。
銀行員に好かれる人間像
それでは、銀行員に好かれる人間像を2つ紹介していきましょう。
1つ目は「自分を知り、自分を語れる人」、2つ目は「ウソをつかない、話を盛らない人」です。反面教師として、いくつかの具体例と一緒に見ていきたいと思います。
自分を知り、自分を語れる人
これは会社経営者や自営業で融資取引を考えている人には、必須な特徴と言ってもいいでしょう。自分を知っているというのは「自分の事業や立場をしっかり把握している」という意味です。
事業なら何年に創業して今何年目、従業員は何人で、決算書の数値はこうであると、そらんじているくらいでなければ銀行員は経営者と認めてくれません。また事業がこれからこうなる、こうなってほしい、だから今こうやっている、など自分の言葉で語れる人は銀行員から好かれます。
銀行員から「御社の今後10年間の計画、ビジョンを教えてください」と聞かれて「それはですね、えーと…」と詰まるようではいけませんね。
また、身の丈を知っている、身の丈をわきまえているというのも、自分を知っているという点では大切なことです。実際の生活水準に合っていないような高価な贅沢品を身につけたり、高級車を乗り回したりするのも、場合によっては銀行員にマイナスイメージを与えることがあります。
ここは線引きが難しく、たとえば車ならどこからが高級車か?の判断は人によっても違いますが、銀行員の尺度では「売上〇〇円の社長がベンツ、というのは無理している」といった具合で、会社業績と連動して見られます。
ちなみに銀行員が好きなのは国産車です。メーカー名は差し控えますが、運転手付きの黒とまではいかない、白色のセダンなどです。
「自分を知っている」、これは経営者だけでなく普通の人にも言えることです。
たとえば住宅ローンなどの申込で勤続年数や年収を間違える人は意外と多いのですが、これは審査でマイナスになります。なかには自宅住所を間違える人もいて、「自宅の住所や年収を間違える人間は信用できない」と見られてしまう場合がありますので、注意が必要なところです。
ウソをつかない、話を盛らない人
ウソと言っても、文字通りのウソはいけません。会社の決算書や銀行に提出する資料に虚偽(ウソ)があれば、好かれる以前の問題です。ここでいうウソとは「ものは言い様」「少し話を盛りすぎている」といったニュアンスです。
経営者から「一流企業で重要な地位まで上りつめて、惜しまれつつ退社し事業を始めた」などと経歴を聞くと(そこまで優秀なら、その一流企業で社長になれたはずでしょ?)と、銀行員でもツッコミを入れたくなることがあります。
また決算書などの数字でも、少しでも銀行に良く見せたいと切り上げる人が結構います。たとえば売上が1億5千万円を約2億、利益850万円をほぼ1千万円などと表現するのは「盛りすぎ」に見られます。
銀行では、保守的、ネガティブな思考から切り捨てが基本なので、資料などを作るときに切り上げや四捨五入してあると「盛っている」と見られてしまうこともあります。
1つ目と同じく、こちらも個人の場合も同様で、ローンの申込のときに勤続年数を切り上げたり、年収を四捨五入して多く書いたりすると「盛っている」と思われるときもありますので、何事もやり過ぎは禁物です。
まとめ
銀行員に好かれるのは「自分を知り、自分を語れる」そして「ウソをつかない、話を盛らない」人なのですが、これらは言ってみれば、人としてあるべき基本の姿かもしれません。
しかしこの基本、つまり当たり前を当たり前に行なうのは結構、難しいのです。だからこそ、それができている人は銀行員からもお金からも好かれるのでしょう。
他人のことを偉そうに、銀行員はそんなに立派なのか?と思われるかもしれませんね。もちろんそんなことはありません。銀行員もただの会社員、立派な人間ばかりではありません。
しかし、預金として預かったお金を融資し、利息を付けて返してもらう銀行業務では、融資したお金をきちんと返してくれそうか? 信頼できる人間か? これを見極める厳しい視線が培われます。
面倒くさい人種である銀行員から好かれる人は、信頼できる人間だと銀行員が証明しているようなもの、だからこそ成功するのだとも思えるのです。
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